毒ヘビのやさしいサイエンス:咬まれるとアブナイ話

  • 化学同人
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本棚登録 : 20
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759815665

作品紹介・あらすじ

日本にはマムシ,ヤマカガシ,ハブといった毒ヘビが棲息している.とくにマムシやヤマカガシなどは,日本人にとって身近でありながら,詳しいことがあまり知られていない謎の多い生きものである.そこで,日本および世界の毒ヘビとヘビ毒に関する,知っておいたほうがよいことがらを中心に,現在わかっているそのサイエンスや,興味深いエピソードを集約し,さまざまな角度からこれらの実像に迫る.

感想・レビュー・書評

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  • 2015年1月新着
    いったい著者はどのような方なのだろうと思ったが、名城大学にはヘビ毒研究の歴史があって、現在本書の著者であるお二方に引き継がれているとのこと。「世界最強の毒ヘビは?」などという章にも、最強という意味の捉え方からきちんと説明するなど、単なるサイエンス紹介本ではなく誠実な姿勢が見えて、イイです。
    また、ヘビの種類やヘビ毒に関してだけでなく、「ヘビに咬まれるのはどういう時か」や「咬まれたらどうするか」などの記述もあって、役立つ情報も満載。

  • 請求番号 487.94/Nik
    資料ID 50077125
    配架場所 図書館1F学生選書コーナー
    【感想文 byZ .W】
    毒ヘビの生態と歴史など興味を引く話題が多く、また、毒に関する様々な研究事例が上がっており、それらを知ることによって、毒ヘビへの愛着が湧きました。特に興味が引かれたところは、毒ヘビトリビアのコーナーで、なぜヘビは自分の毒で死なないのか。という問題が挙がっていました。ヘビ毒は唾液で、多くのタンパク質から成り立っていて、血液中にはその毒を中和する物質が含まれているが、万一仲間割れして他の毒ヘビに噛まれると、毒の許容量が足りないので死んでしまうそうです。自分の必殺技が弱点でもあるという珍しく、愚かな毒ヘビの生態に驚きました。

  • 「蛇を飼っても、飼い主を飼い主とは認識しない」
    「蛇は自分の毒を大量に投与されると死ぬ」
    「瞼と耳が無い」

    ……等。蛇に関する豆知識がなかなか面白かった。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:487.94||D
    資料ID:95140374

  • 毒ヘビの科学に関する一般向けの読みやすい本である。見返しの紙には鱗紋が型押しされており、なかなか凝っている。

    毒ヘビとはそもそもどんな生きものかに始まり、世界や日本の毒ヘビの種類、ヘビ毒の正体、毒ヘビに咬まれた際の対処法、抗毒素の話、ヘビ毒利用の可能性といった構成である。

    ヘビの多くは無毒であり、毒ヘビはさほど多くない(知られているヘビは3436種、うち、毒ヘビは約700種といわれる)。
    毒ヘビであるかどうかの境界は実は曖昧である。有毒かどうかは、毒性の強さと毒液の量(ヘビの大きさに比例)の両方で決まるからだ。強い毒なら少量でも有害となるし、弱い毒でも大量に体内に入れば死亡することもある。
    毒性が強いのはコブラ科の毒である。
    日本にいることが知られる毒ヘビはマムシやハブだが、ハブの方が体長が大きく、死亡者もハブに咬まれた人の方が多い。ただ日本には毒ヘビはさほど多くなく、南アジア・東南アジア、サハラ以南のアフリカ等が被害者の多い地域である。
    俗説では、模様や頭の形など、毒ヘビと毒のないヘビの見分け方がいくつか知られているが、どれも確実ではない(このあたり、毒キノコの見分け方を思い出させる)。同じ種でも模様に地域差がある場合もあるし、毒のあるヘビに模様を似せるように進化してきた種もある。

    ヘビ毒はなぜ「毒」なのか。
    この答えは実は1つではない。ヘビ毒は多くのタンパク質等で成り立ち、種によって数も種類も多様である。大まかには、神経毒、心臓毒、筋肉毒、出血毒、血液に関与する成分などに分けられる。これらを複数種併せ持つものもあるし、比較的単純な組成の毒を持つものもいる。
    神経毒は、シナプスに作用して、神経からのシグナルを止めてしまい、最終的に筋肉を麻痺させる。呼吸に必要な横隔膜の動きも止まってしまうため、窒息してしまうことになる。
    筋肉毒は、筋肉を破壊し、浮腫を引き起こし、重症の場合は壊死させる。これは、ヘビ毒が筋肉を構成するミオシンやアクチンというタンパク質を細かく切断することによる。
    出血毒は主に、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)の作用により、血管が破れることで毒性を示す。これらのプロテアーゼは亜鉛の働きを必要とするものが多いため、亜鉛を取り除くキレート剤と混ぜると毒性が消失する。
    血液に関与する成分では、血小板凝集を抑えて強い出血を引き起こすもの、赤血球を破壊してしまうもの、赤血球を凝集させるもの等がある。
    毒は、上顎にある「毒嚢」と呼ばれる袋に入っており、通常、ヘビの血液中に入ることはないため、ヘビが自分の毒で死ぬことはない。但し、外から注射したりすれば、当然のことながら死んでしまう。
    ヘビ毒の作用を逆に利用して医薬品等に出来ないかという研究も行われている。今のところは特筆すべき成果はないようだが、特に分子量の小さいペプチドに関しては、臨床や研究に使用できる可能性を秘めているようである。

    ヘビに咬まれた際の治療法の1つとして抗毒素の投与がある。
    抗毒素を作製する際、ウマに毒素を投与して抗血清を作製するのが一般的である。原理的には、免疫系が機能している動物であれば、同様な方法で作製が可能である。
    毒ヘビに咬まれた場合は、可能な限り種を特定することが望ましい。コブラ以外のヘビならば比較的作用が緩慢であるため、慌てなくてもよい。咬まれてすぐであれば、吸引して毒がなるべく体に回らないようにすること。慌てて走ったりすると毒の回りが早くなるので、出来れば周囲の人に助けてもらい、安静にした状態で病院に行くこと。
    毒素は種によって異なるので、種が特定されていれば、使用する抗毒素も直ちに決められる。

    ヘビ毒の成分が1つでなく多種の混合物であること、作用も多様であることが、個人的にはおもしろかった。
    ヘビ毒の概観を捉えるには恰好の1冊。

  • 入門書として最適です。
    毒蛇の特徴やら、毒性についてが丁寧に説明されています。画像も要所を捉えている。咬まれた後の画像は、ややグロイですが、色々参考になります。

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