間違いだらけのエコカー選び

著者 :
  • 海竜社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759311037

感想・レビュー・書評

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  • 著者は、矢張り、あの不細工なエコカーの氾濫に対して苛立っていた。年に5000キロも乗らないのにエコも糞もない。徳大寺氏にあるのは、車を巡る文化に内包された華奢風流を守り通そうとする精神の貴族主義である。でも、前半に対し後半の個々の車の評価は甘すぎる気がする。マツダのスカイアクティヴの技術をきちんと褒めたのはさすが。

  • 私は今までに読んだことは無いのですが、「間違いだらけの車評論」で有名な徳大寺氏が、国内外のメーカのエコカーについて評論を書いています。エコカーという切り口で、100台以上のエコカーについて一同に解説もされています。

    彼の解説で日本には「軽自動車枠」という外国メーカにとっては参入しにくい障壁があることがわかりました。また、今までの私の理解では、エコ技術=ハイブリッド車というイメージでしたが、実際には他にも色々技術があることを、この本で紹介されていて参考になりました。

    以下は気になったポイントです。

    ・現状のハイブリッド技術は、従来型のガソリンエンジン車の効率の悪い領域(アイドリング時、低速走行、全開加速時)を、カバーしているに過ぎない(p20)

    ・ヨーロッパのように車の平均速度が高く、アイドリングの時間が相対的に短い地域においては、巡航速度燃費に優れたディーゼルのメリットが大きい(p24)

    ・バッテリーモジュールについては、実用化する前に、すべての電気自動車に共通の規格が必要(p32)

    ・10・15モードの大罪は、1)実際とかけ離れた車の燃費情報を供給してきた、2)燃費測定ではなく、排ガスチェックのために導入されたもので、燃費は副産物データ、3)海外メーカにとっての参入障壁(p48)

    ・燃料代以外の税金や通行料が高く、平均走行距離が短い日本では、燃費の良さは、ユーザーに買い替えを促進させるインセンティブにならない(p61)

    ・車検制度の基本になっている道路運送車両法が制定されたのは1951年で、トラックやタクシー等の営業用に導入された(p64)

    ・1950年代半ばまでは、路上を走る殆どは外国車で、戦前は、横浜に工場を持っていたフォードと、大阪に持っていたGMが二大メーカであった(p67)

    ・外国メーカへの参入障壁は、排ガス基準やモード燃費、車検制度に加えて、日本独自の「軽自動車枠」である(p70)

    ・ヨーロッパで2014年から導入されるユーロ6規制は、基準値そのものが日本のポスト新長期規制と近い(走行モードは異なる)ものになっている(p106)

    ・現在のハイブリッドカーに共通しているのは、アイドルストップと、回生ブレーキの採用(p110)

    ・マツダは、ガソリンエンジンで現在のディーゼル並の、ディーゼルエンジンでライバルのハイブリッドカーに対向する燃費実現を目指している(p126)

    ・日本特有の軽自動車枠は、エレクトリックカーの販売が始まるまでには、撤廃しておくべき(p170)

  • にわかエコ。エコロジーかエコノミーなのか。車はエコになってもその電力を発電するのに…。原子力ですか。

  • 内容紹介
    ついに復活した徳大寺有恒の「間違いだらけ」クルマ評論。新たなビッグテーマはエコロジー!

    騙されるな!
    徳大寺有恒がいま暴くニッポンの「自動車」と「環境」の大いなる欺瞞。
    そしてユーザー、社会にとって
    真にエコなクルマとは?



    本書の内容
    ■ハイブリッドは地球を救わない■真のエコカーの普及を阻む「日本の壁」■ハイブリッド以外のエコ技術にも目を向けるべきだ■どこまで進む、日本のクルマの白モノ家電化■徳大寺有恒の「日本クルマ列島改造論」■エコカー30台徹底評論:トヨタ・プリウス/SAI/iQ/レクサスRX450h、ホンダ・インサイト/フィット/ステップワゴン、日産キューブ/エクストレイル・20GTクリーンディーゼル/リーフ、三菱i-MiEV、マツダ・デミオ/アクセラ/プレマシーREハイドロジェン・ハイブリッド、スズキ・スイフトスポーツ、VWゴルフ/ポロ、メルセデス・ベンツSクラス・ハイブリッド、スマート・フォーツー、BMW7シリーズ、MINI、アウディA3スポーツバック、ポルシェ911、ルノー・カングー、フィアット500、アルファロメオ・ミト、ランドローバー・ディスカバリー、ベントレー・スーパースポーツ、シボレー・ボルト、テスラ・モデルS
    +現役車100台通信通信簿




    あたりまえなんでしょうけれど、いいところ、悪いところは必ずありますよね。
    いろんな情報だけは蔓延する中、自分がどのような情報をどのように生かすのか?
    という判断力というものを問われるような時代になってきているのかもしれませんね。
    少なくともエコというものに関してはこれから、人類にとっての大きな課題であるのは間違いないと思いますしね♪

  • 前段の総論では、モリタク的「あーあ、言っちゃった」なことが多く面白いが、後半の車種別評論になると「よく頑張っている」的になっているのが謎。何を買ったって最低ラインはクリアしてるよということなのかもしれないんだけど、そこまで踏み込んだ発言もないので、前半と後半は別の本として読むことにした。雑誌の仕事で書いたやつとか使ってるのかな?

  • 直接編集に携わった関係者から、著作ができあがるまで、また発売されてからの裏話をいろいろ伺いました。とてもおもしろかったです。久しぶりの徳大寺さんの著作、楽しみたいと思います。

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著者プロフィール

徳大寺 有恒(とくだいじ・ありつね)
1939年、東京生まれ。2014年没。成城大学経済学部卒。レーシングドライバーを経て自動車評論家に。1976年刊行のベストセラー『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)は日本のクルマ社会に一大衝撃を巻き起こした。以降、社会的、文明論的な側面からクルマをとらえたクルマ批評は、数多くの読者を獲得した。著書に『徳大寺有恒のクルマ運転術・アップデート版』『ぼくの日本自動車史』『ダンディー・トーク』(いずれも草思社)、『俺と疾れ‼』(激動の20世紀編/変革の21世紀編、いずれも講談社)、『自動車を変えた言葉』(河出書房新社)、『駆け抜けてきた』(東京書籍)など多数。

「2018年 『文庫 徳大寺有恒ベストエッセイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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