丸山眞男と平泉澄—昭和期日本の政治主義

著者 :
  • 柏書房
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760125845

作品紹介・あらすじ

理性の民主派=丸山と、東大国史の歴史神学者=平泉。危機の時代に対峙した両者の思惟様式に論理的な共通性を見出し、戦前・戦後を貫通する日本ナショナリズムを再定位する。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに面白いものを読んだ。

    丸山真男と平泉澄を対比させたところに著者の慧眼がある。丸山真男と言えば戦後進歩主義の巨人であり、かたや平泉澄と言えば皇国史観の巨魁とされる。著者の言うように「丸山真男を読む者は平泉澄を読まず、平泉澄を読む者は丸山真男を読まない」

    しかし、この両極端に位置する巨人たちが同時代に何を考え、何をしようとしたのか。それを解き明かすのが本著である。

    個人的には平泉澄に関する部分が抜群に面白かった。


    ひとつ、平泉澄に関する記述を読んで感じたこと。

    それは、「なぜ我々は歴史を学ぶのか」「歴史を学ぶということはどういうことなのか」ということ。

    歴史を学ぶということは、知識を蓄えることではないとはよく言われるところだ。ならば、歴史上の人物の生き方足跡を辿ることが歴史を学ぶことなのか?否、それは単に歴史上の人物の生き方の知識を手に入れたに過ぎない。年表を覚えることと本質的に同じ行為だ。

    思うに、歴史を学ぶとは全人格的な営みなのだろう。

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著者プロフィール

2021年2月現在
京都産業大学法学部教授

「2021年 『ハンドブック近代日本政治思想史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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