原発事故20年: チェルノブイリの現在

  • 柏書房
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760140473

作品紹介・あらすじ

四半世紀前のウクライナで起きた核の大惨事。立入り禁止区域に生きる人びとの姿が暗示するフクシマの未来。

感想・レビュー・書評

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  • 著者は、普段は歯科医として働いているという イタリア人カメラマン、ピエルパオロ・ミッティカ。
    タイトルの通りチェルノブイリ原発事故から20年後のチェルノブイリの姿をとらえた写真集。
    著者も前書きでふれているように、このチェルノブイリの今の姿が、フクシマの未来の姿、そして、このままの原発推進政策を続けたさきにあるこの世界の未来の姿と重なってみえてしまう。
    巻末には歴史家ナオミ・ローゼンバウム、生物学博士ロザリー・バーテル、ドキュメンタリージャーナリスト ウラジミール・チェルトコフによる寄稿が収められていて、チェルノブイリ事故が人々にもたらした被害の状況や、これまでの世界の、国連を中心とした、原発政策、事故対応について知ることができる。
    ぜひ、多くの人々に手に取ってほしい一冊。

  • 建物の被害が、東北の被災地でみた光景に重なる。地震・津波に破壊された町と時間に破壊された町。ただ、違うのは写真にでてくる子供たちは、放射能とは特定されない原因によって病んでいて、障害をもっている。
    巻末につけられた、多くの科学者からの告発文。原発を誘致し、再稼動を国策とし目先の利益のみを最優先に考えるあなたに、読んで欲しいと思った。

  • チェルノブイリというと郊外風なまばらな家々に残された遺物、広大な牧草地のような跡に野生化した動物達...というイメージばかり見せられていた気がする。ネットのサイトやNHKでもそういう場面が多かったように思う。だから結構な都会の廃墟群にはすごく寂寞とした感傷を抱く。
    3月11日以降、膨大な情報量に触れ、一度テレビの情報をシャットアウトして改めて原発がもたらすものに触れてみると、頭がクリアーになった。各種放射物質の消滅には大体300年、どうして発症するのかというと体が類似物質を取り込むから。
    子供達の状況がすさまじい。これから同年代が産む子供たちに不安を感じていたけれど、本当に大変なのは甥世代の子供たちなのかも。チェルノブイリの事故が起こったのは私が1歳の時だけれど、始まりはこれからなのだという言葉はすごく身に迫って感じた。
    そして、人生のすべてがある土地を離れられないというお年寄りの気持ちも分かる。いざとなればどこにでも行けると思いながらも、今全てを捨ててろくな保証もなく逃げられるかというと微妙だ。現にホットスポットだといわれても逃げていない。
    建設や解体、放射物質の処理を考えれば他のモノの10倍もコストがかかる原発をなぜ各国政府が作るかというと、いざという時の核に使えるからという心底人の命を無視した理由...それが本当の理由かどうかはわからないけれど、これが核武装の結果だとしてまったく制御できてない、次のチェルノブイリが起こるまで待つのかと彼らが言ったように、たぶん次の福島が起こるのを待ってるんだろう。
    チェルノブイリ型の原発がロシアにはまだ11基もあるらしいし。
    何度も実験し、いつか制御できると思ってるかのようだ。
    ホルマリン漬けの写真が結構衝撃。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。

    通常の配架場所は、2階 請求記号748//Mi66

  • 写真とルポからチェルノブイリを知ろうと思う

  • チェルノブイリ原発事故(1986年@旧ソ連、現ウクライナ)による放射性物質の被害が今も続いていることを多くの写真を用いて訴える一冊。これほどの事故があった後も、スリーマイル、フクシマと原発事故が何度も起きていることを考えると、人間は歴史から何も学んでいないんじゃないかと思ってしまう。

    (本書より抜粋)
    チェルノブイリは証明した――地球が、核の事故が起きるにはあまりにも小さい惑星だということを。

    チェルノブイリは過去ではない

    チェルノブイリは歴史ではない

    チェルノブイリは始まりである

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