ダーウィン『種の起源』を読む

著者 :
  • 化学同人
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759811704

作品紹介・あらすじ

『種の起源』を知らずして進化論は語れない。ダーウィンは「何を」「どう」説明したのか!難解な内容が理解できるように、当時の社会状況や身近な生物例を補足しながらやさしく解説する待望の書。

感想・レビュー・書評

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  • 三葛館一般 467.5||KI

    『種の起源』を知らずして進化論は語れない。『種の起源』を読み解くために欠かせない当時の状況や理論を補足し、さらに身近な生物の例も挙げながら、ダーウィンが「何を」「どう」説明したのかをわかりやすく書かれています。ダーウィンの『種の起源』を読む前にまず、この本から入るとわかりやすいと思います。
                                  (ゆず)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=53753

  • 本作はダーウィン氏の進化論をまとめた著作「種の起源」を解説した本です。
    私は原著を読んだことは無いのですが、本作著者曰わく、ダーウィン氏の言葉は非常に難解で理解するのが難しいとのこと。
    そんな専門家でないと読めないような原著を、素人にも分かり易く、より噛み砕いたな文章で、また特記文には説明をつけたり、理解・想像がしやすくなるよう多くの例えを上げて一冊にまとめ上げたのがこちらの本になります。
    著者自身の筆致も軽快で読みやすく、なるほどなるほど、と納得しながら読み進めることができます。
    提起と結論も明確です。章立てにもわかりやすくするような工夫が見られます。
    私のように面白そうなので少しかじってみたいという方など、生物学・進化論にちょっと興味のある初心者さんにはピッタリの読み物だと思います。

  • 飼育栽培のもとでの変異
    自然のもとでの変異
    存続をめぐる争い
    自然選択
    変異の法則
    学説の難点
    本能
    雑種
    地質学的記録の不完全について
    生物の地質学的連続について
    地理的分布
    続・地理的分布
    生物の相互類縁、形態学、痕跡器官
    要約と結論

