そいつを黙らせろ―プーチンの極秘指令

制作 : Masha Gessen  松宮 克昌 
  • 柏書房
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本棚登録 : 34
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760142828

作品紹介・あらすじ

自らの過去を知る同僚や恩人を次々に葬り去ってきた無表情の男は、いかにして大統領に成り上がったか?素顔を間近で取材してきた女性ジャーナリストが命懸けで綴ったノンフィクション!

感想・レビュー・書評

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  • 少年はスパイになりたかった。サンクトペテルブルグで過ごした日々、
    ワルだった少年は憧れのKGBに入る為、武道を身に付け、大学を
    目指した。

    ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン。ロシアの大統領は
    念願叶ってKGBに入省する。

    しかし、派遣されたのは敵対国ではなく同盟国の東ドイツ。そこで
    西側の情報を収集するのが彼の仕事。「情報収集」と言えば聞こえ
    がいいが、新聞の切り抜きだもんなぁ。あのプーチン閣下が。

    そして、赴任中に東西ドイツに統一の波が襲い、帰国した祖国では
    ゴルバチョフが国を変えようとしていた。

    スパイとしては冴えない男だったプーチンが、いかにして大統領の
    地位にまで登り詰めたのか。その陰で何が行われていたのかを
    追ったのが本書である。

    いやぁ、スターリンばりの粛清の嵐である。プーチン政権が誕生
    してから彼に批判的なジャーナリストが次々と命を落としている
    のは有名な話だが、サンクトペテルブルグ時代の人間関係も
    粛清の対象になっている。

    先般、亡命先のイギリスで急死したベレゾフスキーだって、最初は
    敵対するどころか盟友だったんだよね。サンクトペテルブルグの
    市長だったサプチャクに引き合わせたのもベレゾフスキーだし。

    そのサプチャクも心臓発作で急死しているのだが、この人にも
    毒殺の噂があるそうだ。実際、サプチャクの寝室の電灯の笠
    から毒物、しかもKGBが使用していたのと同種の毒物が検出
    されている。

    社会主義国家・ソ連はとっくに崩壊しかけれど、今のロシアは
    プーチンという個人に忠誠を誓わなくてはいけない国になって
    いる。そして、閣下の手法は既にその存在はKGBがやって
    来たことと同じなのだ。

    怖いなぁ、もう。プーチン閣下、サンクトペテルブルグ時代の
    ことを暴かれるとかなり危なそうだ。この人、権力の座を離れ
    たら、訴追されるんじゃないか。エリツィン時代の混乱に乗じて、
    私腹を肥やしたオリガルヒ(新興財閥)と、やっていることは
    変わりないもの。

    敵対者を次々と追い詰め、亡命せざるを得なくして来た閣下、
    彼自身が亡命しなきゃいけない時が来るのかもしれない。

    もうちょっと翻訳がこなれていたら読み易かったんだけどなぁ。

  • ”若さゆえに、そのように信じるほど世間知らずにならねばならなかったわけではなかった。”
    悪夢のような訳文に悩まされながらやっと読了。何度も「あのマーシャ・ガッセンだよね?あの本は青木薫のおかげなのか?」と考えてしまうほどに。
    しかし内容は超一級。あの百獣の王プーチンは意図的に演出されたイメージ映像でしかなく、本質はもっと悲惨で恐ろしい。日本で笑って消費してはいけないと思わされた。
    そして、このような恐ろしい本を訳した松宮克昌氏の勇気に感謝。(あとがきを読むと本人がそもそも悪文の人であることが分かる)

  • 良い子にしていないと、おっかないプーチンお化けが出るわよ!これには笑いました。日本の首相じゃこうは行かない。それにしても恐ろしいことになっていますね。でもこの本は冗長過ぎだし、てにをはも怪しくてとっても難儀しました。面白い材料を扱っている本なのに、残念です。

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