CRISPR〈クリスパー〉ってなんだろう? 14歳からわかる遺伝子編集の倫理

  • 化学同人 (2023年8月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (136ページ) / ISBN・EAN: 9784759823448

作品紹介・あらすじ

遺伝学の基本と遺伝子のしくみ,遺伝子編集がどんなものでCRISPRはどのように働くのか,遺伝子編集を利用すると何が起こるのかを,やさしいタッチのイラストで図解.さらに,この技術の応用面を病気や食料などを例にしながら取りあげる.囲み記事「止まれ(STOP)」,「すすめ(GO)」,「徐行(YIELD)」では,遺伝子編集の長短所について,トピックをバランスよく提供し,章末の「鋭い質問」で考えさせるテーマを投げかける.より深く知るためのトピックやコラムも充実.

感想・レビュー・書評

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  • 『感想』
    〇クリスパーという遺伝子編集の技術には興味をもっている。しかし深い技術的要素を聞かされても全くわからない。この本はこの技術を使うことでどんな明るい希望があるか、また危険な要素は何かを語っている。

    〇今まで治らなかった病気に対応できたり、食糧を効率的に増やすことができるなど、よい部分を見ればそうかなと思う。

    〇実際進めていくと、思いもよらないマイナス面が出てくる可能性はある。全てを理解したうえで少しずつやっていくわけではない。

    〇個人の幸せや人類の幸せは、生態系や地球環境というサイズで考えたときに幸せと言えるのか。どこかを変えた分、別のところに負担が来て、最終的に全体を不幸にしていくことはないだろうか。

    〇倫理的な問題はあるにせよ、みんなでルールを守っていけばよいという考えは危ない。人には欲望があり、違う方向を極めたいという思いがあるのは当然。技術がある以上負の側面は必ずある。

    〇深いことは分からないにせよ、こういう技術があることやそれをどんな分野に応用できるかが公開されている。しかし実際には一般人には公開されていない真実もたくさんあるのだろう。特に多くの人にとって不利益になることなど、ずいぶん先にならないと表には出まい。

    〇いろいろマイナス面を危惧するが、ここまできたら発展を止めてすべてをなかった事にすることなどできない。明るい未来を信じて、生きていくしかない。

  • ゲノムってなんでしょう?

    「DNAが遺伝子をつくりあげ、遺伝子が染色体をつくりあげ、染色体がゲノム全体をつくりあげ、それが私たちの発達や成長、活動に必要なタンパク質をつくりだすための取扱説明書のような役割を果たす仕組み」(P10)があります。

    ゲノム(取説のようなもの)の説明から入り最先端のゲノム編集ツールCRISPR-Cas9を紹介している一冊です。
    人間の血、蚊、じゃがいもなどが例として取り上げられています。

    大いに役立つものだけれど、倫理的にはどうか、未来の世界に影響は及ばないかという議論は遺伝子関係の研究ではずっと行われているので、新発見ではあるものの身近に感じられるものでもあります。

    私は耐糖能異常なんですが将来はそういったものも治せるようになるのかもしれませんね。

    ちょうど偶然、遺伝子操作に関連する小説を読んでいたのでますます身近なものになってきていることを実感しました。

    #CRISPRクリスパーってなんだろう #NetGalleyJP

  • ゲノム編集に対して、賛否両論が載っているのがよい。

  • 難しいテーマをわかりやすくかいてあって、とてもおすすめ

  • 請求記号 467.2/R 37

  • [14歳から...]と表紙に書いてあるが内容は大変に深い。
    遺伝に関する基礎的な情報が理解できるように懇切に書かれている。高度な内容で大変参考になりました。
    CRISPR-Cas9に付いても必要な周辺情報と核心の情報が得られる(14歳には少しハードルが高いかも)。

    大人がゲノム編集に関する知識を得るに最適な本の一冊かと...

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著者プロフィール

栃木県生まれ。東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻にて博士(理学)の学位を取得。専門は行動遺伝学。メダカやプランクトンなどの水棲動物を材料に、動物の行動の多様性(「個性」)と遺伝子の関係を研究している。訳書に『性と愛の脳科学』(中央公論新社)、『なぜ科学はストーリーを必要としているのか』(慶應義塾大学出版会)、共著に『遺伝子命名物語』(中央公論新社)などがある。

「2022年 『クジラの海をゆく探究者(ハンター)たち 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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