本物のおとな論 人生を豊かにする作法

著者 :
  • 海竜社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759314809

感想・レビュー・書評

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  • かなり古い考え方の内容で、色々な意味で衝撃でした。中には納得できる話もありましたが、全体的に時代に合っていない気がしてしまいました。それは私が『大人』ではないからなのか、それともこの本が現在の価値観と合っていないのか。どちらなのかは判断のしようがありませんでした。あまりにも価値観が合わないので読むのに疲れていましたが、最後の章は面白かったです。

    専門知識を持った人間、所謂先生と呼ばれるような人たちはある意味馬鹿になってしまう、というもの。
    専門知識が自分を賢いと勘違いさせる。せまい分野に精通すると、天下を取ったように勘違いするかもしれないが、専門の外側のことはまるで分からない。それを分からずにどこでも偉そうな態度をしてしまい、馬鹿を露呈してしまう。らしいです。

    馬鹿という言葉があまりにも幼稚なので、好きではありませんが少し納得しました。

    どんな仕事でもある程度専門性が必要になると思います。その特定の専門分野に精通している人間が仕事の上ではすごい!となるわけですが、それがその人の賢さを表している訳ではない。しかし、今の社会では、知識がある=賢い・偉いとなっている側面がある。それが知識に執着する要因にもなるわけですが、知識ばかりを追い求めると、すごく狭い世界で生きてしまうことになるんだなと感じました。

  • さらっと読める本。90年以上世間を観察されてきた著者ならではの言葉が多い。大人の嘘。レトリック。自分も、バカ正直で幼稚だと思う点があるので、生活を重んじるべきという意見には納得。

  • こういう本が出るほど世の中に大人と呼べる人が少ない時代なのか。。日本語は曖昧な言い方をするけど、曖昧は平和なことばであって、洗練された言語は必然的に婉曲で多義的になる、っていうところがなるほどと思った。

  • 1.大人の生活
      自分のスタイルを持ちながら「私」を消すのがおとな。
    2.大人の会話
      考えながら落ち着いた声で、そしてアイマイな言葉を使うのがおとな。
    3.大人の作法
      敬語をたしなみ、ことばをつつむのがおとな。
    4.大人の育成
      団体生活、他人がおとなをつくる。
    5.大人の愛情
      正直ではなく白いウソをつくのがおとな。
    6.大人の苦労
      時のある顔、年相応の苦労、威張らず、腰の低いのがおとな。
    7.大人の知性
      広く世間を知り、真似ではなく自分の頭で考えるのがおとな。

    でも、すべて、常識論。70歳の私にとっては等身大。

    若い方には違和感があるのでは・・是非、感想を聞いてみたい気がするが、
    若い人に押し迫まらないのがおとな。

  • 戦前までに築き上げられてきた日本人の大人が自然と身に付けていたものを、戦後の教育によって、学校は生活を身に付ける場所ではなくなってしまい、子供のままの大人が増えてしまった。
    著者の考える大人になるためには何をやるべきかが書かれている。
    このような著者の考えをまとめた本も自分の価値観を振り返る機会になるので、良い機会を得られると思う。

  • 大声で叫ぶようにしてしゃべる人は、たいてい、よく考えていない。借りものの言葉をただまくしたてているだけ。偽りのセリフだから立て板に水のようにしゃべりまくることができる。他方、大平正芳首相は、たえず言葉に詰まり、アーとかウーとかを挟んでしゃべっていた。雄弁家からは馬鹿にされたりからかわれたりしていたが、「アー」とか「ウー」とかの合いの手を取ると、ほぼ完全、正確なセンテンスであったことが没後、判明している。言葉に自信を持てないから、間が持たないから、つい早口になる。大人は早口でしゃべらない。余計な声は出さず静かに笑っている。
    かつては若いうちに大人になることができたけれども、いまはそうはいかない。問題は中年になっても大人になれない人が少なくないこと。手遅れになる前に大人になるための努力をはじめなくてはならない。苦労による経験拡大の方途をさぐるのが知的人間の生き方。本書は、様々な視点から大人の在りかたを学ぶことができる。

著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『新版 読みの整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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