無功徳

著者 :
  • 海竜社
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本棚登録 : 30
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759310399

感想・レビュー・書評

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  • 読んでみると、なぜだかわからないけど肩の力が抜けた。
    ときには読み返してみたい本。

    ・無功徳…功徳を求める時点で心が汚れている
    ・功徳がなくてもやること。
    ・案ずるより産むがやすし。
    ・人とはあやふやな存在。確固とした人などおらず、その場その時の関係(縁起)
    ・固執せず、時々に応じた自分をたちあげる
    ・大目に見る…視るではなく、観る。
    ・心の安定こそが大切。ラオスでの仏教徒が心の安寧を第一において修行しているのには考えさせられるものがある。
    ・日々是好日…過去も未来もない。自分を忘れるような今を過ごすこと。

  • 「無功徳」っていいよね
    見返りを期待しない行為。
    代償を求めるなら、しない方がいい
    くらいのもの。
    そんくらい割り切って生きていきたいものだ。

    P33
    全ての感情も記憶も一旦「無」にリセットし、
    今は今でまた「無」から全てを立ち上げるというのが
    禅だと云っても過言ではない

    この著者の他の本も読んでみようか

    P136の「お金は概念の最たるもの」の『概念』という
    発想は新鮮な気付きでした。
    莫妄想の「妄想」は「概念」のこと。
    「勝ち負け」や「善悪」、「美しい」も概念。

    概念の織りなす世界を禅では「妄想」と呼ぶ。
    そこから引き返せ、というのが禅の基本的な主張なのです

    ひとつ霧が晴れた気がする。

    P136
    現代は「お金」や「勝ち負け」など、
    概念ばかりが闊歩する時代。
    その発想は、確実に人間という
    自然の土台を腐らせている。
    お金を行動の根拠にした生き方を、
    そろそろ考え直すときが来ている。
    お金はなくとも、学歴もなくとも、
    人の「いのち」は営々と営まれつづける。
    人間という自然は無償の贈与をし合うだけで
    充分以上であり、
    「いのち」はそれでこそ喜びを感じるのである。

  • 固くなってしまった心と身体をじんわりほぐすように、
    それぞれの章をかみしめながら読んだ。

    心にずっしり響いた文章がたくさんあった。

  • 功徳、というのは仏教の用語でよい果報を得られるような善行のことを指す。本書では、その善行の報いが自分に戻ってくることを功徳、としているようだ。
    タイトルの無功徳とは、禅語で「功徳なし」という意味で、かつて仏法の興隆発展に尽力したことを言い募った中国の皇帝に対して達磨大師が言い放った言葉である。ようは、どれだけ善行を積もうとも、それを自ら言い出すようでは功徳はない、ということらしい。

    本書は住職であり小説家でもある著者のエッセイ集だが、内容は説法のようなもの。
    社会に出てしばらく経ち、説諭を受ける機会のない自分には、感ずるところもあればあまりの正論ぶりに反発するところもあった。
    仏教に則った説話とは成り立つ位置が正反対だけど、どこかビジネスの啓蒙本にも似ている。

  • ハウツー本を読むと効率的に無駄なく生きることをよしとされるが、この本を読んでいるとそんなに急いでどこへいくのかと思わせられる。知らぬ間に余裕を失っている自分に気づく。

    たとえば平穏な人生はむしろおもしろみがない。歯が痛いというような小さなことでも状況が揺らぐことが風流なのだそうだ。想定外の出来事に出合った時、必死に対応し思っても見なかった自分に出会うこと。困難を楽しむとまでは言わないまでも、乗り越えるパワーをもらったような気がした。

    漱石の参禅にふれた箇所あり。
    読みやすい。
    ☆は4以上  

  • 読書中

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著者プロフィール

1956年、福島県生まれ。慶應義塾大学中国文学科卒。さまざまな経験と職歴を経たあとに、27歳で天龍寺専門道場に入門。2001年、『中陰の花』で芥川賞を受賞。07年、柳澤桂子氏との往復書簡『般若心経 いのちの対話』で文藝春秋読者賞を受賞。小説のほか、仏教や禅にまつわるエッセイや対談本も多い。08年より月福聚寺第35世住職。

「2016年 『息の発見』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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