百姓の力: 江戸時代から見える日本

著者 :
  • 柏書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760133369

作品紹介・あらすじ

日本の近世、すなわち江戸時代の村社会とはどのような社会だったのか。本書では、所有の問題を重視しつつ、小農(小百姓)・豪農(上層百姓)・村(村落共同体)・地域社会の4者に焦点を当てることで、このテーマを読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 近世の村落社会の構成について、丁寧に事実関係を重ねて記した貴重な書。学ぶ点が多く、土着の民主主義について研鑽を重ねていきたいと考える、このタイミングでこの書に出会ったことは、単なる偶然とは思えないほどありがたい。

    江戸時代を礼賛するばかりではなく、しかしながら、歴史で教えられる貶められた”封建的な”江戸時代といったステレオタイプを解き放ち、一方では、定式化の呪縛から逃れた形で課題も記す。

    入会地の扱いの多様性(第4章)、小農自立のあり方(第2章、第3章)、零細作圃制の意味・意義(第4章)、土地所有の重層性(第3章)、年貢決定過程の民主性と多様性(第5章)、村請制村(制度村)と村落共同体との違い(第6章)、領主による間接支配と訴訟多発社会(第7章)、多様・多層な村々の結合(第8章、9章)、共同性と公共性(第10章)など。

    この本で得た情報・知識を基に、岐阜県揖斐川流域の地域社会を見直してみたいと、さらなる学習意欲を興起させる書でもあった。

    土着の民主主義を考える上で、最も大切な日本社会の基層はどこにあるのか?大きなヒントを得られた。

  • 20081002
    江戸時代の百姓は搾取されてギリギリだったわけではなく
    それなりに豊かで文化を楽しんでいたようだ

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著者プロフィール

1957年生まれ、東京都出身。東京大学大学院博士課程単位取得退学、博士(文学)。一橋大学名誉教授、松戸市立博物館長。専門は日本近世村落史。著書に『近世の村と百姓』(勉誠出版、2021年)、『川と海からみた近世』(塙書房、2022年)、『藩地域論の可能性 信濃国松代藩地域の研究Ⅶ』(岩田書院、2023年)など。

「2023年 『金原明善 日本の〈偉人〉を捉えなおす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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