犯罪捜査の心理学―プロファイリングで犯人に迫る (DOJIN選書 17)

著者 :
  • 化学同人
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759813173

作品紹介・あらすじ

犯罪者の心の闇を想像するのではなく、科学的に犯人の行動を分析する「犯罪心理学」。本書では、犯罪捜査における心理学の応用のうち、プロファイリングの嚆矢となったFBI方式をはじめ、客観的な犯人像の分析を可能とするリヴァプール方式のプロファイリングや、犯人の居住地を推定する地理的プロファイリング、ストーカーの危険性を推定する技術、さらには大量殺人事件の動機の推定や効果的な防犯対策なども紹介する。犯人に立ち向かう、犯罪心理学の最前線へ。

感想・レビュー・書評

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  • 犯罪捜査で使われている犯罪心理学とプロファイリングについてとても分かりやすく書かれている。プロファイルでは、FBI式と統計的なリバプール式と二つあるが、日本ではリバプール式が採用されているそうだ。入門書としてとても面白い本だと思います。作為的なデータ処理もなく、思いこみなどが全くない本なので、AIとかに興味がある人にもおすすめなテーマだと思います。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/59275

  • プロファイル枯れ尾花だった、もっと動機研究して欲しい

  • 1470円購入2010-07-06

  • 読了。『犯罪者の心の闇を想像するのではなく、科学的に犯人の行動を分析する「犯罪心理学」。』

  • 犯罪捜査の手法の1つ、プロファイリング入門書としては本当に良書だと思う。

    内容は歴史順に各章で、FBI方式、リヴァプール方式、地理的プロファイリング、犯人(ストーカー)の危険性、犯人の動機を推定するの5章だが、わかりやすかった。

    プロファイリングに興味のある人は、私の知る限りこの本から始めると全体像がつかみやすいと思う。

  • [主な内容]
    この本は心理学を犯罪に焦点をあて、犯罪者の心理を分析し、捜査に活かそうとする本です。
    主にプロファイリングという捜査手法をもちいます。日本のプロファイリングは、犯行の要因
    (鈍器で殴った、近所に住んでいる等)をデータ化、統計し、分析するのです。

    [おすすめの理由]
    よくドラマのような「犯人はお前だ!」では、日本では解決した事件は一つもないです。あくまで捜査の手助けをするツールです。

    ちなみに、著者である越智啓太教授は、とても映画が好きです。
    本の中にも(例えば『シックス・センス』など)映画内の犯行類型を
    わかりやすく説明してくれる、いい先生です。

    本当のプロファイリングをぜひ。

  • プロファイリングによる犯罪捜査とそのバックボーンになる心理学的研究の本。
    地理的プロファイリングや、犯人を特定するためのプロファイリングの研究など、この分野の最先端の内容がおもしろい。

  • 20101208
    「プロファイリング」というと、いわゆる「犯罪心理学者」のような人がテレビに出てきて犯人像を述べたりするシーンが連想される。(しかし、こうした犯人像プロファイリングが成功しない例は多い。酒鬼薔薇事件などが良い例)

    ●犯人像プロファイリングについて
    ・FBIのプロファイリング
     犯行現場カテゴライズと犯人タイプ分けの関連
     「秩序型」は連続殺人においては典型的、「無秩序型」は特異。それゆえ混合型発生
    ・プロファイリングの新たな方式 リヴァプール方式
     犯罪行動の間の関連をとらえる——「近い」行動、「遠い」行動
     犯人の属性と行動パターン
      レイプ犯の行動パターンマッピングによるカテゴライズ

    ●地理的プロファイリング
    ・サークル仮説とその限界 拠点モデルと通勤モデル
    ・地理的ターゲッティング 円中心仮説、重心仮説
    ・犯人の属性や行動特性からの推定
    ・コールサックエフェクト(暗黒星雲効果) 自宅のそばでは犯行を行わない
    犯行が行われにくい自宅周辺・・・バッファーゾーン

    ●犯人の危険性推測
    ・ストーカーの行動・タイプから緊急度を推定する
     緊急性の高いケースが放置されて殺害につながる等の悲劇を防ぐ
     拒絶型、憎悪型、無資格型、親密性希求型
    ・ロジスティック回帰分析を用い、被害者・加害者の属性や関係から暴力行為が発生する確率を推定する

    ●動機の推定
    ・大量殺人事件
    特徴
    /犯人は挫折や絶望の中にいる。特に事件直前に大きな絶望を体験
    /他罰的考え。特定の個人でなくカテゴリー的な敵を想定している。
     →そのカテゴリーに属するものをなるべく多く殺害することを望む
    /襲撃計画のほのめかし、日記やネットでの公開
    /遺書や手記を書く
    /愛する家族や人やペットなどを先に殺すことがある(自分の死後の迷惑を考えていることもあり、大量殺人における心中的側面)
    /最終的に自殺または警察を利用しての自殺(suicide by cops) 捕まると死刑を望み反省はしない
    /過剰な武器の携帯
    /凶器を手に入れられる環境、嗜好
    /自分が誰かを隠そうとしない。覆面をしたり防犯カメラを避けたりしない。逆にアピールしようとする
    /基本的には逃走を考えない

    →以上の特徴が、日本で起こった池田小事件や秋葉原無差別殺傷事件などにもよく当てはまるのがわかる。
     こうした犯人の特徴からいうと、校門の施錠や防犯カメラの設置、職員への格闘訓練などは大量殺人事件に対して殆ど無意味。
     どうすればよいのか、未だ解答は見いだされていない。

  • プロファイリングとは、個々の例を掘り下げて研究するのではなく、個々の犯罪に現れる事象の特徴を統計的に検討して、一致点を探すのだという。なるほど。小説とかでみると、うさんくさく感じるが、けっこう科学的だったのね。

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著者プロフィール

越智 啓太(おち・けいた)
法政大学文学部心理学科教授。
横浜市生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻修了。警視庁科学捜査研究所研究員などを経て現職。臨床心理士。専門は、プロファイリングや虚偽検出等の犯罪捜査への心理学の応用。その一方で、素朴なオモシロ研究を愛しさまざまな論文を密かに読み進めてきた。また、これらの研究を追試することを生きがいにしている。最新論文は「恋愛関係における『恋は盲目』バイアス」(法政大学文学部紀要)で、今の恋人は過去の恋人よりもかっこよく(美しく)みえることを科学的に明らかにした。
著書は、『ケースで学ぶ犯罪心理学』(北大路書房)、『テキスト 司法犯罪心理学』(北大路書房)、『臨床心理学と記憶心理学のコラボレーション』(北大路書房・共著)、『美人の正体』(実務教育出版)、『恋愛の科学』(実務教育出版)、『progress and application 司法犯罪心理学』(サイエンス社)など多数。
テレビ・映画等メディアでも、犯罪心理学や社会心理学の観点から多くの人気ドラマを監修、コメント出演をしている。
趣味は授業と資格取得。「甲種火薬類取扱保安責任者免状」「警戒業務管理者・専従警戒要員」「心電図検定」などマニアックなものを中心に多数の資格をもつ。

「2021年 『すばらしきアカデミックワールド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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