「招待所」という名の収容所: 北朝鮮による拉致の真実

  • 柏書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760148868

感想・レビュー・書評

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  • 2017年出版。
    本書はアメリカ人の教授が国内の読者に向けて書いた本。そのため、拉致問題に関して日本で出版されている本に目を通していれば、目新しい情報はさほどない。せっかく拉致被害者たちにもインタビューをおこなっているので、そこに重点を置けば・・・と思わなくもないが、拉致問題についての知識がないアメリカ人に説明するための本であることを考えれば仕方がないともいえる。
     
    個人的には、外国人から見た「拉致問題」がどのように捉えられているか、ということがわかるのが成果だった。

    本書は、拉致問題についての内容というよりは、拉致問題がどのように民族主義やナショナリズムと結びついて報じられてきたのかということや、「被害者」としての日本人の認識など、日本人による拉致問題関連本ではまず見られない切り口が新鮮である。

  • ニューヨーク大学の教授がアメリカ人向けに書かれた本。当事者でないアメリカ人が書いた本であるから、距離感を持って拉致について書かれている。モースの貝塚や日韓併合、帰国事業などの歴史的視点から拉致に関わる人々のインタビュー、日朝首脳会談など多角的に拉致問題が書かれている。拉致問題を知るには良い書である。

  • 最初の拉致から40年、被害者5人の返還から15年・・・。そこには、鉄条網と監視員に囲まれた「招待所」と呼ばれる地区があった。いったい、日本人拉致事件とは何だったのか?その全貌を世界に知らしめた、渾身のノンフィクション。
    拉致被害者が帰国した当時、私は10歳でした。世界情勢にも疎く知識もありませんでしたが、それでも子供ながらに大変な出来事が起こっているんだなと感じた記憶があります。北朝鮮という国に対しての恐怖も。あれから拉致事件の真相を求める声は徐々に弱くなっている日本。筆者が問いかけるように、喪失感を和らげるため、政府はこの問題に関してもっと全力で取り組んでほしいと感じる。よど号グループなど、情報を集める手段が残っているうちに。

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