猛毒国家に囲まれた日本 ロシア・中国・北朝鮮

  • 海竜社 (2010年3月1日発売)
3.47
  • (4)
  • (3)
  • (8)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 54
感想 : 5
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (244ページ) / ISBN・EAN: 9784759311228

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ロシア・中国・北朝鮮…。「猛毒国家」に囲まれた日本がそれらの実情を見抜き生き残るためにはどうあるべきか。露と中。両方のエキスパート二人が織り成すスリリングな対談です。これらの国の今後の情勢に注目です。

    この本は2010年に出版され、現在では少し事情が違っていますが、大本のところは『え、この時期にここまで予測していたのか!?』と何度もうなってしまうほどのものでした。ロシア分析の専門家である佐藤優氏と中国問題の第一人者である宮崎正弘氏との対談は非常にビビッドで、扱われているテーマもロシア、中国、北朝鮮とどれもこれもが『一筋縄ではいかない』国家と隣同士になっている日本が彼らのことをどのように理解して今度、どのように立ち振る舞っていけばよいのか、ということで非常に内容は示唆に富んでいるものです。

    佐藤・宮崎両氏ともに、ロシア、中国と国は違えど彼らのような人間や国家とがっぷり四つになって取っ組み合いを続けてきた彼らだからこそ見えるもの、それが面白かったです。

    たとえば、ロシアではどんなにエリートでも週末は必ず土いじりをすることが精神的な安らぎを得る手段であったり、中国では利害が一致するがきりは結束する。などといったお話が僕の中では印象に残っております。

    今後、彼らとどう付き合っていくのか?その問題を考える上で抑えておきたい文献のひとつであると思います。

  • 目次
    プロローグ 国を憂うということ―国家の根幹を成すのは「愛国」か「憂国」か
    1章 虚構の大国、ロシア―国家にも貨幣にも頼れないときに頼るもの
    2章 日本人とは何であるか―国を守るために必要なこと
    3章 猛毒国家に囲まれた日本―北朝鮮、ロシア、中国の行く先
    4章 猛毒国家とどう向き合うか―戦略的「虚言」と「虚構」の見抜き方
    5章 世界を見抜く力、国を動かす力―「教養」「情念」「見えないものへの感覚」が真の力に

     刺激的なタイトルだが、ロシア人と中国人の文化歴史比較が論点のひとつとなっている。
     基本、農耕民族的でお金は忌むべきものとし、友達とあの世を信じているロシア人。狩猟民族的で拝金主義、現世快楽を求めあの世も友達も信じない中国人。
     「厄介な隣人」として我が国では一緒くたに扱われがちな両国の人間だが、かような差がある。
     で、「こんだけ違うと両国(ロシアと中国)の友好なんて永遠に無理じゃないか」というのが宮崎氏の発言。
     ちなみに、ロシアではずるい人間を軽蔑して「中国人100人分ずるい」というらしい。

    <感想>
     私自身は佐藤氏をはじめとして、ロシアの本はそれなりに読んでいるが、中国は手薄。
     なので、宮崎氏の指摘が興味深かった。
     曰く、中国は「ネーションステイト(国民国家)」を確立しようと四苦八苦しているがうまくいかない。
     まずは「共産主義」、次に「拝金主義」、そして「狂信的中華主義」を利用しているが、チベットやウイグルを始め、爆弾はいくつもある。
     あとは佐藤氏の国家間の分析の基礎には、常に「宗教」と「言語」がある。両者が同一だと同化しやすい。どちらかが違っているor似ているケドちょっと違うくらいだとと紛争のタネ。全く違うとケンカになりにくい。
     この論法でいくと、ウクライナとチェチェンがロシアの火薬庫だが、そのとおりである。
     それからあの広大なロシア領土をおさめるには「権力の密度」にバラつきがある。
     シベリアなんかはボソボソ。だが、ウクライナやチェチェンなんかはそういう意味では権力が密に集まる場所であり、そこで揉め事を起こすとロシアが真剣に鎮圧にかかってくる等が面白い視点だった。

  • “2010/8/3:
    だからどうせ​いっちゅう話は?”

  •  日本が置かれた現状についてロシアの視点から語る佐藤優氏と、中国の視点から語る宮崎正弘氏の対談本。

     中国はまだ感覚的に分かる部分もあるのですが、私たちにとってロシア(旧ソ連)は、どんな国なのかイメージが付きにくく、またヨーロッパなのかアジアなのか分からない部分もあったんですが、この対談を通して、ロシアはどちらでもないユーラシアというまた別の存在であることの確認が取れた気がしました。

     タイトルにある通り、ロシア、中国、北朝鮮、そしてアメリカとどう付き合っていくのかを考えさせられる1冊です。
     
     ロシアと中国の宗教観、国家観、人間関係の在り方の比較を通して、我が国のことについて考え直してみるという作業ができます。最後は、佐藤優氏が以前から指摘している新自由主義の問題についての対談で、改めて小泉政権下で一気に広まった新自由主義について、佐藤優氏のロシアの視点、神学の視点から考えてみるのも刺激的だと思います。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤優の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×