麻酔をめぐるミステリー: 手術室の「魔法」を解き明かす (DOJIN選書)

著者 : 廣田弘毅
  • 化学同人 (2012年7月30日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759813470

作品紹介

もしも麻酔がなかったら、歯の治療や手術はどんなに苦しいものであろう。現在は麻酔があるからこそ、安心して手術も歯の治療も受けられる。では、そもそもなぜ麻酔は「効く」のか。そのメカニズムは完全にはわかっていない。未解決の謎がいくつも横たわっているのだ。本書では、とくに全身麻酔をめぐるさまざまなミステリーを取り上げながら麻酔の迷宮を探検し、全身麻酔はなぜ効くのか、という大きな謎の解明に挑む。

麻酔をめぐるミステリー: 手術室の「魔法」を解き明かす (DOJIN選書)の感想・レビュー・書評

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  • 一体誰をターゲットにしてるんだろうという位に酷いダジャレの部分と学術的な部分とのギャップが激しすぎる。さらに麻酔とは直接の関係のない統計に関する説明も長い。
    しかし、知らなかった事がたくさん書かれていて、知識欲を満たしてくれる。

  • 新刊コーナーにあったので、何気なく借りてみたのだが。

    たぶん、とっつきやすくわかりやすく、という配慮からなのだろうが、不必要なまでにギャグ調なのがちょっといただけない。だからといって至極簡単かといえばそうでもなく、麻酔に関わる化学式やら実験手順やら云々は専門用語のオンパレードで、私にはちんぷんかんぷん。
    それでも、何故麻酔が効くのか、というのはな~んとなくは理解できたし、なかなか興味深かった。実際、本当のところ麻酔の効くしくみというのは、完全には解明されていないらしい。

    印象に残ったことをいくつか。

    麻酔は一時的な短期記憶のみを消してしまうことから、短期記憶を司る海馬に何かしらの影響を及ぼしていると考えられる。
    それはちょうど、コンピュータの電源が停電などで落ちた時、作業中だったデータは失われても、ハードディスクに保存されていた部分は無事である、というのに似ている。

    先日読んだ「世にも奇妙な人体実験の歴史」にも紹介されていた、まだ麻酔が世になかったころ、その働きを求めてエーテルやら笑気ガスやらで、自分の体をもって人体実験をしていた歯科医ホース(前述の本では「ホレス」)・ウェルズ、弟子のウィリアム・モートンの記述もあった。
    サミュエル・コルトという人物が初めて考え出した連射式拳銃があのコルト式で、彼が笑気ガスを使ったショーでその開発費を稼ぎ、そのショーが流行したお陰でホース・ウェルズが抜歯に笑気ガスを使うことを思いつき、その弟子モートンが麻酔薬としてエーテルの使用を成功させた、ということらしい。この繋がりがちょっと面白い。

    毒ガスと酸素を除く全てのガスは麻酔作用があるのだそうだ。
    窒素や二酸化炭素も、条件によって麻酔作用を発揮するらしい。
    そういえば、同じ前述の「~人体実験の歴史」でも、潜水の実験をした人物の章で、盛んに潜水に伴う窒素酔いについての記述があった。
    また、昔よくあったプロパンガスなどの中毒事件も、プロパンガスが充満して酸欠になるのではなく、麻酔作用で意識を失い、呼吸が落ちたりガスに引火して家事になったりして死亡した、というのが本当のところなのだそう。

    細かな化学的数値や実験結果の説明はさておき、こんなコラム部分が面白かった。(すみません、知識がないもので)
    過剰なギャグさえなければ星4つつけたのに。

  • 散々描いてきた手術シーン。その手術において今では
    当たり前のようになされる麻酔。だがその麻酔の
    細かなメカニズムは未だに謎のままだという。飛行機が
    なぜ飛ぶのか実際はわかっていないという話を聞いた
    時も驚いたが、こちらも驚きの情報だった。

    そんなわけで麻酔関係の本を読んでみようと思ったの
    だが、関連本が意外に少ないのにはびっくりしたな。

    さて一冊目に読んだのがこの本。麻酔の歴史をひもとく
    ところから始まり、なぜ効くのかという問題に迫って
    いく。専門家の著述なのでその内容は確かだとは思うの
    だが、読みやすさを狙ったドラマパートとでも呼べる
    箇所と専門性の高さとのギャップがひどく、万人に
    薦められる麻酔入門書とは言えないと思う。

    しかし描き始めた頃とは雲泥の差で進歩してるんだな、
    麻酔って。

  • 鎮静・鎮痛・筋弛緩。世界では毎日10万人もの人が全身麻酔を受けているという。その麻酔の作用の秘密に迫る。
    ちょっとおふざけのコントが分量にして3割程度あり,人によってはムッとするかもしれないが,麻酔科学の専門家が書いているので内容は信頼できる。
    麻酔でなぜ意識が消失するかは,そもそも「意識」が解明されてないのでなかなか難しい。古くは膜脂質に溶け込むという脂質説が提唱されたが,現在は膜タンパクに特異的に結合するというタンパク説,膜タンパクの疎水ポケットに非特異的に結合するというポケット仮説が主流となっているらしい。
    マイケル・ジャクソンの死や医療ガス配管ミスなど,麻酔に関わる事故についても触れる。麻酔薬は,器材の揃った病院で,麻酔医の管理下で慎重に使われなくてはならない。非致死性ガスで犯人と人質を眠らせて…なんてのは,マンガの中だけの話のようだ。

  • あまり取り上げられないテーマなのでありがたいが、初歩の初歩の歴史話から、論文レベルへの飛躍が早すぎてついていけない。
    自分達の細かな研究成果よりも、わかってること、わかってないことをなるべく平易に記述してほしかったが、後書きによると随分と私的な動機のようなので仕方がないか。

  • 今ではごく一般的に行われている全身麻酔だが、そのメカニズムは実に複雑で、今現在でも研究が進んでいる最中だという。麻酔は睡眠とは異なる、それは、経験した人ならだれでも納得するだろう。
    この本は、麻酔の医学的な説明を、素人相手になるべく易しくわかりやすく伝えようと大変努力している。様々な実験結果のデータやグラフを示したり、会話形式の説明を試みたりなど、色々な工夫で麻酔薬がどのように作用するかを説明している。マイケル・ジャクソンの死の原因の解説なども興味深い。
    しかし、かなり専門的な内容を記載しているので、全て正しく理解することは難しいと感じた。
    麻酔とは、軽々しく考えること無く、専門的な知識を持つ者が十分な設備のある場所で慎重に行わなければ、たちまち命にかかわる危険なものであることが理解できる。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:494.24||H
    資料ID:95120846

  • 口調の軽さに油断したら、専門用語も結構出てくるし、意外と苦戦してしまった。

    この本は、麻酔に関するお手軽な雑学を提供するようなものではなく、麻酔が人体にどのように作用するのかをじっくり解説してくれます。
    途中で提示された学説が、必ずしも正しくはないと最後の方で解説されているので、途中でやめて最後の方を読まないと、誤った認識のまま終わってしまう恐れがある。

  • 麻酔は不思議。
    どくとると森子のやり取りとどくとるの講義とで話が進んでいく。

    個人的な研究興味として「意識があること,意識することとは何か?」っていうものがあるので,その視点からも面白かった。

    本物の授業が楽しみです♪

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