あなたのツレはADHDなんです

  • 柏書房 (2016年4月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784760147083

感想・レビュー・書評

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  • とにかく、夫や妻がADHDである方は必読です。

    私の主人がADHDです。
    大人のADHDの本は大体が「ADHDとはなにか」「ADHDのノート術」など、ADHDの患者本人に向けた本ばかりで「家族」に向けた本がなく、苛立っていました。

    「いくら私が病気について理解したって、本人が治療しようという意思がないなら意味ないじゃないか」と投げやりになりつつも、どこかにすがるしかできず、本書を手に取りました。

    素晴らしいです。
    まさに私の心情を書き表している!

    ADHDの立場に立つでもなく、非ADHDの立場に立つでもない、中立な立場からの助言です。

    ADHDはこんな感じで頑張っているが、非ADHDからするとだらしないと捉えられる。

    「言い訳学の博士号と、謝罪学の博士号を取得した。」には笑ってしまいました。

    まさに私の主人がそうだからです!


    日頃ADHDの夫に悩まされてストレスを感じている妻からすると、ちょっとのことでも「またか」と思い、つい外でもイライラし、「きみの奥さんはどうしてイライラしているんだい?」と、悪いのは妻だと周りも見られることが、さらに妻をイライラさせる。

    自分が傷ついたことには敏感だけれど、相手が傷ついていることには全く気づかない。

    病院でADHDの疑いがある事柄を先生に露呈し、診察室を出たあとで主人が私に言った言葉は「細かいんだよ。先生も苦笑いしてたじゃん」。
    私からすれば、それだけストレスを感じさせられている。どうにか治療して欲しい。という思いから先生に露呈したにも関わらず、主人は「私が感じているADHDによるストレス」よりも、「自分がそれだけ出来損ないだと露呈された」ことに焦点がいっているのです!


    また、「学習する会話」で、ジェニーがマイクの言葉に傷ついてるやりとりは、まさに私と主人のやりとりでした!

    私:あなたの言葉で傷ついているの
    主人:きみは冗談も通じないのか?
    私:あなたが冗談であっても私が冗談と受けていないのなら冗談にはならない!
    主人:きみを傷つけたと気付いて、咄嗟に「ごまかし」で冗談だと言ってしまうんだ


    今までADHDの夫をどうにか「変えよう」と頑張ってきました。
    でも、「変えよう」とする努力は意味がないとわかりました。

    主人も正しいし、私も正しい。
    変わるには「自分が間違っている」という感覚に陥り、変わることが難しい。
    責任の押しつけ合いをするのではなく、お互いがどうしたら気持ちよく過ごせる環境を築き上げていくか。

    たくさんのヒントが書かれてします。

    いろんな本を読んできました。
    脳による癖だとか、遺伝するだとか、わかってるのにできない。

    ADHDの患者が読めばそうそう。とわかるだろう内容ではありますが、非ADHDの妻からすると「だからなんだよ!!!」「どうすればいんだよ!!!」と、憤りを感じる本ばかりでした。

    この本はADHDの夫を持つ非ADHDの妻が書いたものです。
    だから、非ADHDの気持ちが書かれていて「そうそう!!!」と嬉しくなります。
    嬉しくなるから「こうすればいいのね!」と前向きになれます。

  • パートナーがADHD、あるいは本人がADHDの場合も、読む価値ありな一冊だと思います。
    我が家の場合、夫がアスペルガー症候群、あるいは回避型愛着スタイルの疑いがあり(診断はまだこれから受けるところ)、そういった中で色々と調べているうちに、私自身がもしかしてADHDかも?という不安が。
    私も診断が下っているわけではないですが、夫婦の仲はうまくいっていないので、本書に書かれていることは参考になりました。
    とはいえ、本書の勧める提案を実践するとなると難しそうです。
    本を読むだけではく、信頼できるカウンセラーなどの第三者の手助けは必要だろうなとも思いました。

  • 借りたもの。
    ADHDの夫を持つ著者が、家族が機能不全に陥り、そこからADHDの正しい知識と理解と共感を通して、過去を乗り越えることで好転し、幸せに暮らすためのノウハウを提示。
    真行結子『私の夫は発達障害?』( https://booklog.jp/item/1/4799109294 )、ナカモトフウフ『ADHDの旦那って意外と面白いんよ』( https://booklog.jp/item/1/406526846X )とも併読。

