- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784759813579
感想・レビュー・書評
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非常に興味深い内容でありすらすら読めた。
第1部では、航空の110年として、1903年のライト兄弟の初飛行から最新鋭のA380やB787まで、110年の歴史を振り返り航空技術発展の過程を学べた。複葉機から単葉機、プロペラ機からジェットエンジンへの進化の過程が分かった。途中、第1次世界大戦の戦闘機やゼロ戦の話にも触れてあって興味深かった。たった110年でこれほど技術革新した背景は、飛行機が人類に取って魅力的なものであったからだろう。空を飛ぶことはいつの時代も憧れだったのであろう。
第2部では、航空安全獲得への歴史として、航空機事故の内容や原因、事故調査の確立、技術課題と自然現象、信頼性管理、ヒューマンファクターについて述べられている。
信頼性の数値化「ルッサーの法則、フォン・ブラウンの方法」は気になった。
第3部では、落ちない飛行機を目指した研究として、ニューラルネットワークを用いた操縦のモデル化と、故障した飛行機を安全に飛行させる研究が紹介されていた。制御技術に興味があるため、別途専門書を読みたい。
最後に著者があとがきで記しているように、「心技体」が重要には共感出来る。「心=精神」、「技=技術」、「体=システム」が揃って航空の安全性確保に繋がっている。安全性確保の為に、先人がどのような道を辿ったかを歴史から学んだ。「過去は未来を映す現在の鏡」「温故知新」そのものである。
また途中に挿入されているコラムが付随情報としてためになった。
"If you are looking for perfect safety, you will do well to sit on a fence and watch the birds..."
(Wilbur Wright in 1901)詳細をみるコメント0件をすべて表示