死のドレスを花婿に

  • 柏書房 (2009年8月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784760135868

感想・レビュー・書評

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  • この着想、このテンポ!
    今話題の「その女アレックス」の作者の一作目。
    なるほど~才能あります☆

    ソフィー・デュゲは20代後半、裕福な家庭のベビーシッターをして働いていました。
    ベビーシッターをしているのが不思議なくらいの知的な美女なのですが、毎日でも何時でも担当できるため、重宝されていました。
    ところが、事件が起き、ソフィーは失踪‥?

    ソフィー自身、じつは記憶に問題があり、思わぬ間違いを起こしやすく、自分が何をしたか確信を持てない状態だった。
    それでも、必死の逃亡を続けるソフィ。
    それには長い背景の物語が‥

    もとは会社でも信頼される社員で、夫ヴァンサンと裕福な家庭を築いていた幸福な妻だったソフィ。
    母が病死、夫が思わぬ事故にあった頃から、何かがおかしくなり始めていました。
    ミスが増えたので手帖にすべてを記録しようとすると、その手帖をなくす。覚えのない万引きで捕まる。予約を間違え、その記憶もない‥次々に連鎖するかのような不運は、次第に雪崩のようにヒロインを襲います。
    記憶障がい? 人格障がい? 多重人格? 狂気に陥ったのか‥?
    思わず、引き込まれます。

    スリルはノンストップ!
    ヒロインがちょっと酷い目に遭い過ぎなのですが、肉体的にではありません。
    第2章からは、別な人物の視点からの展開。
    病んだ人物だけど、妙にさくさくと手際がよかったりして。
    さらに、その人物にもわからない出来事が‥
    新たな身元を作ろうと、ソフィが選択したのは?

    これほどの危機と不運のただなかでの、諦めない戦いぶり! そして、ささやかな救い、それは‥
    ネタばれになるので、これ以上書けませんが~
    面白かったです☆
    怖いのが大丈夫な人でないと読めないかもだけど‥
    ミステリ読みとしては収穫なので、★4.6かな。

  • 帯宣伝通り確かに「その女アレックス」の衝撃の原点だった。
    読了した人とアツク語り合いたい。

  • 大臣夫妻の6歳になる息子のベビーシッターをしている Sophie は、20代後半になって、どうしてこんな仕事をしているのかと、大臣夫人が訝しげに思うほど、美しくて、慎ましやかで、気のきく女性だった。 しかし、 Sophie は、自分で知らないうちに、不可解な行動をしてしまう、という奇妙な症状に悩んでいた。 「私は、気が狂っているの?」と、過去の忌まわしい記憶に悩まされながらも、静かな毎日を送っていた Sophie だが、ある朝、又、自分の正気を疑いたくなる出来事が起こり、彼女は、平静を失い、全てを捨てて、逃避行へ出る・・・

    「サスペンス物は、食傷気味」 と公言してはばからない私が、一気に読み尽くしてしまった、久々に巡り合った読み応えバッチリのスリラー。

    人間の心の奥に潜む異常性と邪悪さを、作品の全面に押し出した、悪意と狂気が織り成す、なかなか凝った構成になっている作品です。

    ストーリーと構成の妙を十分に楽しめる読み物なのですが、どうして楽しめたのかを書いてしまうと、読む時の楽しみが損なわれてしまうのは、良質なサスペンスの性。   ネタ割れレビューが嫌いな私には、騙されたと思って、最後まで読んでみて下さい、としか、言えないのが、とても辛い所です。

    緊張感溢れ、かつ、なめらかな読み心地の文章、『異常』な作中人物の心理に、読者をすうっと感情導入させてしてしまう、手際の良さなどと並べ、人間の心の底に潜む悪性が、前面に押し出されているのにも関わらず、読後感がそれ程悪くないのも、本書の評価したいポイントです。

    このレビューは以前ブログにアップした「Robe de marié」(http://bibliophilie.blog3.fc2.com/blog-entry-994.html)のものです。邦訳は未読。

