告白 多重人格―わかって下さい。私たちのことを

著者 : 町沢静夫
  • 海竜社 (2003年1月発売)
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  • 本棚登録 :27
  • レビュー :4
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759307528

告白 多重人格―わかって下さい。私たちのことをの感想・レビュー・書評

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  • 多重人格という言葉は知っていても、その実態を知るひとはほとんどいないだろう。
    ドラマや小説、映画などの中で描かれているキャラクター設定としての多重人格。
    その描写が正しいものかどうなのか、それすらもわからないまま「多重人格」のイメージが刷り込まれていく。
    この本は、精神科医として数多くの多重人格患者と向き合い、その治療にあたってきた町沢医師によるノンフィクションである。
    多重人格を発祥する事例。そのメカニズム。
    精神的に耐えられない状況に追い込まれたとき、生きていくために、心の逃げ道として他の人格が生まれるらしい。
    したがって、新たな人格はその状況に見合った特性を持っている。
    虐待で殴られ蹴られることに耐えられなくなった子どもは、痛みを感じない人格を生み出す。
    ドラマなどでは複数の人格を統合することが治療の最終地点だと描かれていることが多い。
    けれど町沢さんは「人格統合するだけがすべてではない」という。
    安定した生活を送れることがまず最優先事項だという。
    たとえ複数の人格を持ったままでも、互いがバランスを取り合い、協調しあって生きていけるのならば。
    最悪の状態よりは良いという。
    統合された人格は消えてしまうのではない。
    主人格に加わり、溶け合い、その中に混じって生きていくのだと。
    主人格以外の人格の中でも、リーダー格の人格は比較的しっかりとしているし知的能力的にも高い。
    逆に主人格は耐えられない状況を他に変わってもらう、あらたな人格を生み出すことでようやく生きてこられたほど、弱いことが多い。
    自分の考えをしっかりと持ち、冷静に自分たちの置かれている状況を分析できるリーダー格にとって、「統合」という形は複雑な思いもあるだろう。
    多重人格と言われる人たち。
    彼らの苦しみはきっと私には理解できない。
    犯罪絡みで多重人格を装う人間もいるだろう。
    本当に多重人格である人間などほとんどいないという世間の思いもある。
    だからせめて、彼らに付けられた「多重人格」という状況を少しでも理解できればと思った。
    知らないということは、そのまま差別や偏見につながるような気がするからだ。
    まず知ること。
    そのことが何より大切なことなのだろう。

  • ドクターと患者の対話形式で進む。各人格が描いた頭の中の図は大変興味深い。

  • 「わかって下さい。わたしたちのことを」

    多重人格者達の言葉だ。
    人の心のあり方を少しでもわかりたい、知りたいという、
    その思いで読んでみた。

    人はそれぞれに、それぞれの「宇宙」を持ちながら生きている、
    というのが読後感で、「分かって下さい」との言葉には、
    より謙虚に学んでいきます、としか応えようがない・・。

  • 2012年5月22日

    ブックデザイン/宮坂佳枝
    カバーイラスト/井筒啓之

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