ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)

著者 :
  • 化学同人
4.26
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本棚登録 : 120
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759813289

作品紹介・あらすじ

食品添加物は危険なのか?残留農薬の基準値超過で回収・廃棄の対応は世界の常識なのか?ビタミンでがんの予防ができるのか?オーガニックは優れているのか?巷にあふれる食をめぐるさまざまな情報。どの情報が信頼に足るものなのだろうか?メタミドホス、マラカイトグリーン、トランス脂肪酸、メラミンなどの実際の事例も参照しながら、残留農薬の基準値の設定の仕方やその値の意味、発がん物質のリスク評価の方法を紹介していく。食品の安全情報を複眼的にとらえた、目から鱗が落ちる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • こういう良書を科学に興味のないマスコミに踊らされがちな一般の人に読んで理解してもらうためにはどうすればいいんでしょうか。
    どんな問題においても言えることですが、専門家と一般人との認識のズレを修正するのって本当に難しい。

  • 食品添加物について、基本的な考えと、公表データと算数で、本当に人体に害がありそうなのかどうなのかを丁寧に説明している。基準値を上回ったという報道に慌てふためく前に、冷静に考えられる消費者でありたい

  • 特に目新しいことが書かれているわけではないけれど、必要なことがまとまっていて読みやすい好著。こういう本を多くの人に読んでもらいたいと思う。
    ただ、内容がいいだけに惜しいと思うことも。一般向けの科学書にいえることだけど、こんなふうに数字がたくさん出てくる本がなぜ縦書きなのだろう。理数系の専門書や教科書はほとんど左開きの横組みなのに、一般向けとなると科学書でもたいていが右開きの縦組みになってしまう。五〇〇グラム×一〇〇×〇.〇〇〇三パーセントなんて縦書きに書かれたら読みにくくてしかたない。500g×100×0.0003%のほうがずっとコンパクトでわかりやすいのに。数式がひとつはいると売上げが10%下がるという話があるらしいから、ひょっとしたら一般向けの本は横書きというだけで売れなくなってしまうなんてことがあるのだろうか。
    それと、特に前半にMRLだのADIだのアルファベットの略号が頻出するのもマイナスな気がする。漢字ならパッと見て意味がつかめるけど英字はそれができないので、どうしてもそこでつっかえるか読み飛ばすかしてしまう。
    とはいうものの、タマネギが食品添加物だったらとか、二倍効果あるダイエット法とか、リスクベネフィットバランスでの天気予報と傘の話とか、随所に出てくる著者の工夫のたとえ話はうまく、なるほどと感心させられた。授業で使えそう。
    でも、本気で一般向けに売ろうとしたら帯のキャッチコピー、地味すぎやしないか。光文社新書だったらなんて書くだろうと思ってしまう(笑)。科学系出版社の限界なんだろうか。いくら正論でも読んでもらえなければ何にもならない。はびこるテレビのエセ科学バラエティ番組に勝つのは容易なことではないんだよな。

  • 推薦者 バイオ環境化学科の教員

    *図書館の所蔵状況はこちらから確認できます。*
    http://opac.lib.kitami-it.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB50108327&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • 498.54-ウネ 300084464

  • 著者はひどいアレルギー体質ではないんだなーとか、自分で野菜育てたりしないんだろなーとか、子供居ないんじゃないかなーとか、そういう邪推は置いといて...。

    科学的な物事のとらえ方を今一度確かめるという意味では良い本だと思う。
    バランスよく食べるのと同じくらい、或る一つの物の見方に囚われずにバランスよく生きたいものです。

  • こういうことを世の中のひとに知ってもらいたい!という内容。でも、心理的な抵抗が大きそうだなあ。。
    普段の農薬や添加物の話と、基準値越えなどの有事の話は同列に語れないような気もします。問題点が別というか。

  • 請求記号・498.5/Un  資料ID・100054654

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、3階開架 請求記号:498.54//U75

  •  健康に対する食品のリスクをどう扱うか。基準値のしくみから,リスクコミュニケーションまで,基本的なことを学べる。結論としては,ゼロリスクを前提とするメディアの情報をうのみにせず,多様な食材をいろいろな調理法で変化をつけて食べること。これが肝心。
     残留農薬や添加物の基準値として,ADIがよく使われる。これは「生涯毎日摂取しても健康に影響がない量」で,動物での慢性毒性試験における無影響量に安全係数(種間10,個人差10の計100で割る)を掛けて算出。かなりの余裕が見込まれている。中国餃子事件などのような急性中毒では,別のARfDという基準値を使う。これも動物実験から算出。人間で試験することは倫理的に不可能。
     人工より天然が安全というわけではなく,たとえばタマネギなんかでADIを計算してしまうと,ほとんど食べられなくなってしまう。アクリルアミドやトランス脂肪酸,魚類のメチル水銀(汚染がなくても)など,天然の食材からも健康に影響のある物質は検出される。大事なのは,定量的にリスクを見積もって,理性的に判断すること。現状ではそれができずに,BSEや賞味期限渡過問題など,些細なリスクを避けるために大きなコストをかけてしまっている。
     要は株でポートフォリオを組むのと同じで,リスク分散。健康食品などに頼らず,いろいろな食材を摂取することで,一部の食材で基準値を大きく超えるようなことがあっても,危険は軽減できる。

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著者プロフィール

国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第三室長

「2016年 『「健康食品」のことがよくわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

畝山智香子の作品

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