- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784759819670
作品紹介・あらすじ
中学生・高校生に知っておいてほしい科学研究の基本的な心がまえをまとめた初めての本.2022年の学習指導要領改訂で高校に新設科目「理数探究」ができ,大学入学前に研究に触れる人が圧倒的に多くなる.しかし,現状は,成果が出さえすればよいという雰囲気も強く,研究倫理的なさまざまな問題が生じている.本書は,中学生を主人公にした対話とケーススタディを中心にして親しみやすく研究倫理の基本をまとめているので,中高生が自分で読んで理解できるようになっている.教員が指導に役立てることもできる.
感想・レビュー・書評
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研究者を志している二男に読ませました。私はさっと読みましたが、必要なことが分かりやすく書かれています。
研究も高度化、細分化していることから、研究者が不正をしても見抜くのが難しくなっていると思うので、研究者として歩み始める中学、高校の頃に、倫理を学ぶのは良いことだと思う。 -
書名は13歳からの~となっているけれど、理科や実験、あるいは自由研究の指導なんかを担当する小中高の先生にこそ読んでほしい本だと思う。子どもたちがここに書かれている考え方を身に着けられれば、テレビをはじめとするメディアにあふれる「実験的なもの」への見方も随分変わるのではないか。
捏造や盗用などの、みんな何となく悪いことだと思っているけどはっきりとは説明しにくい・どこまでなら許されるのかが分からない問題を、ケーススタディも交えながらちゃんと説明してくれている。研究をするときには何かと比較することが必要だ(つまり対照群を置く必要性)というような、基本的な研究・実験手法の考え方や科学リテラシーについての説明もあるのがとても良いと思った。ただ、それだけに、内容が研究倫理に限定されているかのような書名は読者の間口を狭めるような気がする。研究倫理であれば研究をしない人は興味を持たないだろうけど、科学リテラシーの本であれば全ての人に関係があるし、実際本書にはそういう人にも知って損はない内容も含まれている。結局のところ本書は、倫理を含めた、だけどそれだけではない科学リテラシー全般についての本だと思うので、書名だけがちょっと残念だなあと思った。
内容が全般的に実験や動植物の観察などの自然科学的な研究に偏っている気がするけれど、アンケート調査や文献調査などの人文科学的な研究の方がひょっとすると中高生には身近かもしれないし、そういった研究の方が倫理は問題になりやすい気もするので、人文科学研究もバランスよく取り上げてくれればなおよかったのではないかと思った。
蛇足だけど、中学生以上を対象にしているにしては、文章が全体的に幼い感じが…。なんとなく小学校の中~高学年くらいがターゲットなのかなあと思ってしまった。でも自分が中学生だったのは遠い昔なので、こんなものだったかもしれないなあ…。
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