パリのすてきなおじさん

著者 :
制作 : 広岡 裕児 
  • 柏書房
3.91
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  • 本棚登録 :180
  • レビュー :16
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760149117

作品紹介・あらすじ

難民問題、テロ事件、差別の歴史…。世界は混沌としていて、人生はほろ苦い。だけどパリのおじさんは、今日も空を見上げる。軽くて、深くて、愛おしい、おじさんインタビュー&スケッチ集!

感想・レビュー・書評

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  • 著者の金井真紀(1974年~)は作家・イラストレーター。
    本書は、パリ在住40年のフリージャーナリスト広岡裕児(1954年~)と組んで、二人の共通の商売道具である好奇心と、金井氏の選おじさん眼と、広岡氏が自在に操るフランス語の3つを武器に、パリの街を2週間歩き回り、捉まえた67人のおじさんを“陳列”したものである。それぞれのおじさんについて、話に加えて、著者の描いたすてきな似顔絵が添えられている。
    67人のおじさんは、ルーツ・民族・宗教・職業・年齢・・・実にバラエティに富んでいる。カリブ海諸国からの移民を両親に持つ絵描き(50歳)、世界中を旅するスペイン人のギター作り職人(76歳)、チュニジア移民二世の老舗クスクス屋の店主(50歳)、休日にサッカーに興じるアルジェリア移民二世のベルベル人(45歳)、人気サッカーチームのパリ・サンジェルマンのファンが集まるバーの店主(53歳)、毎日競馬場に通う引退したアルジェリア移民(92歳)、西アフリカ・マリからの出稼ぎのスーツが似合うコンシェルジュ(56歳)、フランス系ユダヤ人とチュニジア系ユダヤ人を両親に持つチュニジア生まれのお菓子屋(72歳)、中国浙江省生まれの小さな出版社を経営する中国人(50歳)、ホロコーストで両親と3人の弟妹をなくしたポーランド系フランス人(87歳)、在仏クルド人自治区領事館に勤めるイラクから逃げてきたクルド人(29歳)、キュリー研究所で長年ガンの研究をしてきたベトナム人(76歳)、等々。
    私は知命を過ぎた、まさに著者のメインターゲットとなるおじさんで、「“すてきなおじさん”になるためのヒントが得られるといいな~」くらいの気持ちで本書を手に取ったのだが、登場するのは期待に違わぬ味のあるおじさんばかりであった。
    しかし、それにも増して印象に残ったのは、たった2週間の滞在でこれほど多彩なおじさんに出会う、パリという街の奥深さであった。パリはやはり、様々な歴史・地理的要因を背景にした人種のるつぼであり、ある意味、世界の縮図なのだ。(東京で同じことをやろうとしても絶対にできない)
    すてきなおじさん達の話を聞きながら、世界の多様性を感じることができる良書である。
    (2018年2月了)

  • パリ在住の素敵なおじさんたちをインタビュー。パリといえばまずは華やかなイメージを思い浮かべるけれど、歴史、難民、テロ、華やかでない面もあり、インタビューされた方の心に影を落としていた。それをうまく引き出して書いている。素敵な絵とともに、目の前で話を聞いているようで、時にはああたたかく、時にはじんわり、時には寂しさが伝わってくる。移民の国でもあり、おじさんたちは、宗教もバラバラで、インタビューされたのはごくごく一握りの人だけれど、一人一人がパリを作っているんだなあと。ユダヤ人のお話しなど、歴史を語るところもあり、一面ではあるが、ガイド本とは違うパリを知れる本ではないかな。また、哲学的なセリフもあるので、心がブルーな時に読んでも。それにしても素敵なおじさん集めてきたね。

  • いいね!
    今の生きたパリに住んでいる個性的なおじさん達を取材してその生き方なんかをイラスト入れで書いているんだけれどその短いタイトルがおじさんの人生を表していてグッときます。//イラストもいいです!
    ちょっと泣ける話もあったりして、なんかすごい本です。
    今のパリって感じ。旅行じゃなくて住んでるパリって感じで凄いよかった!

