ヴェルヌの『八十日間世界一周』に挑む―4万5千キロを競ったふたりの女性記者

制作 : Matthew Goodman  金原 瑞人  井上 里 
  • 柏書房
3.88
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本棚登録 : 109
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (605ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760142989

作品紹介・あらすじ

ネリー・ブライと、エリザベス・ビズランド。19世紀、ジュール・ヴェルヌの小説を現実のものにした記者がいた。近代技術の黎明期、蒸気船、蒸気機関車を乗り継いで、世界を巡ったジャーナリストの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 連続ドラマにすれば面白そう

  • 読んでいて途中ちょっとダレるところもあったんだけど、いろんな意味で対照的な二人の旅(その後も含めて)は面白かった。514pのアメリカ人の海外旅行ぶりがなんか笑えた。こういう旅行者って当時のアメリカ人に限らず今だっているよなあ、絶対。

  • ネリー・ブライの、日本編はどこへいったの…

  • 二人の女性記者の旅路だけでなく、当時の女性の社会進出具合や鉄道の状況、富裕層と貧困層、そういう十九世紀末の世相も解説されていて面白かった。そして、世界一周旅行を終えた後の二人の人生。何が良いのか悪いのか分からないのが人生というものなのだろう。

  • ベルヌの「八十日間世界一周」が発表されたのが1872年。そして1889年の末に米国人記者が小説に書かれた80日をどれだけ短縮できるかに挑戦した。挑戦したのは2人の女性記者、しかも同日ニューヨークを出発し一人は東回り一人は西回りのコースをとった。

    船と汽車で通過した各地でのできごとはベルヌの小説に比べると地味で(パスパルトゥーも居ないし当然だけど)それほど面白くないが(フランスのヴェルヌ邸を訪問しヴェルヌ夫妻と会見するところは興味深かったが)、女性ジャーナリストのはしりとも言える2人の生い立ちや、当時の女性の社会的地位や当時のジャーナリズムの在り方、それらを含む世相がとても面白い。わずか100年ほど前のことに過ぎないが、現在とは途方もなく異なっている。

    そしてなによりも面白いのは、世界一周を終えてからの2人が歩んだ人生だ。

  • 『十五少年漂流記』は読んだ。『海底2万マイル』も読んだ。でも、『八十日間世界一周』は読んでいない!!というか、存在を知らなかった。さらに、実践しようとした人がいたことも初耳。なんてことだ!!そんなことを19世紀に、しかも、女性がやってのけたことに感動する。ぜひ、読んでください。

  • 「八十日間世界一周」が出版された1873年から16年後の1889年に、実際に世界一周に挑戦した二人の女性記者を描くノンフィクション。勝者はネリーブライ、記録は72日と6時間。
    同日に東回りと西回りで別々の女性記者が出発して、世界一周達成を競っていた。当時大変な話題になったという、マスコミの煽り方、反応が面白い。
    500頁もある大著で、新聞記者になるまでの記述が長すぎる感じもするが、退屈はしなかった。
    100年前は船も鉄道も全く蒸気機関であり、旅の時間はゆったりと流れていく。立ち寄った先々の描写も楽しい。日本も何頁か費やされているがもっと読みたい気持ちにさせる。
    世界一周で終わりではなく、その後の人生まで描かれている。
    勝者であるネリー・ブライは大変な名声を得たが、それに振り回されている感が有る。大富豪(40歳年上!)と結婚したが10年で死別。エリザベスは、敗者でもあり振り回されることは無かったが、やはり夫とは死別、二人とも余り幸せではない余生を送っている。
    飛行機の登場以降、世界は劇的に小さくなり世界一周する事の意味は失われてしまった。この二人の偉業を覚えている人も殆どいない。(らしい)
    ジュールヴェルヌの空想の産物である「80日間世界一周」と競う。(作品中にジュールヴェルヌ本人が出てくる!)いかにもアメリカ的な発想、それを実現させてしまうのが女性二人と言うのがアメリカらしい。
    面白い読み物でした。

  • 「八十日間世界一周」は面白く読んだものだが、同書が出版された1873年から16年後の1889年に、実際に最速の世界一周に挑戦した女性記者がいて72日と6時間あまりで達成していたことは知らなかった。しかも、同日に東回りと西回りで別々の女性記者が出発して、最速の世界一周達成を競っていたとは。
    本書は、その女性記者である、ワールド紙のネリー・ブライとコスモポリタン誌のエリザベス・ビズランドのそれぞれの生い立ち、世界一周、そしてその後を丹念に記している。500ページあまりの大著で、生まれ育ちの紹介などが長すぎる感じもあるが、2人の人生の共通点と相違点をしっかり表すという意図があったのだろう。また、今から100年あまり前のアメリカで、女性の社会的地位が極めて低かったという事実にも多くの紙数が費やされている。さらに、ピューリッツァー賞でおなじみのジョセフ・ピューリッツァーやラフカディ・オハーンまで出てきて、意外性もたっぷりある。その意味で、世界一周の記録以外にも見どころがいっぱいある。
    2人の挑戦者は、世界一周の中で日本にも立ち寄っており、2人ともかなり日本を気に入ったらしい。ただ、本書では、ビズランドの日本滞在は詳しく書かれているが、ネリー・ブライの方はほとんど触れられていないのは残念だ。
    世界一周の勝者であるネリー・ブライは大変な名声を得たが、その後の人生にはあまり恵まれなった。敗者であるビズランドは、その後に幸福な結婚とあまり幸福でない老後を送った。人生、何をもって成功と言えるのか、ということまで考えさせられる一冊だった。

  • カッコイイ!

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    「『八十日間世界一周』
    ――この名作に描かれた旅を実際にやり遂げられるか?
    1889年、ふたりの女性が同時に挑戦した!

    ネリー・ブライとエリザベス・ビズランドというふたりのジャーナリスト。それぞれ「ワールド」紙、「メトロポリタン」誌の編集に携わりながら、世界にネットワークを広げ始めた交通機関を使って、世界を一周する速さを競うことに。ブライは東回り、ビズランドは西回り、はたしてどちらが先にニューヨークに戻ってくるのか、そもそも女性の一人旅は成功するのだろうか? アメリカ中がその話題で持ちきりになった事件を追った、ノンフィクション。解説=石橋正孝」

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