はみだし生物学 博士とキノコ助手の愉快な研究の日々

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  • 化学同人 (2025年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (120ページ) / ISBN・EAN: 9784759823806

作品紹介・あらすじ

中学や高校の教科書には収まりきらない,生物学の面白さ,自然界の魅力を伝える,楽しい読み物.「はみだし生物学」研究所の博士とキノコ助手が,生物学の気になる42テーマを,見開き2ページで愉快に語る.

感想・レビュー・書評

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  • あとがきを読んで、センター試験生物出題委員で、この本が制作されたことを知った。
    教科書に掲載されていないところに面白さがある!
    たしかに、不確かなこと、研究中なことは教科書にはのらやいよなーと思った。
    かわいい表紙だが、内容は結構難しかったのでかなり時間がかかったが、簡潔にまとめてあってわかりやすかった。
    DNAは右巻きだけじゃなく、左巻きもあるのがおもしろかったかな。
    博士とキノコ助手の会話形式で和ませてもらった。

  • 本書は、教科書から「はみだし」た、例外的、複雑、未確証などの理由で通常触れられない生物学の面白さを紹介する。元センター試験「生物」出題委員16名が制作に関わり、高校生物の指導要綱に沿って「生命の進化」「生命現象と物質」「遺伝情報の発現と発生」「生物の環境応答」「生態と環境」の5部構成、全42トピックを収録。「博士」と「キノコ助手」の会話形式で親しみやすく解説される。

    生命の進化では、細胞壁を持たないマイコプラズマ、単細胞と多細胞を行き来するタマホコリカビ、植物細胞の大部分を占める液胞の多様な役割、動植物で異なる細胞分裂の仕組み(細胞板/収縮環)、細胞質遺伝(ミトコンドリア・葉緑体の母性遺伝)、植物における倍数化(2n配偶子)、種なしスイカ(3倍体)の原理、精子競争における異型精子の役割など、常識を覆す事例を紹介。

    生命現象と物質では、1つの遺伝子から多様なタンパク質を生む選択的スプライシング、普遍的ではない遺伝暗号の例外(ミトコンドリア)、免疫グロブリン遺伝子の再構成(V・D・J断片)、遺伝子組換えに使うベクター(DNA運搬屋)、種を超える遺伝子の水平伝播(ホヤのセルロース合成酵素)などを解説。

    遺伝情報の発現と発生では、進化の原動力ともなるDNA複製のコピーミス、遺伝子導入技術である**パーティクルガン法(遺伝子銃)**を取り上げる。

    生物の環境応答では、体温を自在に変える動物(恒温/変温、冬眠)、動物種で大きく異なる血糖値、浸透圧調節のための多様な水の摂取法(海水魚/淡水魚、カエルの皮膚吸収)、痛みを和らげる内因性オピオイド(体内モルヒネ)、笑いと免疫力の関係、植物にも備わる免疫(過敏感反応)、昆虫のカラフルな血リンパ、ホルモンに支配される昆虫の変態、オーキシンの極性移動、遺伝子組換えによるスギ花粉症米、乾燥に耐える最強植物(DREB2遺伝子)など、驚きのメカニズムを解き明かす。

    生態と環境では、気候や土壌だけでなく生殖システムが植生を決める要因となること、地球温暖化によるバイオームの異変、海藻が作る「海のなかの森」、植物間の化学物質によるなわばり争い(アレロパシー)、害虫の天敵を呼び寄せる「ボディーガードを雇う植物」など、ダイナミックな生態系の仕組みを紹介する。

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