真冬の向日葵 ―新米記者が見つめたメディアと人間の罪―

制作 : 鈴木康士 
  • 海竜社 (2012年9月11日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759312621

真冬の向日葵 ―新米記者が見つめたメディアと人間の罪―の感想・レビュー・書評

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  • 自民党政権から民主党への政権交代をベースにしたフィクション小説です。著者の一人である三橋氏による「報道メディアが事実を歪めて報道しているせいで、経済政策が間違った方向に向かっている」との主張をベースにしています。この本に書かれていることが事実かどうかは別にして、何が正しいかは自分で判断するリテラシーは持つべきでしょう。

  • 情報リテラシー、これが如何に重要か。
    題材として政治を扱っているが、内容が何であれ、メディアやその他すべての情報に接するときの心構えを我々に突きつけている。
    ポピュリズムの醸成は如何にして為されるか。
    最後のページに内容はフィクションであることを記してあるが、当時の記憶がまだ鮮明であるので、当時合点のいかなかったことが、然も有りなんと思わせる。
    情報過多の時代で生きるには、個々人がその真偽を吟味する能力を身に着けなければならない。
    その事一点のためにも、国民に対する教育の重要性をつくづくと感じさせた。
    評価星が一個足りないのは、マスコミのこの振る舞いの裏側が、少し単純化されすぎているように思えたので・・・

  • 安倍、麻生政権の功績については報じられる事が少なく、ネットとか本人らや自民党関係者の講演などで話を聴く度に、記憶にないな~妙な違和感をおぼえていたのですが、なるほどですね。。。

    『すべての報道は偏向している。マスコミが「国民の声」というとき、それは「マスコミの声」あるいは「マスコミの望み」なのだ』(本文より)

    読んでいて反省することしきり、同時にマスコミに対しふつふつと怒りがわいてきました。

    安倍政権から麻生内閣末期までの政治の流れを新人新聞記者の視点から綴る物語。
    ノンフィクションに近い、フィクション小説です。

    政治ものなんだけと、比較的軽いタッチで書かれているし、なによりまだ私達の記憶に新しい内容だから、すんなりと読めると思います。

    ここに書かれている事が全て正しいとも思わないが、少なくとも、中川正一先さんの名誉は回復されると思う。

    多くの人に読んでもらいたい本ですね~。
    そして各自が自身の頭で、報道のあり方、政治について考えてほしいですね。

  • 小説の形(本の最後にはフィクションですという断り書き有)を取っていますが、これは自民党が政権を失った2009年頃に、実際に起きた事実を基に書かれているものだと私は思います。当時まだテレビをよく見ていた私は、この時の報道を複雑な思いで見ていました。

    毎日のように麻生首相の揚げ足取りが報道されて、彼が進めようとしていた「景気対策」についての報道がなかったです。少なくとも私がそのような政策があったと知ったのは、総選挙の直前に、この本の著者の一人である三橋氏の本を読んでからです。また一般には「酩酊会見」しか印象に残らなかった中川財務大臣も、その日の午前中にはIMFに対して素晴らしい提案をしていることは伝えられずに、あの映像ばかりワイドショーのように流し続けていたのを覚えています。

    この本は、彼らがどのような人たちに貶められていったが、フィクションの形で書かれていて興味深く読ませてもらいました。

    以下は気になったポイントです。
    (これは私のメモです、本の中ではフィクションのため仮名が使われていますが、私は事実と思うものに変更しました)

    ・安倍政権が実現した、それまでタブー視されてきた政策として、4つの法律を成立した、1)教育基本法、2)防衛庁設置法等改正、3)日本国憲法の改正手続きに関する法律、4)教育改革関連三法成立を、2006.12.15-2007.6.27までに行った(p28)

    ・消えた年金(厳密には未統合記録)は5000万件に及び、社会保険庁は「年金の納付記録は本人が知っているはず」という裁定時主義をとっていたので、本人が問い合わせてきた時に調べて修正していた(p37)

    ・退院した阿倍総理は9月25日に記者会見を開き、麻生クーデター説は全面的に否定されたが、総裁選挙で麻生が福田に敗れて世界の歴史は変わった(p73)

    ・公職選挙法(138の3)では、予想する人気投票の経過または結果を公表してはならないと決められているが、実際には行われている(p79)

    ・資本主義とは、企業の借入と投資で成長するもの、使われたお金は消滅するのではなく、移動することで結果的にGDPが成長する、借金は悪と主張することは、資本主義と同時に経済成長を否定することを意味する(p94)