  • 『その女アレックス』が良かったので、本作を手に取った。これも良かった。章毎にがらっと物語の印象が変わるというのは『その女アレックス』と同じ。ジェフリー・ディーヴァーが好きな人なら、この作家も好きになると思う。

  • Twitterで最近よく目にする『その女アレックス』を図書館にリクエストして待っている間、同じ著者の作品を読んでみようと思った。どんなタイプのサスペンスを書く作家なのか知っておきたかったので。

    「ソフィー」「フランツ」「フランツとソフィー」「ソフィーとフランツ」の章で構成されているこの作品の章分けは、そのまま起承転結に当てはまる。

    起に当たる「ソフィー」は、状況的に主人公ソフィーが明らかに殺人犯のようでありながら不自然な点が多く、また彼女自身が記憶喪失に似た精神状態なので、主人公もストーリーの方向性も謎だらけのまま進行する。正直、ここまではそれほどのめり込む面白さを感じてなかった。
    承の「フランツ」になると、今までソフィー視点だったのが一転。まったく別の人間フランツの視点からなる日記形式で話が進む。ただしフランツの視点の先にいるのは常にソフィー。だんだん面白くなり始める。
    転では章題どおり、フランツとソフィーという2人の人生が交わることになるが、もちろんラブコメではなくサスペンスなのでそれ相応の展開を見せ始める(笑) すでに目が離せない。幕引きが気になる。
    結で作品タイトルと章題の意味が判明。転の時点で2人の結末はおおよそ見当がつくが、あとは幕の引き方をどうするのか。そしてこの幕引きに胸がすく思いになるのか、胸にもやもやが残るのか、それとも両方かは他の人の感想を聞きたいところ。
    私は両方でした。



  • 初期の作品に触れる。残虐な描写がという感想がある中で本書は、精神的な錯綜の目白押しだ。妄想なのか現実なのか健康じゃなくて実は病んでる?と。用意周到にぬかりない恐怖は半端ない。ルメートルの作品の種子が見える気がした。

  • ありそうで怖い
    そりゃ、そーなるよね
    とんでもない話だけど
    よくぞここまでの展開に
    拍手喝采!!

  • 図書館アルバイト学生おすすめ図書 
    【所在] 3階開架
    【請求記号】 953 ||LE
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/188139

  • 驚きの連続だった。
    まさにどんでん返しをどんでん返しされるこの一言に尽きる内容。
    よくわからなかった題名も意味があったわけで。
    フランクが怖すぎるし、ソフィーの不屈の精神にはすごいものがある。
    読んでいる方が怖くなってきてしまう。
    けれど父親の必死の力に救われるといったところかな。

  • 2章からがめちゃめちゃ怖い。その女アレックスより私は好きです。

  • 第一章怖かった。そして視点が変わる第二章は更に怖かった。でもどういう結末を迎えるのか気になって最後まで読めた。読んでよかった。がんばって最後まで読みましょう。

  • 狂気についての執拗な描写に参ってしまった。
    読んでいるだけでこちらがおかしくなりそう。
    ラストはアレックスよりずっと救いがあるものの、今作主人公ソフィーの人生だってどうしようもなく壊れたままで終わる。
    ソフィーが並外れた強さを持っていたからこそのラストで、今後どのようにソフィーが人生を取り戻していくのか、凡人である私には想像がつかないので辛いラストであることには変わりない。
    救いとは何なのかを考えさせられる作品を書く作者だと思う。
    ソフィーのお父さんが一服の清涼剤。
    ファザコンにはちょっと堪らないです。

  • 第1部ではソフィーの混沌とした精神世界がもたらす害悪が巻き散らかされるが、第2部は一転して執拗な粘着質の悪意が読み手を翻弄します。
    この作者の作品は4作目ですが、毎回趣向の異なる構成に、ひたすら感心するばかり。
    ただ、突っ込みを入れさせてもらうなら、鍵の入ったハンドバッグを盗まれた時点で、合鍵を作られたかもしれないと考えそうなものでしょう。理不尽な現象が続くのなら、部屋に監視カメラのひとつくらい仕掛けようよ。
    まあそれはともかく、上質なミステリーを堪能できました。

  • 「その女アレックス」が非常に良かったので、ピエール・ルメートル作品を全部読みたくなりました。
    タイトルの意味は最期の最期に分かります。

    本当に怖いサイコサスペンスです。ハラハラドキドキします。
    ルメートルはどんでん返し?が特徴とどこかに書いてありましたが、本当に絶妙だなと思いました。

    残酷な描写は「その女アレックス」ほどではありませんが、心理的に怖いです!

