人生に役立つ都々逸読本――七・七・七・五の法則

著者 :
  • 海竜社
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本棚登録 : 52
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759314373

作品紹介・あらすじ

古典の名作から紫文師匠の新作まで、オツで洒脱な七・七・七・五の文化。

感想・レビュー・書評

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  • 語呂の良い言葉で構成される都々逸.若い世代には通じないものもある由.日本語の良さが現れているのは承知しているが、英語ではどうなるのか気になったので、Deeplで試してみた.「惚れた数から 振られた数を 引けば女房が 残るだけ」は、If you subtract the number of rejections from the number of loves, you're left with the wives. 意味は通じるが面白味がない.多少なりとも日本語が分かる御仁に聞いてみよう.

  • 趣味で日々都々逸を詠んでいるので、たくさんのお手本や様々な視点からの作品はとても参考になります。

    挙げられているものの中には有名なものも多いですが、元が情歌であることもあるので、やはり惹かれるのは男女の情愛を取り上げたものが多いです。

    日常をやや斜に構えたり気の効いた言い回しで詠うのも良いですが、やはり「三千世界の~」の一節にインパクトや情の深さで敵うものはないと感じています。

    自身も生涯の内に代表作となるような一節を詠むのに日々精進です。

  • 都々逸、これ一発で読めた人はおそらく昭和生まれなのでは?と既知の情報で人の年齢を推測するのはよくないですね。汗



    前回の文末に書かせていただいたのですが、海外駐在をしており日本のテレビをほとんど見ない生活を過ごしてはいますが、たまに見るテレビでもこの「都々逸」が披露されることもその読み方さえも取り上げられている記憶はほとんどありません。



    っともったいぶっても仕方ないのですが、「どどいつ」と読みます。



    まあそのままといえばそのままなのですが、で「どどいつ」って何?となった方には是非この一冊を手に取っていただきたいと思います。



    もちろんそんなこと常識じゃないか、という方にもおすすめです。



    私もギリギリ昭和生まれではあったので書店で表紙を見た瞬間に「そこを今取り上げる本があるのか!!」と驚きと好奇心で少し立ち読みした後に面白い!!と購入したものです。



    この都々逸というのは7・7・7・5の26文字(音)で基本構成された歌のことです。



    日本語を母国語とする方であればたとえ都々逸を知らない方もこのリズムは心地よいと感じるでしょう。



    5・7・5(・7・7)とも似た構成にもなっているので短歌のリズムを想像するのもよいでしょう。



    本書によれば都々逸のルーツは江戸時代後期に都々逸坊扇歌という芸人さんが寄せで流行らせたとのことです。



    それが今でも残っているのですからやはりこのリズムというのは強烈に江戸時代以降の日本文化に組み込まれ繰り返し歌われてきたことで深く刻まれてきたのだという経緯を感じ取ることができますね。



    民謡も80%がこの26音で構成されているのだとか。。。



    日本人の何%が民謡を一曲以上暗記しているかという統計を取ったら著しく低い数値が出るのかと思いますが、それでも聞いた瞬間に手拍子を取れるような共通したリズム感は英語やアラビア語では感じられないものだなと感じます。





    と、延々と前書きしておいて後は本編を読んでね、というのもさすがに気が引けるのでいくつか気に入ったものをご紹介させていただきます。



    本章では名作編、色恋編、お酒編などテーマ別の章立てになっているので気分に合わせてどの章を読むか選ぶのもよいでしょう。



    ・惚れた数から 振られた数を 引けば女房が 残るだけ

    ・暑い暑いと 思っていても 三日もせぬうち あきが来る

    ・ガキの頃から イロハを習い ハの字を忘れて イロばかり

    ・愛だ恋だは よくわからぬが 逢いに来いなら よくわかる







    なんというか想像する江戸のべらんめえ調の人格に脳内再生させるとより情緒が出てくるような気もします。



    現代だったらちょっと眉をひそめられそうな直接的な表現(ここでは紹介しませんが苦笑)でさえも同音異義語(上のあきのような「秋」と「飽き」のような)をうまく使いこなして解釈の面白さを与えるあたりが洒落が効いていて(というかまぁそれが下らないものだと判断されて駄洒落となるわけですが)本書を読みながらクスッとしてしまう場面がたくさんありました。



    人生訓めいたものも紹介されていて思わず声にならない音が漏れるような作品もありました。



    クラシカルな短歌や俳句ももちろん読み手の想像力によってその歌の重みや深さが変わるものだとは思いますが、特に都々逸に関しては自分の生活に思い当たる節の有る無しや自身の人生観と照らし合わせながら楽しめる要素がふんだんに散りばめてあり、同じ人でも読む時期・読む時の気分でも味わいが変わってくるものだと思います。



    だらだらと都々逸って面白いんだよ、ということを書いてきましたが、気になった方はぜひこちらの一冊を入門として手に取ってみてはいかがでしょう?

  • ひょっとしたら以前に読んだかも知れない。
    サブタイトル通り、人生に役立つ都々逸がふんだんに紹介されている。
    ぬるい酒でもお前の手から 注いで貰えば熱くなる

  • 民謡の80%以上が7・7・7・5の26音。実はこれが日本の唄の基本なのです。
    立てば芍薬、座れば牡丹、今じゃ寝たきり、ボケの花
    土佐の高知の播磨屋橋で、坊さん簪 買うをみた

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