    前述『私の夫は発達障害?』が夫婦間の距離を取ること(家庭内別居、別居、離婚)を推奨するのに対し、こちらは再構築の方法に重点を置いている。

    ADHDとは何か、の解説から始まり、並存する他の疾患の可能性も紹介。ADHDの人は他者への共感能力が乏しい。衝動性コントロールの欠如、時間帯が「今か」「今でないか」の二択しかない。時間の感覚が無いために計画を立てることが苦手。

    こうしたADHDの特性から、非ADHDである側からそれを正そうとするとガミガミ言う「親―子」のような関係(ダイナミクス/力学)になってしまう。
    これを避けるためには、やはり医療機関の助けを得て治療による改善(認知行動療法、コーチング)が必要……(うまく医療と結び付けられれば良いのだが)

    掲載されているケースは、どんどん悪い方向に…
    それもそのはず。ここでは言及されていないがADHDの他責傾向が発動し、非ADHDはカサンドラ症候群状態に。

    ではどうしたら良いか?第2部において夫婦関係再建のための六つのステップが紹介されている。

    ステップ1:夫や妻への共感を育む
    エクササイズ:パートナーのADHDについての手紙を書く。(ADHDのパートナーの立場から、非ADHDのパートナーの立場から)(p.133)

    ステップ2:障害となる感情に取り組む
    (一種のアンガーマネジメント、認知行動療法か?)

    ステップ3:夫婦ふたりで治療を受ける
    三本脚の椅子
    「一本目の脚」(p.197)
    投薬、有酸素運動、魚脂、ニューロフィードバック、脳訓練、ILS(脳の機能を改善する多感覚を使うプログラム)
    「二本目の脚」(p.198)
    手荷物リストのひな型をつくって印刷し、どんな旅行でも荷造りの時に使えるようにしておく。
    アラームやメモなど、形になって残るリマインダーを作り出す。
    レコーダーを持ち歩き、アイデアややるべきことが浮かんだらすぐに口で言って録音する。一日の最後にそれをリストに移す。
    言えの清掃業者を雇う。「専門家」を雇うことでADHDの収納下手の埋め合わせをする。

    「三本目の脚」(p.199)
    時間を決めて週に一度、家事の整理や割り当て、追跡調査を一緒にやる。
    言葉によるサイン。
    いっしょに過ごす時間をスケジュールに組み込む。

    ステップ4:コミュニケーションを改善する
    「結婚」よりも「関係」の法を考える。
    恥と不安を知る。

    ステップ5:境界域を定め、自分自身の心を見つける

    ステップ6:もう一度ロマンスの火を点し、人生を楽しむ

    巻末にはワークシートと各種ツール。
    …結局、非ADHD側が努力するのね……

  • 現在お付き合いを始めて3ヶ月ほどの彼氏がADHDを持っており、パートナーとしての視点から彼をより理解し、より良い関係性を築いてゆくヒントを少しでも得たいと思い読みました。

    筆者は非ADHDの立場から、主にADHD持ちさんの夫さんとの経験(+筆者が夫との関係に悩み、その後スタートした研究から得たこと)が軸に述べられています。

    図書館のADHD関連の医学書コーナーでなにか彼を知れるきっかけになりそうなものあるかなぁと本を探していたところ「ADHDを持った子供に対する親としての接し方」みたいなものが多かったのですが、こちらはより実体験や日常、そして研究など多くからの視点や立場が柔軟に取り込まれていてどの角度から読んでも馴染みやすい(ピンとくる場面や、そういうことなのか〜といった感想をもちやすいのでは)と思います。逆に言えば自分の状況とは異なる状況への想像力が深まり、様々な視点や状況からの思考も深まると思いました。

    (ちなみに、この本はアメリカ出身の方の本を日本語に翻訳して書かれたものだとおもうのですが、私のパートナーはアメリカ人であるため、筆者と彼氏が共有しているパートナーシップにおけるカルチャーみたいなものを感じる箇所があり、そういった面でも勉強になりました。)

    当事者の方、非当事者の方、×恋愛関係で何かヒントや知識話や得たい方、ぜひご一読ください。

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著者プロフィール

松本剛史(まつもと・つよし)
1959年、和歌山県生まれ。翻訳家。東京大学文学部社会学科卒。チャイナ・ミエヴィル『オクトーバー』(筑摩書房)、ハンナ・ティンティ『父を撃った12の銃弾』(文藝春秋)など訳書多数。

「2022年 『パンデミック監視社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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