知って楽しい世界の憲法

  • 海竜社 (2021年5月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784759317343

作品紹介・あらすじ

 

感想・レビュー・書評

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  • 一般常識としてよい知識になった。

  • 〇世界の憲法を古今東西横断しながら、歴史や世界情勢、人権など、様々な視点で見ていく。
    〇憲法を改正している国が半数を超える。その国々や理由、改正方法を見るとなる程と思う。とはいえ、日本国憲法の改正を考えると躊躇してしまうのは、政治を信用していないからだろうなあ。国民の意見が反映される形でないと怖い。現状でも国民投票での改正だけど、投票率も考えると。。きっと国民皆が憲法全体を勉強せんとあかんやろうなあ。

    ★世界の国の数。
    ・外務省…196ヶ国
     「国家」とは、「共通の領土に住み、内部に最高の権威・権力が存し、外部に独立を主張することのできる組織化された人間集合体」
     国家三要素…領土・国民・統治権(主権)

     クック諸島・ニウエ
     ←外交はニュージーランドが責任を負い、各島民はニュージーランドの市民権を持つ。“独立国”とはまた違う体制ではないか。
     台湾
     ←中国とは体制を別にした“国”である。
     北朝鮮
     ←韓国とは体制を別にした“国”である。

     国の数は、クック諸島・ニウエを除外し、台湾・北朝鮮を加えた196カ国である。(2021年時点:著者の見解)

    世界の憲法を知る
     ・自国の憲法を広い視野から見直す。

    日本では、成文の法典になっている憲法を成文憲法、そうでない憲法を不文憲法と言い表している。
    しかし、いくつもの成文の法典から「憲法」を構成している国が見られる。
    成文憲法・不文憲法という言葉は不適切ではないか。
    成典化憲法・非成典化憲法と表すべきだ。

    ★非成典化憲法
    英国
     ・憲法的法律の集積が「憲法」を形成。
      『マグナ・カルタ(大憲章)』1215
      『権利請願』1625
      『王位継承法』2013
      『国会法』1911
      『人権法』1998 
      『憲法改革法』2005
      他、憲法的内容を持つ判例や憲法習慣も「憲法」を構成する。

    ニュージーランド
     ・世界で最初の女性選挙権
      『1986年憲法法』1986
      『マオリ語法』1987
      『1933年人権法』1933
    サンマリノ
     ・ローマ皇帝に迫害された石工がつくった国
      『国法』1600
      『サンマリノの市民の権利および法秩序の原則に関する宣言』1974

    バチカン
     ・13億人の心の支え、国籍保持者615人
      『バチカン市国基本法』2000
      『新教会法典』1983

    サウジアラビア
     ・イスラム発祥の地
      『統治の基本制度に関する勅令』1922
      『諮問評議会制度に関する勅令』1922
      『地方行政制度に関する勅令』1922
    イスラエル
     ・ユダヤ人の生誕の地
      『国会法』1958
      『エルサレム首都法』1980
      『人間の尊厳と自由に関する法』1992
      『政府法』2001
      『ユダヤ人国民国会法』2018

    リビア
     ・成典化憲法は未制定

    ★世界で最古の憲法
     ・近代的、立憲的意味の憲法
      「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、憲法を持つとはいえない」

    米国憲法
     ・大いなる妥協
      『独立宣言』1776
      →社会契約説、自然権思想、国民主権、抵抗権理論
      『米国合衆国憲法』1788
      憲法の父:ジェームズ・マディソン
      3つの妥協
       1中央政府の妥協
       2人口の多い邦と少ない邦との関係の処理
       3北部と南部の諸邦の権限
       
      奴隷制度廃止と人種差別問題

    ポーランド憲法
     ・国家消滅を経験
      『ポーランド憲法』1791
      希望の象徴、世界で二番目の憲法、君主制国家ではじめての国民主権、権力分立制度
      14ヶ月間の寿命

    フランス憲法
     ・革命の成果
      フランスの人権宣言1789(1791憲法の前文)
      →人権保障には武力が必要であることを明記
      →世界中に影響を与えた
      1791年憲法
       絶対君主制の明確な否定
       国民主権のもとにおける制限君主制
       能動市民(選挙権)と受動市民
       社会権の制定、征服戦争の放棄
       「自由に生きるか、さもなくば死か」
       11ヶ月間の寿命
      1958年憲法
       15番目の憲法

    ★もっとも新しい独立国の憲法は?
    南スーダン
     ・貧困の根絶やインフラの整備も規定
      『南スーダン共和国暫定憲法』2011
       ’13年’15年’18年に改正
       →人権条項、国家の基本目標と根本方針、政治目標、経済的目標
       →大統領の大きな権限

    コソボ
     ・国際社会の支援により成立、セルビアとの確執。アルバニア系住民。
      『コソボの地位解決のための包括案』2007
       →国民の意見を取り入れ、77箇条の修正
       →国際合意の包括案(上記)に依拠して憲法が成立。
       →平和愛好国家
       →約100カ国の独立承認。今後、増やして行くことが課題

