サイコブレイカー

  • 柏書房 (2009年7月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784760135578

感想・レビュー・書評

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  • 最後の教授によるパトリックとリュディアへの講釈があったため読後、理解できたけれど、フィツェックの張り巡らせたあらゆる仕掛けにまた、翻弄させられました。講釈、ではなく「カルテ」を読ませるという実験・…だそうで。
    理解?いえやっぱり理解はできていません。

    精神を破壊させるという犯人の意図が種明かしされると納得できましたが、その過程は怖い。
    次々と人が消えてゆく、壊れてゆく様はまさしく、サイコスリラー。
    ただ、前3作に比べてドキドキ感が無かったのは驚かされるぞぉ
    と構えすぎていたからなのでしょう。

    次、これを読む方(貸す予定あり)付箋紙ははがさないでね。

  • 「『そして誰もいなくなった』病院版」

    <マイ五ツ星>
    仕掛け:★★★★★

    <あらすじ>-ウラ表紙より
    犯行は、クリスマスイブの前夜に再開された。現場は、ベルリン郊外の精神病院。若く美しい精神科医が何者かに襲われ、サイコブレイカーの被害者に似た状態で発見されたのだ。その数週間前から、若い女性の精神だけを次々と破壊する事件が勃発、その犯人は<サイコブレイカー>と呼ばれ、住民に恐れられていた。猛吹雪で閉じ込められた職員と患者たち。彼らは団結して身を守ろうとするが、一人、また一人と姿を消していくのだった。しかし、この事件そのものが、実はある心理学実験のためのカルテに書かれた物語なのだ。必然的に実験に参加してしまう読者、最後に明かされるその本当の目的とは……仕掛け満載のノンストップ・サイコスリラー。

    <お気に入り>
    「ヤスミン、あんたの言うとおりかもしれない。でも、こんな詩を知ってる?決断を誤るとこうなる、って詩なんだけど?」
     (中略)
    「こんな詩なんだ。
     そうかしら?
     違うかしら?
     そうかしら?
     違うかしら?
     そうかしら?
     違うかしら?
     そうかしら?」
     ほんのちょっと間を置いてから、彼は言った。
    「もう遅い」

    <寸評>
    某SNSの読書友のオススメ本。

    俺としては本当に珍しい海外ミステリー。
    (ちなみに現在二千冊ぐらいの蔵書のうち、現代の海外モノは十冊ちょいだった…)
    中学時代はルパンやホームズを読破したりしたのに、いつの間にか、という感じ。
    おそらく翻訳にあれこれ思うようになったからだろう。
    英語にしろドイツ語にしろ、SVの文構造は日本語の叙述に合わない。主述がキッチリと揃った文が続いた日本語は、どうしても堅苦しくなるのだ。
    だから翻訳に際しては、訳者がしっかり内容を飲み込み、自分で一から自然な日本語小説を創るイメージで翻訳すると上手くいく(…と思う)。
    この点に優れるのが実は児童文庫である。
    細かな内容よりも、物語世界に惹き込むことを主眼に置いているからだろうか、実に読みやすい、自然な日本語である。
    …何様というか、まぁいかにも国語の先生っぽい話になったが、せっかくの機会、これからは海外文学にもどんどん手を拡げていきたい。

    さて、本題。(いや~長くなった…)
    本作は、雪で閉ざされた森の中の小さな病院で、次々に起こった連続殺人の記録(あるいは物語)を、大学の心理学ゼミの実験教材として読ませているというお話、それをさらに読者である我々が外から俯瞰しているという二重構造をとっている。
    (なんとページ数も二重に設定してある!)

    ……ということは、我々読者も実験教材を読む、すなわち実験に参加しているのだ。

    本編の実験台は今風の大学生の男女、そこに立ち会うのは一人の初老の教授。最後まで休むことなく読めば200ユーロ(3万円弱)の報酬が得られるという、一見「オイシイ」実験である。
    ところが、冒頭から陰惨な場面に出くわした大学生たちは、空恐ろしいものを感じて次々と脱落してゆく。結局残ったのは2名の男女。彼らが読み進めていく記録、それは……。

    <あらすじ>で挙げた「サイコブレイカー」なる凶悪犯が次々と若い女性を襲う。そしてそこに必ず残される、謎々を書いた一通のメモ。なぜ犯人は被害者を「殺さない」のか、犯人の意図は、謎々の目的とは?
    そして、「実験」の真の目的とは……?
    読者の我々に対する実験の結末は……?

    本作にはさらに一つの付箋が挟み込まれている。著者の遊び心である。なるほど、著者近影には、いかにもインテリな、それでいて「遊び」の解る、オトコマエなドイツ人著者の姿がある。

    翻訳もなかなかに読みやすく、「恐いけど楽しめる」作品であった。
    謎々は…著者のヒントなしには解けませんでした(笑)。

  • なんか疲れるなーというのが最初の感想。
    もちろん読み終わるとさすがのフィツェック作品で、被験者を通じてこっちまで実験対象に巻き込まれてドキドキさせられたり、ページ数がばらばらだったり凝りに凝ってる。

    ただ、どうもそこまでのめり込めなかったんだなあ。訳出もあったのかな?なぞなぞとかって文化背景とかもあるし…いや、そうでもないか…
    同じ催眠ネタだったらヨーナ・リンナの「催眠」の方が読みやすかったな。なんでだろ。何が違うのか…と思ったんだけど多分、自分のせいかも。

