闇の子供たち

著者 :
  • 解放出版社
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本棚登録 : 195
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759260724

感想・レビュー・書評

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  • 映画化になった時に作品を知り、図書館にて借りました。

    そして軽い考えで借りてしまった、と悔やみ読みきりました。
    当時はまだ結婚したばかりで、子供もおらず、ただただ悲惨な表現に涙するばかりでしたが、子持ちになった今は正直再読する勇気はまだありません。

    自分の子供を売り飛ばし、それが親孝行だと喜ぶ両親。
    そのお金は冷蔵庫やTVに変わっていく・・・。
    SEXの意味さえも知らない子供を買う大人。
    自分の取り分が無いと交渉する、あどけなさが残る少女。

    こうやってPCのキーを打つ間も薄っすらと視界が曇ります。
    でもこれは世界でおこなわれている「現実」
    読後は自分の無力感に襲われました。

  • 在日韓国人の梁石日氏が書いた衝撃の問題作です~。

    いや~~~~!!すごかった!
    この一言に尽きる小説でした。
    ノンフィクションのような迫力感。

    幼児売買春、幼児の臓器売買をテーマに書かれた本です。

    貧乏な故に子供を売り飛ばし、まだ10才にも満たない子供は外国人の性の奴隷にされ、いろんなところに売られ、エイズにかかるとゴミ捨て場に捨てられて死んで行く。。。。
    文明の機器が発達してる世の中で、隠れたところでこんなことが起こってるとはしらなかった。。。
    読んですごくショックでした。。。

    親が血をわけた子供を売り飛ばす。。。
    売り飛ばされてる先で何が起こってるのかも知ってて売り飛ばす。。。信じられない。
    そして、純粋な子供たちを性の奴隷として働かせる。その幼児を買う外国人。
    子供には夢も未来もない。。。
    夢も未来も見れないままに死んでいく。。。
    そんなことがあっていいのだろうか。。。

    そういうことを防ぐために無くすために、社会福祉センターは動いてるのだけど、
    警官も軍も政府もマフィア絡みで目を瞑るだけ。。。
    そんなことがあっていいのだろうか???

    タイという国はメチャクチャです。
    自分の今いる状況、幸せを本当に感謝しなくてはいけない。
    こんな私に何か出来ることはないのかな~。
    今、うちもカードの支払いでアップアップだし。。。。
    いろんな支払いが落ち着いたら毎月募金でもしたい。。。
    それくらいしか出来ることないのか???
    なんか歯がゆいです。

    ほんといろいろ考えさせられます。。。

  • ラストは何を伝えたかったのか?腑に落ちないところもありますが、問題提起する本としては考えさせられる部分が多くありました。

    性描写が生々し過ぎて、読むのに苦痛を伴いますが、こう言ったことはアンダーグラウンドな世界や貧困国では起こっていることだとも思います。


    悲観的で読むと暗くなっちゃいそうですが、これを読んで自分には何が出来るだろうか?と考えることが大切な本だと思います!

  • タイで起きている子供の人身売買、強制売春、臓器売買。
    親に売られ、まだ10歳にも満たない子供たちが売春をさせられ
    生きたまま臓器を提供させられる。
    エイズになればゴミ袋に入れられゴミに出される・・。

    そんな暗い話です。
    買う人がいるから売る人がいる・・。
    幼児性愛は理解できない。可哀想と思えないんだろうか?
    それでお金を儲ける大人にも罪悪感はないんだろうか?
    子供が泣いてる姿を見て喜べるってそれだけで罪。

    読み進めるのもつらいけど読後もしばらく鬱気味になる
    ストーリー。映画化もされましたよ。
    大勢の人に読んでもらいたい問題提起作品です。

  • 時々リアル感から外れるシーンがあって、ノンフィクションを読む気がしない。

  • レイプされた男児が射精したシーンにショックを受けてるセンター職員の描写にはてなマーク。生理現象なんだから当たり前。被害者はこういうことがあるからこそ苦しむ。日々あらゆる種類の虐待を受けてきた子どもと関わりがある職員がこれにショックを受けてるのはありえないと思うんだけど。

  • 救いが無い。だからこそ目を背けてはならない。

    幼児売春に臓器売買。そのテーマから覚悟はしていたものの、衝撃は想像以上であった。生き方を選ぶことさえできない子供たち。世界にはそういう子らの方が多いのであろうことに気付かされる。いや、気付かされるのはそういう事実を感じながらも目を背けていた自分の姿なのかもしれない。重い現実を突きつけ、対峙する読者自身をも問う衝撃作。救いの無いラストがやりきれない。映画も見てみたいものだが、小説と立て続けは無理だな。

  • 壮絶な内容。この作品が当初ノンフィクションとして扱われて問題になったそうだが、事実はそれ以上なんではないだろうか?現実にお金でどんなものでも取引の市場にあっては売買されるということはこの作品に限らず様々なメディアや議論の対象として扱われている。しかし、都合の悪い事実は覆い隠したいという体制。そして、人ひとりの人間の中に闇を見たくないという心理。他人ごとにしたいという心理が働いている。遡上に上がったときはじめて驚いて現実のすさまじさに驚嘆する。ジャーナリズムの使命についても再三内容の中で語られている。グローバル経済がもたらした闇についても。弱肉強食の中で闇に地下に沈んでいる弱き貧しき者たちの生を炙り出した作品。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:913.6||Y
    資料ID:50201298

    2008夏公開予定『闇の子供たち』原作

  • 人身売買の実態を非常にリアル?に描いており、発展途上国で起こっている現実を痛いほどに伝えてくれました。映画より激しい内容で、呼んでいる間も終わった後も、ただ呆然とするしかないかんじでした。映画も怖さがひしひしと伝わってきて、強い印象が残っています。

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著者プロフィール

1936年生まれ。『血と骨』『夜を賭けて』など作品多数。

「2020年 『魂の痕(きずあと)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梁石日の作品

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