    ★ヨーロッパの2つのミレニアム憲法
    スイス憲法
     ・永世中立国として信頼を築く
      1848年に成立。
      1874年国民投票を経て新しい憲法が制定。
      1999年までの125年間効力を持つ。
      →140回の改正
      
      2000年に全面改正の新憲法。
      →国家目的と社会目標の設定、個人の責任と自覚、人権条項の拡大と深化、軍備保持の明確化、国民投票制度。
      →世界ではじめてのクローン禁止規定
      →国民皆兵制と永世中立
       …良心的兵役拒否者には代替役務(福祉活動・環境保護・農業への従事・研究プロジェクトへの参加・海外での開発支援など多岐に渡る。兵役の1.5倍。どちらにも従事しない場合は年間収入の3%を納入)
       …民間防衛の規定
      →国民発案による国民投票の制度

    フィンランド
     ・国民の幸福度・三年連続世界一
      『政体法』1918
      『内閣責任法』1922
      『弾劾高等裁判所法』1922
      『国会法』1928
       …四つの基本法が憲法を構成
       …大幅な憲法改正案2000年に施行
       …社会正義の促進と国際平和協力への参加
       …子どもと女性への配慮

    ★日本国憲法
     ・世界で14番目の憲法
      ←新憲法の“新”は「大日本国憲法」に対してのもの。
      世界で唯一の平和憲法…ではない。
      ←世界には平和条項を導入している多くの憲法がある。※8割以上
       世界が平和条項を模索している。
      ←“征服戦争”の放棄が平和条項の始まり。

    最近の憲法動向
     ・1990以降、104ヶ国で新憲法が制定された。
      …世界の国の半数以上。

     環境の権利・義務・保護
     プライバシーの権利…みずからの権利をコントロールする権利
     知る権利…国民が公機関の得ている情報にアクセスし、または情報を、取得する権利
     家族の保護…家族は社会の自然かつ基礎的な単位であって、社会および国の保護を受ける。

     国民投票…直接民主制
     憲法裁判所
     政党
     国家緊急事態対処条項

    ★君主制国家
     ・宮澤俊義教授(1899~1976)の定義では日本は共和制国家
     ・著者の定義では、
      1・独立機関である(1人で国家機関を担い、内閣のような合議体ではない)
      2・世襲制であること
      3・国の象徴たる役割を有すること
      …この三つの要素を満たせば君主制国家
      …この基準で世界には43ヶ国の君主制国家がある。※象徴の君主が多い。
      …象徴であるが、日本は君主制国家である。

     君主制の変容
      …絶対君主から立憲君主、そして議会制君主へ
     主権が君主にある国
     …トンガ、モナコ
     主権が君主と国民の双方にある国
     …リヒテンシュタイン
     国民主権を明記している国
     …ヨーロッパ諸国:ベルギー、スペイン
     …アジア諸国:カンボジア、ブータン、タイ、日本
     …中東諸国:ヨルダン、カタール、クウェート、バーレーン
      →憲法では国民主権をうたっているが、実際は国王が政治の中心にいる。
     …アフリカ:モロッコ
      →民主的な憲法への脱皮をはかっている途中。
     国民主権を明記していない君主国
     …ヨーロッパ:ノルウェー、デンマーク、オランダ
     …アジア諸国:ブルネイ、マレーシア
     …中東諸国:アラブ首長国連邦、サウジアラビア
     …アフリカ諸国:レソト、エスワティニ
     …英連邦王国
     
     天皇“象徴”の意義
     …英国の『英国憲法論』に依拠する
      国王が不偏不党であること、その神秘性に英国民統合の象徴性を見いだす。尊厳性と共に、立憲君主にもとづく国王の大きな特色と考える。
     …政治的な“象徴”←不偏不党、統合性、尊崇、公正、厳粛、国民意思の体現、ある程度のカリスマ性
     …日本国憲法の“象徴”の規定が、多くの国の憲法に影響を与えた。

    ★米国大統領選挙
     ・日本は同盟国の一員であり、他人事では無い。

    ★日本周辺諸国の憲法
     中国
     ・香港の自由と民主主義
      「国家安全維持法」2020
     ・ウイグル民族、チベット族、モンゴル族への“ジェノサイド”
      文化大革命より苛烈
     ・「海警法」2021
      尖閣諸島
     北朝鮮
     ・金正恩体制
     韓国
     ・人治主義
     ロシア
     ・プーチン政権

    〇難しいところ(諸説あるものなど)も、著者の意見と断った上で、根拠を示しながら解説がある。
    〇P207「王族が数多いる妻の中から(下段)」とあるが、下段に何も書かれてなかった。
    他のページで、私が読み飛ばしてるのかな。

       

  • 東2法経図・6F開架:323.01A/N81s//K

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