    テレビで見た一万円選書を行ってる「いわた書店」の番組を見てそのテレビの画面に映っていたのがこの本...こんな本を選ぶなんて素敵だ!ってことで「いわた書店」のサイトです
    http://iwatasyoten.my.coocan.jp/index.html

  • 何か流行っているしパリに行ったから読んでみるか、と手に取り、うーん薄味…もっと一人一人にページを割いてほしい…などと思っていたら!これすごくよくないですか。楽しみのためだけに本を読むわたしのような読者に、パリー世界における数世代のひとびとの生の悲喜こもごもを、そっととりだして見せてくれる。知りたい人だけではなくて、知らなかった人・知りたくなかった人に、そこにあるいろいろの光と影の存在を気づかせてくれる。ヘタウマぽいイラストのおかげで油断していたけれど、絶妙なバランスで作られていて感服しました。よいです。

  • 『パリのすてきなおじさん』(著:金井真紀/広岡裕児)

    今年に入って読了した本がたまってる・・・

    付箋部分を抜粋します

    ・「ぼくの商売道具は好奇心」(P2)

    ・人生には予想外のことが起きる。そして限りがある。だからこそ、本質的なことだけに目を向けるべきだ。
     考え過ぎず、シンプルに(P19)

    ・自分の仕事を批判する人がいない職場はつまらない。同じことを繰り返していても技量は下がっていくだけ(P52)

    ・人生を学んでいるあいだに手遅れになる。だから大事なことを後回しにしてはいけない。人生とはそういうものなんだと
     思います(P67)

    ・どこの国に行っても、たとえことばが通じなくても、気持ちよくはたらいている人というのは、すぐにわかるものだ(P152)

    ・さびしさと自由は表裏一体だ(P157)

    ・「細かいことにくよくよしなくなった。いまを生きるしかないと思えるようになった」(P227)

    ・「人生で大切なことはなんですか」
     「いま、このときを味わうこと」(P235)

    ・ええい、ままよ。人生は短い。準備が整ってからやりますなんて言ってたら、何もできなくなる(P248)

  • おじさん大好きの著者がパリで出会ったおじさんにインタビューして、イラストを添えて、といった感じの本。
    人間味が出てこそ、すてきなおじさんと思ってもらえるのかも知れない。

  • 絵は上手だが、文章はなんだか浅はかな感じがして面白くなかった。見返してみると絵も同じ顔にみえてきてしまった。残念な内容だと思う。イディッシュの短編読んだあとに読んだので今をいきるおじさんの部分はいい話も書かれていたけれど、この流れで取り扱ってほしくないような気がした。

  • 友人の紹介で読んだが、1つ1つの話がテンポがよく非常に読みやすい。
    フランス在住のおじさん、広岡さんの視点やコラムもいい。
    そして絵もすてき。

    そしておじさん毎の章のタイトルが、そのおじさんの言いたいことを物語っている。
    それぞれの生きたあかし、人生を語っている。

    もう15年以上、パリには行ってないけど、ただ、ここまでフランスに人種が入り混じっているのは正直驚いた。

    フランスの複雑な社会構造も勉強になった。
    繰り返し読む本になりそう。

    広岡さんみたいなパートナーがいないと難しいかもだけど、同じ移民大国イギリスやアメリカでもやってほしい。
    あと、ネイティブ・アメリカンやアボリジニの話なんかも。

  • カフェのオーナー、NPOの職員、市役所職員、先生、弁護士さんなど、パリで道ゆくおじさんたちに声をかけ、人生を語ってもらったことをまとめた本。含蓄あるセリフが多く、なんだかみんなおしゃれに見える。こういうおじさん目指そうかな。いろいろな名言も飛び出すが、気に入ったのは「料理人はテクニックを見せてはいけない。テクニックは食べられない」というセリフ。このほか「2分考えればすむことを、みんな大げさに考えすぎ」「はつらつとしていられることが一番大事。そのためには自分を知らないと」「機械を使えば二時間で出来ることを、僕は手で100時間かけてやりたい」「大事なことを後回しにするな。人生を学んでいるうちにすぐ歳を取ってしまう」「ほとんどの問題は他者を尊重しないことから起こる」などなど、みんな一家言持っているんだなあと感心。

  • 移民の国なだけあって、いろいろ。

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