ヒトはなぜ神を信じるのか―信仰する本能

制作 : Jesse Bering  鈴木 光太郎 
  • 化学同人
3.56
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本棚登録 : 114
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759814972

作品紹介・あらすじ

なぜ人生に運命を感じるのか、なぜ死んでも心は残ると思うのか、なぜ自然現象に意味を見出してしまうのか、進化心理学が解き明かす神と宗教の起源。

感想・レビュー・書評

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  • 最初に断っておくが、この本に「ヒトはなぜ神を信じるのか」は書いてない。ぼくはそれをずっと知りたいと思っていて、これはいい本を見つけたと思って勇んで読んだのだけれど、がっかりした。タイトルに偽りあり。というか、本当にこういう原題なのか? ぼくみたいのをひっかけるために、日本の編集者が勝手につけた詐欺タイトルじゃないのか?

    そもそも神を信じるのがヒトだというのなら(その前提がなければこんなタイトルは生まれない)、ぼくはヒトではないということになる。ぼくは別に宗教を毛嫌いしているわけでもないし、無神論者というわけでもない。誰かが宗教を信仰している、と言われればふーん、と思うだけだ。正月には初詣に行くし、賽銭を上げて手を合わせたりもする。法事があれば線香も炊く。
    ただ、祭壇の向こうに、八百万の神や大日如来がおわす、と「信じている」わけではない。座禅したまま空飛べるとか、生まれてこのかた何も食わずに生きているとか、イエスキリストとマブダチだ、と言われても、「信じ」ない。だからぼくは神を信じていないヒトなんだろうと思う。日本人では珍しくもないだろう。著者が本当に「ヒトはなぜ神を信じるのか」を知りたいのなら、神を信じるヒトと、神を信じないヒトのどこが違うのかを調べればよい。
    逆にぼくはなぜ「神を信じられる」のかが不思議だ。知りたい。というか「神を信じる」というのがどういうことなのかいまいちわかっていない。それも知りたい。敬虔な信者にそういうことを聞くとケンカを売っていると思われそうで、聞けないのだ。

    そういうことは全然書いてなかった。

    かといって退屈だったかというと、そうでもない。本書は宗教の本ではなく、心理学の本だ。少なくとも一部のひとが、宗教を持つに至る心理的な過程みたいなものを、いくつかの実験を経て考察している。これは宗教を持っているヒトにはけっこうショックなんじゃないかと思う。日本人のぼくはふーんと思う程度だが、アメリカではだいぶ話題になったみたいだ。

    それにしても誰かおしえてくれないかな。宗教を持つヒトは、どうして宗教を持っているのだろう?

  • 「ヒトは何故神を信じるのか」.まさしくこの問いの答えを求めていたので読んでみた.
    ただ,私は「何故宗教が何千年も人の生活に必要とされてきたのか,どうして人は宗教を求めるのか,何故神が必要なのか」ということが知りたかったのだけれど,それに対する解はなかった.
    でもとても興味深い内容だった.面白いなと思ったのは下記の箇所.

    ・ヒトは自然界における出来事に理由と目的を求める傾向にあるし,それを好む
    ・実際にはダーウィンの進化論の通り,私たちは“意図を持たない物理的手段によってのみ”生じているが,ヒトはその存在に意味を求める.故に,「神によって作られた」という論調を好む
    ・自然の出来事の中に伝達的なメッセージを見るには,特別な超自然的行為者という明示的な概念(いわゆる神)が必要
    ・ヒトは,誰かが心だと言うだけでは人物の永続性の思考のスイッチを切ることができない.故に,魂という概念が出てくる

  • ヒトの心がどうやって神を作り出すのか、という心理学から論じた本。
    ヒトが持っている「他人の心を察する能力」が、他人だけでなく自然・超常現象・その他に発揮することによって、神をつくってしまう。

    という結論はなるほどなーと思うし、いいと思う。
    が、無駄に長い。上記結論だけで十分。

  • 原題:The Belief Instinct: The Psychology of Souls, Destiny, and the Meaning of Life
    著者:Jesse Bering (1975-)
    訳者:鈴木光太郎

    【メモ】
    ・著者のサイト
    http://www.jessebering.com

    【目次】
    はじめに [001-011]

    1章 ある錯覚の歴史 013
    2章 目的なき生 051
    3章 サインはいたるところに 097
    4章 奇妙なのは心の不死 137
    5章 神が橋から人を落とす時 163
    6章 適応的錯覚としての神 207
    7章 いずれは死が訪れる 247

    謝辞 [259-261]
    訳者あとがき(二〇一二年七月 鈴木光太郎) [263-266]
    註 [267-298]
    参考文献 [299-302]
    索引 [1-12]

  • ダーウィンの進化論で何もかもが説明出来る。神さえも。突き詰めると自分自身の信念や観念、物事を捉える枠組みがガタガタ揺れはじめる。科学的であるとはどういう事か、本当に考えさせられる良書。
    神の否定にも繋がる、キリスト教社会ではかなり挑戦的な本だろうが、日本社会でこの研究結果をどう捉えたら良いのか。意外と日本人ならば素直に受け入れられるのかもしれない。

  • アメリカ図書館協会選定図書ベスト25入りだそうです。本書。
    その知識は読後知ったのですが…正直これが?と思い。
    多分、日本人とアメリカ人の宗教に対するスタンスが違うんでしょうね。

    なんだかあまり宗教の話が出てこないような…と思いつつ読んでいたら、
    実際最後の方の章で、著者自身が「皆さんお気づきかと思いますが、あまり本書には宗教の話はでてきません」って書いてます。なんだそれは。
    タイトルに偽りあるんでは!?
    …といいますか、このタイトル内容と合ってません。宗教ジャンルで分類されている本なので、カテゴリ宗教としてますがどちらかというと社会生態学ですね。

    そして残念なことには多分、宗教を信仰することに興味があり読んだ人は肩透かしを喰らい、科学的な検地から読んだ人はがっかりするでしょう。

    いみじくも著者が言っております。
    「科学と宗教についての本は退屈極まりないものが多い」
    その言葉を、著者にそのまま私はお返ししたいと思います。
    全部読んだけど結局なぜヒトは神を信じるのかサッパリわからなかった。

  • 【配置場所】工大選書フェア【請求記号】161.4||B【資料ID】91123494

  • 1章 ある錯覚の歴史
    2章 目的なき生
    3章 サインはいたるところに
    4章 奇妙なのは心の不死
    5章 神が橋から人を落とす時
    6章 適応的錯覚としての神
    7章 いずれは死が訪れる

  • レビューはブログにて
    http://ameblo.jp/w92-3/entry-11430127057.html

  • 今年トップクラスの良書。信仰不在の日本にあって神の眼の役割を果たすものが世間だとするならば、この国に蔓延る横並び的な風潮も頷ける。結局のところ、神なき人々はすべて自らの責任で向かう方向を決められるチャンスと世間におもねって生きるチャンスとがあり、それはどちらも選択可能である。

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著者プロフィール

Jesse Bering

「2017年 『なぜペニスはそんな形なのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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