児童養護施設と社会的排除-家族依存社会の臨界-

  • 解放出版社
4.33
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 42
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759267419

作品紹介・あらすじ

部落解放・人権研究所編『排除される若者たち―フリーターと不平等の再生産』をまとめる過程で執筆者たちは、「排除状態の典型層」として、また「排除型社会」日本を浮かび上がらせる存在として、さまざまな事情を背景に家族と離れて児童養護施設で育ち、巣立っていく若者に注目するようになる。
 さまざまな形で困難な条件が折り重なる家庭に生まれた彼/彼女らは、施設に移ると、不十分なケアと学校教育のサポート不足、周囲からの偏見に直面する。施設を出た後も続く不利な生活条件のなかで生き抜いてきた当事者たちの経験を、本人の言葉を通して描き出したのが本書である。
 時あたかもタイガーマスク現象を通じて、にわかに児童養護施設が脚光を浴びるようになり、国も、施設生活者や職員の置かれている環境の改善を急ぎたいとの意向を示したが、圧倒的マイノリティとして社会に出ていく施設生活者/経験者たちの生の声は、この社会の多くの人びとにはまだまだ届いていない。家族がさまざまな問題を抱える時代に、社会的養護や家族支援は必要性を増している。家族による子どもの養育を当然のものとし、施設で暮らす子どもたちの生活の場である施設と学校における十分なサポートを用意してこなかった「家族依存社会」は、すでに立ち行かなくなりつつあると著者たちはいう。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 1月末に校正のおてつだい。

    それから半年寝かせて、再(?)読

  • 経済的・社会的な不利だけでなくて、職業ロールモデルの得られなさや、当事者のアイデンティティの問題まで、インタビューデータから丁寧に分析してあって、読みごたえがあった。福祉職を目指す人が多いことが悪いこととは決して思わないが、もっと多くの選択肢が用意された環境をつくりたいと思う。もっともそれは施設経験者の子どもに限らないけれど。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

西田芳正(にしだ よしまさ) [序章・第3章・終章担当] 大阪府立大学人間社会学部准教授
 〈主な業績〉
「貧困・生活不安定層における子どもから大人への移行過程とその変容」『犯罪社会学研究』(日本犯罪社会学会)第35号 38-53頁(2010)ほか

「2011年 『児童養護施設と社会的排除』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西田芳正の作品

ツイートする