百歳からあなたへ

著者 : 松原泰道
  • 海竜社 (2007年11月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759309966

百歳からあなたへの感想・レビュー・書評

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  • 著者の温かく優しいお人柄が文章から伝わります。
    たくさんの素晴らしいメッセージが、分かりやすい言葉で綴られています。
    親子の絆のことなど 心に沁みて涙がとまりませんでした。

  •  松原泰道さんは今年の11月23日に満百歳を迎えられた臨済宗の
     お坊様。たまたま図書館の新刊コーナーに並んでいた本だったが、
     読めて良かったなあと思える本だった。
     この本を読む前に、京セラ会長の稲盛和夫さんの新刊を読みはじめた
     のだが、あまりに「正しすぎて」「強すぎて」今の私の精神状態では、
     読み続けることができなかった。そういうときに出会ったこの本は、
     さすがに百歳の方が説かれることなので、肩の力を抜いてす~っと読む
     ことが出来た。道具でも百年たつと「つくもがみ」になるという・・。
     人間も百年たつともう神の領域かもしれないなあ・・。

     たくさんのお話が書いてあるのだが、その中でとても心の残ったのは、
     殺人事件に巻き込まれて両腕を無くされた女性が、飼っていたカナリヤ
     を見て筆を口にくわえて字を書こうと努力されたと言う話。
     天台宗の大石順教尼という実在された方の話で、その方が作られた
     短歌がすばらしかった。
      「くちに筆とりて書けよと教えたる鳥こそわれの師にてありけれ」

     そのほかにもいろんな方のお話とともに短歌、俳句が紹介されていた。

    「よく見ればなずな花さく垣根かな」芭蕉
     だれも見てなくても咲くべきときに咲いている。誰を喜ばすことが
     できなくても、それを悲しいとも思わずに、自分のすべきことをしている。
     同じような趣旨の話で、著者が学生時代に箱根の関所跡で満開の
     桜を見たときに見つけた石碑に書かれていた短歌。
     「あれを見よ深山の桜咲きにけりまごころつくせ人知らずとも」

     親へ思いを歌った短歌。
     「十億の人に十億の母あれどわが母にまさる母ありなんや」暁烏敏師
     「父母の御霊は我に生きをりと身をもて信じつゆ疑わず」窪田空穂

  • 重みのある言葉と内容が、ずっしり響いて、とてもよかった。

  • 昨年、101歳でご逝去された臨済宗の高僧、松原泰道師が、
    人生を価値あるものとするために、どういう生き方を選ぶべきかを語っています。
    人生の師として、言葉の一つ一つに含蓄があり、こころ洗われます。
    たとえば、こんな言葉。

     「はい」は、人に対する返事ではなく、自分に対する返事です。
     自分が、もうひとりの自分を呼び起こす声です。
     ですから、「はい!」と返事をすると、よそへ行っていた自分が戻ってくるのです。
     体はここにあるけれど、心は必ずここにあるとは決まっていません。
     そんなときに、「はい!」と大きな声で返事をすると、初めて心と体が一体に
    となります。
     ですから、「はい」は自分と自分とのめぐりあい、「もうひとりの自分との邂逅」です。

    ともすれば、心と身体がつながっていない状態でも、人間は生きていくことができます。
    自覚のないまま、動き、話し、人に対することは、人間の生き方として、誠実ではない。
    「はい!」は、心と身体をつなぐためのスイッチ。
    スイッチがつながることで、心と身体は一体となり、そこから、意識的に生きていくことができるようになるのでしょう。

    「一期一会」についても、紙幅を費やしています。

     「きょう」という日は、二度とない日です。
     「きょうの出会い」も二度とない出会いです。

    「一期一会」は茶事からできた言葉ですが、松原師は「いま」を大切に、と語ります。

     会ったときが別れのとき。そう受け止めて、きょうの出会いから、お互いに出会いの大切さを学んでまいりましょう。

     人との出会いだけではなく、自分自身との出会いも、また、「一期一会」です。

    翌日、会うことになっていた和尚さまの訃報が新聞に載っていたのを見て、悄然とお寺に伺うと、
    和尚さまが、心臓発作の苦しみの中で記された辞世の書を渡されたそうです。

     「人間は一会一期(一期一会の間違い)、なにごとも丁重にしておかねばならぬ。
     死ぬるかもしれぬがもう遅い。任運自在」
    (最後の任運自在は、なにごとも大いなるものにお任せするという意味だそうです)
     ふだんから、なにごとも丁重にしておかないと、突然訪れる最期に間に合いません。

    和尚さまが残してくれた遺言だと、松原師はとらえました。
    百歳の知恵は圧倒的。
    森羅万象、日々の出来事、人とのふれあい。
    すべてのことから、学び続けて、すべてを自分の知恵にしてしまいます。
    まるで、松原師の講話を直に聞いているように、気持ちが満たされていく本でした。

  • 仏教の教えを基本として、誠実に生きることを説く

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