  •  各章ごとに『種の起原』を読み解いていく。宗教の影響力が強大で,メンデル遺伝も細菌もDNAも知られていない150年前に,ここまで到達したダーウィンはやはりすごい。
    『種の起原』は最初の四章で基本原理が語られ,第五章でその帰結に言及。第六章以降は自分の理論の難点を挙げてそれに対して反論。第十四章では(特に創造論に対する)自説の優位性を主張して締めくくる。なかなかきれいな構成。しかも版を重ねるごとに,新証拠補充などして洗練されていく。
    『種の起原』はハトなどの人為的な品種改良から説き起こされる。変異が小さくてもそれを選択で積み重ねてかなり違った品種を得る。人間が注目した部分に変異が集積させられて,単一期限でも一部が極端に違う品種がいろいろ作れる。人為選択だ。
     第二章では,種という概念が絶対でないことを説く。同一種の中での品種の違いも,種の違いも程度の差であって,個体差の延長でしかない。品種が人為選択により進化したのであれば,種も進化によって生じたに違いない。
     人の介入なしに進化が起きるのか?起きるとしたらどうやって?それにこたえるのが第三章の「存続をめぐる争い」と第四章の「自然選択」だ。生物は資源や場所をめぐって互いに競合している。それに敗れた者は退場し,勝ったものが残る。より環境に適した者が自然によって選ばれる。
     存続をめぐる争い(生存競争)は,近しい者ほど激しくなる。必要とする資源が一致するので,その取り合いになるから。その結果,互いの違いが大きくなっていくように進化が進む。次第次第に品種は変種に,さらに別種へとなって,相互の違いが明確になっていく。
     150年前は,遺伝も変異のしくみもよく分かっていなかった。しかし観察によっていくつかのことがいわれていた。ラマルクは用不用説を唱え,よく使われる器官は発達し,使われないと退化するとした。ダーウィンはこれよりも自然選択の作用が大きいと考えたが,獲得形質の遺伝は肯定してた。
     この点は結果的に間違っていたのだが,メンデルの仕事も知られておらず,これは仕方がない。『種の起原』の見どころは,ダーウィンが自分の進化論で説明が難しいと思われる事例を多く挙げて,それに対して考察を加えていくところ。想定される批判への反論を用意して自説の正しさを訴える。
     第七章では,アリやハチに代表される社会性昆虫のような,複雑で他利的な行動(本能)を取り上げて,血縁淘汰に近い考え方で説明している。生存競争と自然淘汰では,一見説明が難しいと思われるが,血縁の深い兄弟姉妹の繁殖可能性を高める行動は,彼の進化論で理解できる。
     第八章では,繁殖できない雑種が存在することを,自然選択の直接の帰結ではなく,間接の結果として説明。自然選択によって生じた違いが雑種の繁殖を妨げ,さらには雑種ができることも妨げる。一方種内では近年の個体間より相違する個体間の方が良い子孫を残す(雑種強勢)。
     第九章で中間種の不在を説明。進化が徐々に進むなら,異なる種の中間の特徴をもつ種も存在するはずなのに,そういう化石はなかなか見つからない。ダーウィンは,この理由を化石記録の不完全性に求めた。地層が見つかるには海で堆積した後に隆起しないといけないが,それは同時に風化も促す。また,生物が徐々に進化していくとき,それにともなって生息地域もシフトすると思われる。そんなこんなで化石の記録は断続的になる。
     150年前は三葉虫が最も古い化石で,あたかも突然複雑な生物が出現したように見えたが,それは三葉虫以前の生物が堅い殻をもたなかったからだということが後に判明する。20世紀になってから,三葉虫以前の,柔らかい体をした動物の化石が発見されたのだ。1909年,バージェス頁岩から見つかった奇妙な節足動物たちがそれ。それが詳しく分析され,広く一般に知られたのは1989年。ダーウィンの正しさが百年も経ってから確かめられた恰好だ。
     化石記録からは,長い間変化がないように見える種や,恐竜など大きなグループの絶滅,地域の固有性なども見えてくる。一見困難ではあるが,これらも進化論によってうまく説明できることをダーウィンは縷々説明する。
     鳥や植物の場合同じ種が広い範囲に分布することもあるが,これは一箇所で生まれた種が移動で拡散した結果と見ることができる。反対に,海を越えられない哺乳類などは,絶海の孤島には存在せず,そこは爬虫類など他の動物の天下だったりする。
     ダーウィンと言えばガラパゴス諸島だが,そこがまさに哺乳類のいないとこ。孤島は種が少ないが,一旦辿りついた種が自然選択によって独自の進化を遂げる。オーストラリア大陸にたくさんいる有袋類が,他の大陸にいないのも,そういう話。
     ダーウィンの主張とその評価がかなりよくまとまっていて,良い本だった。ただ,中立進化説や分子生物学を踏まえた現状の説明はあまりなく,そこはもっと知りたい感じ。先月,大進化には別の説明が要るとしてネオダーウィニズムを批判する本を読んだが,その辺の話はどうなんだろう?
     著者の北村氏は,ネットでも進化論についていろいろ発信してるようだ。 bit.ly/pmTWG5
     ざっと見た感じだけど,ネオダーウィニズム批判を苦々しく思ってるのかしらん。彼は生物学者ではなくてサイエンスライターらしいけど,すごく勉強しているみたい。尊敬する。

  • ダーウィンの種の起源を、現代の日本人がいきなり読んでも理解できない人がほとんどなので、まずこの本から入るといいみたいです。

  • 生物がどのように進化していったか、どのように共生しているか、ダーウィンの種の起源に沿って説明した本で、生物分野について全く知識の無い僕でもだいたい理解出来て面白い。

    存続をめぐる争いと自然選択によって生物分布・進化が起きた。
    それ以外にも為になる話が多い。

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