- Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
- / ISBN・EAN: 9784760110773
作品紹介・あらすじ
戦争と芸術と愛に彩られたエキサイティングな女性の生涯。
感想・レビュー・書評
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日本国憲法について記載してあるところは90ページで、残りはその前後の、日本およびアメリカの生活の話しであった。男女平等についてどのように自分が日本の中で考えて憲法に入れたかということが書かれている。それだけでなく、憲法自体がアメリカの3名の法学博士が加わって学問的な最高水準のものであったのを、日本で改憲を唱える専門家は知っているのであろうか。
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https://opac.kokushikan.ac.jp/Main/Book?book_id=TS00390166&q=12&qt=0&qp=0&qv=50&qs=sort_title&qd=0
日本の女性が幸せになるために必要なことは何か?ベアテ.シロタ.ゴードンは23歳の若さで日本国憲法GHQ草案の作成に加わり日本国憲法第24条「結婚に関する男女平等」の草案を書きました。
この本は難しい憲法の本ではなく、日本の女性や子供のために人権を求め続け実現させた彼女の日常生活が垣間見える、とても興味深く読みやすい本です。
今の日本女性の自由な生活があるのは彼女が草案を作った憲法24条のおかげ だとこの本を読んで初めて知りました。 -
太平洋戦争後に制定された日本国憲法の草案は、GHQによって作られた。その草案作成に関わった米国人女性の自伝。
少女時代を日本で過ごしたことから日本語に堪能であった彼女は、その語学の才をかわれGHQの職員として人権についての条項を任される。特に女性の権利を確立しようと奮闘した。当時、戦勝国の米国でさえ「男女平等」ではなかったが、制定された日本国憲法は先進国の最先端をいくものになった。
今、米国に押し付けられた憲法だとして改憲の声も上がっているが、あの時GHQの草案がなければ、いったいどんな憲法になっていただろう。
GHQ後は、米国で日本やアジアの文化を紹介していく仕事で活躍される。
米国と日本の両方の心を持つ彼女だからこそ、人種や性別を超えて平等を求め、異文化を尊重するのだろう。
サブタイトルに「日本国憲法を書いた女性の自伝」とあるが、「働く女性」の自伝と言った方が正しいだろう。 -
「ミライの授業」で紹介されていたつながりで図書館で借りて読了。
日本国憲法の先進的な人権条項の背後に隠された真実が描かれている。女性ならではの視点から短期間でかきあげた努力に感銘を受けたが、一方、素人同然の著者が起草したことに抵抗を感じる人も出るのだろうな、とも感じた。 -
今の憲法に「人権」が手厚く守られているのは、
ありがたいことだと思わせてくれる本。
日本人に新しい憲法を書かせたってロクなことは書かないはずだ。
特に戦争を起こした男連中には、、、
アメリカに帰ってからのベアテさんの世界を巡っての活躍は
作家の曽野綾子さんを思い出させてくれた。 -
戦後50年、私自身が15歳の時に読んで影響を受けました。著者の訃報を知り、今もう一度読みたいと思っています。
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この本の著者ベアテさん
日本国憲法草案をつくったGHQの一人で男女平等を強く主張した方でした。
当時22歳。
憲法改定後には日本やアジアの芸術の魅力をアメリカに伝えたことが書かれている。
その若さで自分の意志をしっかりと持っていて仕事に対しても凄く情熱を注ぎ、見習うべきことがたくさんあった。
そして、夫ゴードンさんも素敵な方!
これから就職や結婚、子育てが控えている私にとって
ベアテさんの生き方は凄く参考になった。
長かったし難しい文章もあったけど
読んでよかった(●´ω`●) -
押しつけられた憲法ではなく、ちゃんと理想国家を目指した憲法だったんだなあ、と嬉しくなりました
こんな女性がいたなんて、当時のアメリカでもすごいことだったのでは
サインが残ってないなんて、本当に残念 -
「押しつけられた憲法」論議のひとつの根拠となる憲法制定時の裏話を、実際に関わっていた著者の視点から眺めることができる。
GHQ民政局のメンバーとして、憲法に「女性の権利」を盛り込むべく奮闘した著者。そのときわずか22歳。
たとえ押しつけられたものであったにせよ、戦後政府が考えた非民主的な憲法よりもどれほどよかったか。
アメリカという国にどんな思惑があったにせよ、民主主義にあってどれほどの前進であったことか。
ただ結局、どれだけ立派な(あるいは、ひどい)憲法を頭に抱いたにせよ、真にデモクラシーを実現するのは、ひとりひとりの、ひとつひとつの行動でしかないのだと思う。 -
1945年12月にGHQのメンバーとして日本にやってきたベアテが、戦前まで育った日本への強い思いを胸に、女性ならではの視点で男女平等を謳うことを目指し憲法改正に取り組む話。
個人的には、たったの9日間で、日本国憲法の草案を作りあげた、GHQの徹底したマネジメント力に凄さを感じてしまう。そのトップダウンと権限移譲のバランスが絶妙で、ボトムアップを嫌い、かつ問題の先延ばしを得意とした日本軍では、すでに戦争する前から決着がついていたような気がしてならない。
半藤一利の「日本国憲法の200日」は、日本側の立場でGHQに怒られながらも、必死に憲法改正に取り組む姿を描いていて面白い。 -
タイトル通りの自伝。
立派なお嬢さん。
もうちょい自伝よりじゃないものを読みたかった。 -
1945年のクリスマスにベアテが日本に到着するところから始まる。
戦後間もない日本を日本で育ったアメリカ人(民族的にはユダヤ人)がみて、
生の言葉を今に伝えているという意味でとても面白い書き出し。
しかし「自伝」だから仕方ないのだろうけれど
タイトルから想像する内容と、実際がことなる感じがするのは否めない。
副題に「日本国憲法に~」とあるが、後半はほとんどジャパン・ソサエティの活動について書いており、憲法作成とは直接関係がない。
それぞれ内容は興味深いのに2つを一冊の本にしてしまったことに違和感がある。
2冊に分けるか、タイトルを変えるかすればすっきり来るように思うのだけど。
アメリカの憲法にすら記載されていない男女平等を盛り込んだのは、
戦前の日本を知るベアテだからこそできたことだろうとおもうけれど、
若干恩着せがましい表現がみられ、
それを見るたびに「男女平等」を書いたのが日本人でないことが悔しくなる。
もっとも当時の日本人にそれが欠けるわけがないことは十分に分かっているのだけど。
また、ジャパン・ソサエティの活動に関しては
つくづくうらやましい。
アジアを駆け巡り、さまざまな伝統芸能をニューヨークに招待していく。
良いものを見極める眼力はうらやましいし、
仕事にかける情熱はすがすがしい。
夫に夢をあきらめさせ、自分が好きなことをやる。
その姿勢は自分が女性であっても現状ではすんなり受け入れる価値観ではないけれど
それこそが彼女のパワーの源であったのかなと思う。 -
憲法制定に携わったベアテが見た、戦後日本の風景と憲法の話。女性ならではの視点で綴られた歴史の一幕。
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2005/5/15