    ヨーナ・リンナの催眠は、あくまでも催眠が一つのきっかけなので回数にして2回程度(確か)出てきて、メインはあくまでそこ以外だったわけ。催眠という施術はまあ、ピリッと引き締める薬味みたいなもの。量は少ないけどなきゃだめ、っていうね。ところがこの作品は、理解するためには、作品内で用いられた催眠の技?施術?そのものがわからないと完全に物語がわからない作りになってる気がする。ええ、まるでモナカの皮が催眠という感じ。わかりにくい?すみません。えとね、明らかメインじゃないけどあの周りの皮がないと、全く別物になってモナカとして成立しないじゃないですか。くらい、役割が必須だったよってことなのですよ。(わからないですかね、すみませんでもこれが限界)

    少なくとも自分にはそうだった。
    だから、物語に入り込みたいのにいちいち途中、特に盛り上がる後半で立ち止まって『ちょっと待って、え、明るさが関係して?だから瞳孔開く目薬?…じゃあ暗闇で起こしちゃダメなの?チャンスは一度?』とか、変に勘ぐったり悩んだり前に戻ったりして、まったく物語に没頭できなかったんだよ…

    ああ、あたしこの読後感知ってるぞ。三体がまさにこれだったわ。わからなくて立ち止まり、そのおかげで作品を味わいきれないフラストレーション。

    ある程度能力がないと楽しめない作品って、自分を呪うしかないのかもなー。

  • これはやり過ぎ。
    めちゃくちゃでウザい感じ。完璧にホラーって感じなのかな。 下品に感じた。

  • ベルリン郊外の精神病院 
    カスパル:記憶喪失患者(本名、ニクラス・ハーバーラント)
    ソフィア:精神科医

    スピードよく読めた 
    やっぱ、S・フィツェックの訳は赤根洋子が読みやすい 
    この付録(黄色の付箋にアドが書いてる)めっちゃいいと思います! 
    でも私にはとてもじゃないがメール送る勇気ないよ~w 

  • 「治療島」と同じ作者だったので。

    この作者には治療島でだまされた(?)ので、
    今回は用心していたのか、それほど意外な展開ではなかった。

    物語を心理的実験のカルテにするという入れ子の構造は必要だったのだろうか?
    読者が参加させられてしまう、という手口にもとくに感心も、驚きもなかった。
    もともとは付箋がついていたらしいが、それは面白いかも。

  • 雪に閉じ込められた建物、しかも精神病院、残された謎の手記、もろ本格ファン好みの設定。真相の意外性はこの作者にしては、まあまあかな。謎を残したまま終わるって、最近のミステリの流行りか。

  • 難しかったけど、初めての展開の小説!

    こんな本に又巡り会いたいな!

  • 途中で断念

  • なかなか面白かった。
    付箋のアドレスにメールしたところ、ちゃんと返信があったよ。

  • 読書時間もちょうど3時間。起承転結のはっきりした米映画を見ているようだった。
    教授が学生たちにカルテをただ読ませるという実験を行う。そこには、女性の精神を破壊するサイコブレイカーなる殺人鬼の物語が。記憶喪失の患者カスパル。ある日入院先の医師ソフィアに一目ぼれするが、ソフィアもまた被害を受ける。そこへサイコブレイカーと目されるブルックがやってきてー。本当の犯人はソフィア。娘のことでカスパルを恨んでいたのだ。最後に教授=カルパルだということもわかる。

  • 映画のようなミステリー。展開もよくて、ぐんぐん引き込まれた。特に読み手に仕掛けるところなんか憎い♪(´ε` )
    実際手にしてみてワクワクする本でした。

  • 週刊誌の書評で
    かなり評判が良かったので
    借りて読みましたが

    すみません。
    私には、もうひとつでした。
    よくある話の
    よくあるオチでした。

  • 何がなんだかわからないジェットコースターのような展開のうちに、どんでん返し。そして、読者も関わる実験の秘密。トリックが可能なのか否かは、?ですが、読者を驚かすサービス精神が旺盛で楽しめます、笑えます。

  • いちばん最初に読んだフィツェック作品です。
    正直それほど面白くありませんでした。
    仕掛けが多いのはすばらしいけれど、内容がつまらなかったです。

    前作全部読み終えた今ならもっと面白く感じるかな???

  • あらゆる仕掛けが徐々に作動していく。
    読み進むうちに登場人物全員が怪しくなり、最期にはフィツェック特有の裏切り。
    次回作にも期待したい。

  • 物語が多重構造になっているのも分かったし、読者に何を求められているのかも分かったけど、ページ数表記で途中抜けていることの意味がわからない。物語もあからさまに続き読ませようとしていて食傷気味。

  • なんかよく分からんかった。

  • ネタ先行型のそのネタが面白そうなので手を出してみた。そして案の定反省する羽目になった。いい加減学習しなさい、と。この作家とはだんだん合わなくなってきている。相手のことを知ろうとすればするほど幻滅していくような。
    サイコミステリは嫌いではない。精神病院も大歓迎。ただしこの作家の場合、精神病院を舞台にすることによって、ミステリとしての定義をご都合主義に拡大しているように思えてならないのだ。人格にトラブルのあるキャラは何をしても許されるわけではないだろう。ミステリ作家として、この辺の解釈が甘いようにも思える。そこが合わない。
    サイコブレイカーの動機は説得力があるし、そんなところにループするのかといったプチ・サプライズもあり、着地はうまくまとめてあるが、ストーリーに入っていけない。縄跳びをしていていつ輪の中に入ろうかタイミングを計っているうちに終わってしまったような、そんなどうでもいい残念さが残って少しもやっとした。

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