日本人がだまされ続けている税金のカラクリ

著者 :
  • 海竜社
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本棚登録 : 72
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759312348

作品紹介・あらすじ

「消費税」や「所得税」は、どんなカラクリで誕生するのか?「扶養控除」や「配偶者控除」には、どんな役割があるのか?いまの消費税引き上げは、正しい政策といえるのか?国民経済の正しい知識をわかりやすく解説。

感想・レビュー・書評

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  • 毎月ほぼ一冊の本を出して日本経済やマスコミについて解説をしてくれている三橋氏ですが、今回のテーマは「税金」です。

    昔誰かの本で、税金をどのように国民から徴収するかで、国の骨格を決定づける大切なものだと読んだことがありますが、私は「税金」とは何なのかが残念ながら把握できていません。

    私が得たこの本からのポイントは、1)消費税を増税しても経済が委縮して他の税収入が減るのでトータルではマイナスになる、2)税金もGDPの一部、税収入を増やすにはGDPを増やす工夫がいる、3)法人税等の減税よりも投資減税、でした。

    彼は「子ども手当」を評価していませんが、子供が二人いる我が家では、子ども手当は彼が心配しているような「貯蓄」に回ることなく、完全に消費に向かっています。子ども手当が余分に感じられて貯蓄に回ってしまうのは、ほんの一部の人だけではないでしょうか、と思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・日本政府は強権を以って徴税や通貨発行ができる存在であり、家計や企業がすることはできない、なので税金を企業の売上や家計の給与所得と同じ土俵で語ってはいけない(p6)

    ・橋本政権が97年に増税、公共投資削減を行った結果、98年の税収がマイナス10.8%になった、それ以来、日本の租税収入は1997年を上回ったことがなく、2010年はバブル初期である1985年と同水準(p19)

    ・税金の源泉は名目GDPである、名目GDPは「日本国民全員の所得合計」を意味しているから、家計・企業・政府の所得を合計したもの(p23)

    ・家計:家計の可処分所得(手取り)、企業:純利益、政府:税収および国民が支払った社会保険費用である(p29)

    ・消費や投資に回らなかった残りは貯蓄に回る、これが国民経済には厄介、貯蓄はGDPから切り離されたもので、貯蓄をいくら増やしてもGDPは1円も増えなくなり、国民経済は成長しにくくなる(p35)

    ・2009年度は赤字法人が72.8%あり所得税を殆ど払わないので、法人税を下げてもその恩恵を受けるのは3割に満たない(p40)

    ・現在の日本に必要なのは法人税引き下げでなく「投資減税」企業が投資として使ったお金は名目GDPの成長に貢献する(p42)

    ・公共事業の乗数効果は、失業手当(単なる所得移転)よりも確実に大きくなる、最終的にはインフラという固定資産が残る(46)

    ・国民経済の基本は、「お金が、誰かが付加価値として生み出した財やサービスと交換されること」であり、お金を貯めることではない(p35)

    ・日本の公務員数は対労働人口で5%程度であるのに対して、スウェーデンでは6倍の30%を超える、ギリシアの15%を超える(p91)

    ・マスコミが豪語するほど日本は「大きな政府」ではない、社会保障支出の対GDP比は、20.5%でありOECD諸国で下から11番目(p103)

    ・橋本政権の消費税アップにより、消費税は0.84兆円アップしたが、法人税が1.5兆円マイナス、所得税が3.3兆円マイナスの合計4兆円も租税税収が減った(p123)

    ・エコカー減税は政府が家計に所得を移転するとき、必ず「自動車の購入」という消費が発生するので、GDPが増えることになる、国民から徴収した税金がエコカー減税として「自動車を購入した世帯」へ所得移転される(p135)

    ・アメリカやイギリスの新自由主義国で一時期はやった「トリクルダウン理論」は仮説に過ぎないことが明らかになった、社会保障支出削減で財源を確保して富裕層と大企業を優遇しても、トリクルダウン(富める者が富めば、貧しいものにも自然に富が浸透する)は起きなかった、逆にトリクルアップ(貧しい者から吸い上げる)になった(p157)

    2012年3月18日作成

  • 税金について、違和感がありながらも正しい知識がなかったことを実感。すぐに読める平易な内容ながら、勉強になり、新聞も今までとちょっと違うみかたができるようになった感じ。元々、知識が無さすぎた?!

  • デフレ下の増税はGDP縮小を招き結果的に税収減となる。投資減税で経済成長させるべし。

    なるほど、というか、当たり前って思うのに、現実はどうも違うようなのは何故?

  • 消費税増税が叫ばれてる中、税金について理解するのに役立った。

    デフレ下で増税する愚。

    税と名目GDPは切っても切れない関係なのに、この国の政策当局は名目GDPの重要性を無視しているという現実。

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著者プロフィール

経世論研究所・所長。1969年生まれ。東京都立大学(現・首都大学東京)経済学部卒業。外資系IT企業等数社に勤務した後、中小企業診断士として独立。大手インターネット掲示板での、韓国経済に対する詳細な分析が話題を呼び、2007年に『本当はヤバイ! 韓国経済』(彩図社)を出版、ベストセラーとなる。以後、立て続けに話題作を生み出し続けている。データに基づいた経済理論が高い評価を得ており、デフレ脱却のための公共投資推進、反増税、反TPPの理論的支柱として注目されている。著書に『超・技術革命で世界最強となる日本』『第4次産業革命』『今や世界5位 「移民受け入れ大国」日本の末路』(以上、徳間書店)、『財務省が日本を滅ぼす』(小学館)、『生産性向上だけを考えれば日本経済は大復活するシンギュラリティの時代へ』(彩図社)など多数。

「2017年 『2018年 戦争へ向かう世界 日本経済のラストチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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