マンガで学ぶ生命倫理

  • 化学同人
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本棚登録 : 77
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759815429

作品紹介・あらすじ

iPS細胞、脳死、クローン人間、がん告知、出生前診断…ひとりの女子高生の体験を通して感じ、知り、考える、新しいかたちの入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 生命倫理の主要なトピックは網羅されているし,マンガの展開も自然で伏線も張られているし,よく練られた本だと思う。哲学的議論で頭がこんがらがったときには実際の事例や直観的判断に立ち返るとよい,という教訓をえたような気がした。

  • マンガでテーマを取り上げ、その後に解説が続く形式で、読みやすく、理解しやすい。テーマも生殖医療から、がん告知、終末期医療など、日々の臨床現場でも悩むテーマがあげられており、入門書として、とっつきやすい。巻末のブックガイドで続けて勉強が出来そうである。

  • 『マンガで学ぶ動物倫理: わたしたちは動物とどうつきあえばよいのか』の姉妹編である。時系列としては本書の方が先に出ている。

    いのちに関わる倫理は昔からの問題である。自分のいのち、他者のいのちについて、どのように考え、どう対処していくべきなのか。生きていく上で、重要な問題と言ってよい。
    一方で、近年、いのちに関連する技術の発展に連れて、昔とはまた違う、新しい倫理上の問題が生じてきている。以前は出来なかった、あるいは出来るとは考えられもしなかったことが可能になるに連れて、以前には生じ得なかった問題が生じてきているのだ。
    例えば終末期医療、例えば生体臓器移植、例えば脳死と臓器移植。
    「出来るから」と言って「無規制に」行ってよいものではない。一方で、往々にして、人によって意見が異なるのもこうした新しい問題に付随する大きな特徴だ。
    おそろかにしてよいことではないが、社会的な議論が足りていないのではないか。
    そうした問題に焦点を当てていくのが本書の、そして本シリーズの目的であろう。

    若い人に手に取ってもらいたいという意図から、マンガと解説の二本柱となっている。
    マンガの部分をまず読み、後で解説を読んでもよいし、最初からじっくりと読んでいってもよい、そんな作りになっている。関連して、こうした問題に取り組んだ映画や小説も紹介されている。
    マンガでも解説でも、「これが正しい」という考え方を押しつけるのではなく、さまざまな立場や意見を挙げ、最終的には「自分で考える」というスタンスが取られている。

    マンガの部分は、高校生の加奈美と幼なじみの優介を軸に展開していく。加奈美の身の回りで、「いのち」に関わる、さまざまな「事件」が起きる。加奈美は戸惑いも、あれこれと考え、悩む。ストーリー的には、比較的ゆるく進むのかと思ったが、終わりに近づくにつれ、かなりシビアな展開になっていく。いささかショッキングだが、生命倫理に関わる問題を考えるには、このくらいの「揺さぶり」が必要ということかもしれない。
    全10章、取り上げられるのは、「生殖医療」、「がん告知とインフォームド・コンセント」、「中絶と胎児の権利」、「能力・肉体の改造(エンハンスメント)」、「終末期医療と安楽死」、「生体臓器移植」、「クローン技術」、「ES細胞とiPS細胞」、「寿命と永遠の命」、「脳死と臓器移植」である。これらすべてが身近で起こることは考えにくいが、どれかが自分の問題になる可能性はそう低くはない。

    若い人にはもちろんお勧めだが、大人が読んでも十分に読み応えがある。
    他人事ではない、自分の問題として、一度じっくり考えてみる手引きになりうる1冊である。

  • 看護系を目指す高校生は必読の一冊。
    答えの出ない生命倫理という問いの、1つの考え方が書かれています。
    また、これからの時代は誰もが自分なりの生命倫理観を持つことが求められるので、より多くの人がこの作品に触れたら良いと思います。

  • よくまとまっております。

    子供達にも読ませてみよう。

  • マンガがつまらない、そんな風に思っていたら、最後に泣かされた。

  •  生命倫理について,大まかなことを知りたい方にオススメです。
     各テーマで,マンガとその解説がペアになっています。解説文は4ページと,とてもコンパクトにまとめられており,脚注もしっかりしているので,初めての人でも読みやすくなっています。
     生命倫理(バイオエシックス)については,これからますます問題になってくるでしょう。しかも,国民の同意を得るのが極めてむずかしい課題がたくさんあります。
     自分の身内にも関わってくる(どころか,自分自身にも関わってくる)問題でもあります。
     中高生の間に,こういう問題があることを知っておくこと,少し考えておくことは,とても大切だなあと思います。
     オススメです。

  • 三葛館医学 490.15||KO

    医療の進歩に伴い、現在さまざまな倫理的問題が生じてきています。男女の産み分けや出生前診断、がん告知に終末期医療、脳死と臓器移植、などなど。
    本書では女子高生の日常を通して、さまざまな問題の現在の状況、倫理的な議論が描かれています。とても読みやすく、巻末には興味をもった人向けに参考文献も挙げられています。正解のないとても難しい問題ですが、考えるきっかけを与えてくれます。

    和医大OPAC → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=65995

  • この手のマンガの割にストーリーがヘビーで辛い。俺も集中力をエンハンスしたい。

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プロフィール

児玉 聡(こだま さとし)
1974年生まれ. 2002年, 京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学, 博士(文学, 2006年). 京都大学大学院文学研究科准教授. 著書に『功利と直観』(勁草書房), 『功利主義入門』(ちくま新書)他.

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