    ・ミクロ面における合理的な行為、企業の借金返済が、国民経済というマクロに集計されると、GDPの大縮小という非合理な結果を引き起こす、これば合成の誤謬である(p97)

    ・予算自体は衆議院決議後30日で成立しても、関連法案はそうはいかない、参議院側は関連法案を最大60日間審議しないという形で与党に妨害可能(p98)

    ・財務省は記者クラブ「財政研究会」を通じて、日本の新聞社を自由自在にコントロールしている、財務省の方針にそむく政権は全ての新聞から総攻撃を受ける(p125)

    ・CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は、売り手(AIGなどの保険会社)と買い手が、該当債権がデフォルトするか否かで賭けをしている状態、AIGはリーマンブラザーズの債権で投資銀行(ゴールドマンサックス)に販売していたが、9.15に賭けに負けた(p133)

    ・リーマンショックにより投資家は安全な投資先を求めて日本円を購入するので円高、日本株の価値が高まったので株式を売り出したので株価が下がったので、日本経済はリーマンショックの直接的影響を受けなかったが、実体経済ではダメージを受けた(p135)

    ・麻生は、マスコミが明確に反・麻生の報道姿勢を続けた状況において、議員票の57%、地方票の95%を獲得した(p138)

    ・麻生政権は、外貨準備を活用し、1000億ドルのIMFに対する融資枠を提供することを決定した、融資ではなく融資枠の提供であったが、これを正しく報道したマスコミはなかった(p183)

    ・マスコミの最大の武器とも言える「報道しない自由」を活用することで、政権に対する国民の信頼感を気繰り取っていくことができる(p205)

    ・マスコミ内の空気を作り出す者こそが、日本の第一の権力者と言える(p214)

    ・橋梁やトンネル、その他のインフラは一度建設すれば永遠に使えるというものではない、建設後50年程で寿命を迎えるのでメンテナンスの必要がある(p221)

    ・マスコミは総事業費58兆円の景気対策については報じようとせずに、わずか117億円の「国立メディア芸術総合センター」のみをクローズアップして激しく批判した(p222)

    2012年10月14日作成

  • 情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、分析する能力リテラシーを身に付けなければいけない。

  • 前の2人の共著「コレキヨの恋文」のスピン・オフ作品と言った感じだろうか。「コレキヨの恋文」は架空の時代を描いていたものであるが、本書は実際の出来事を基に描かれている。一応巻末には「本作品はフィクションです」と書かれているが、かなり関係者への取材や事実確認がなされているようだ。そのせいか「コレキヨの恋文」に比べ、内容は非常に重いものになっている。

     本書を読んでいて、マスコミの腐敗、誤った報道を認識する国民の愚かさ、財務省の権力の強大さを改めて実感させられた。そして、マスコミや財務省のイデオロギーと対立した中川昭一氏への財務省・マスコミの悪質な攻撃には怒りを感じずを得なかった。中川昭一氏への報道の中には捏造報道まであり、マスコミの腐敗はかなり深刻だ。

  • 涙なしでは読めなかった。

    何に対してかといえば無知だった自分にである。

    日本国民全てに読んでもらいたい。

  • 三橋さんの三部作の第二弾。あまりに現実に即しすぎており、多少どうかな?と思う。もう少しフィクションのおもしろさがあればいいのに。経済関連の解説は、そこそこおもしろいです。

  • 小説である意味がないかも。

    三橋貴明がメディアの偏向報道に対して疑問提起する内容で、それを小説仕立てにしてあります。

    文章も平易で読みやすいですが、最低限政治家の名前や出来事を知らないと誰のことを指しているのかわからないかも(この本を読んでる時点でそれはないか)

    ただ、三橋マニアは他の本やブログで知ってる内容だと思うし、小説にして躍動感が出たわけでも無いです。

    正直この本を読むより、三橋さんの他の著書を読んだほうが良いと思いますよ。

    三橋さんの本を読んだことがない人にはオススメです。


    しかし、中川さんの酩酊事件がうやむやになってしまう日本って恐ろしい。

  • マスメディアだけが、何を報道しても責任を取らないで済むっていうのは、不公平な気がしますね。あと、日本の新聞社で株式上場しているところが、一社もないっていうのは、知りませんでした。新聞やテレビのクロスオーナシップって何とかならないのかな。など、いろいろ勉強になる一冊でした。

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