    「悲しみのイレーヌ」、「天国でまた会おう」も絶対読もうと思います。楽しみです。

  • わかりやすい起承転結が斬新な四部構成。各章ごとに違ったストーリーを読んでいる気になる。キャラクターに対する印象も変化し、中盤以降は一気に疾走した感じ。ベースは 『その女アレックス』と同じだが、歪み度合いではこちらの方が勝るかな。サイコのあらまし、サイコの行為、そしてサイコへの対応が、風変りな愛情のもとに描かれる。

    途中ほのかなバカミスの香りも漂うのだが、この男女のシチュエーションが壮絶なので、力強い吸引力で吸い込まれてしまった。『その女アレックス』は本作品の変調バージョンになるのかな。本作品の方が好みです。第三章のイケイケな雰囲気はとにかく面白かった。

    なんかいいです、この作者。今年はアレックスの一年だったし、来年以降、怒涛の刊行を期待します。にしても、この邦題はヤバくないのかなー。

  • 「その女、アレックス」は、被害の描写が長くて読むのが辛かったけど、これはまだ少しマシ。
    「すべてがFになる」といい、ウェディングドレスって、場違いなところで見ると禍々しく思えるのは何でなんやろ。この作品のシーンを想像するとぞっとする。逃亡とか都合が良いと思う点もあったけど、第四部がハラハラして楽しめた。

  • オススメしていただいた本!!

    行き過ぎたストーカー対、被害者の攻防。

    すごいです。

    本当。どんでん返しをどんでん返されます。

    ラストはどう考えても被害者女性も頭がおかしくなってしまったのでは?と思うほど。ましてや読み進めるのが困難なくらい責めます。精神的にやられます。入り込めば入り込むほどにやられます。

    そんな一冊!!!!!ドキドキしたい人にオススメ!!!!!

  • 「その女アレックス」と同じ著者の作品だったので。

    原題は「ウェディングドレス」のような意味みたいだが、
    「死のドレスを花婿に」という題の方が良い。
    花嫁、ではなくて、花婿というところがポイント。

    「その女アレックス」を先に読んでいて著者の手口がわかっていたので、
    主人公ソフィーの記憶や気分が不安定になっていく過程が、
    仕掛けられたものであることは途中で気がついたが、
    失職、田舎での生活の失敗、夫の死とあまりにひどくて読むのがつらくなった。
    打算で結婚しうまく行くわけがないと思っていたら、
    案の定、心も体もむしばまれていく。

    その状況を、
    ソフィーが偶然見つけた以前に盗まれた自分の写真をきっかけに、
    ひっくり返す手際がすごい。
    しかも、ソフィーの父親が独断でした謀が手を貸していたとは。

    正直、「この女アレックス」より面白かった。

  • サスペンスを読み慣れていると、ヒロインのおかれた環境と言うか事件の真相はある程度読める。そのため、濃厚な心理描写とモノローグが大半の1,2章は若干退屈。しかし3,4章と話が急展開していくと俄然面白くなる。
    ちょっと残酷な描写や、ヒロインの行動には納得の出来ない部分はあるものの、あくまでも強いキャラクターは「アレックス」を彷彿とさせる。
    この作者はセバスチャン・フィツェックと通じるような所がありサイコ的な話の展開は意表を突いていて、物語にグイグイ引き込まれる。

  • 「いかにターゲットを狂わせるか」
    という心理サスペンス。
    ううむ、おとーちゃんカッコイイ。

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