- 柏書房 (2018年4月26日発売)
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感想 : 8件
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784760149834
感想・レビュー・書評
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秤に架ける
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リスクはほぼ無く、周りに対しても良い影響のあるワクチンに対して、今も根強い否定論がなぜ起こるのかを歴史的、科学的、感情的な理由から分析する本です。
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「日本はワクチン後進国」だと医師からはよく聞く。世界から30年近く遅れているという医師もいるほどだ。
最近「麻疹」の流行がニュースになったことも記憶に新しい。これは2度受けるべき予防接種を、ある年代は1度しか受けていないために免疫が弱いためだとも言われている。
この書によれば、ワクチン接種に対しては世界的にインテリ層を中心に嫌悪感が強いという。生ワクチンを接種することのリスクと副作用を心配してとのことだが、そんなことを言うならば生薬由来の薬にもリストの副作用はあるのだから服用しないということになってしまう。これはあまりにも理不尽だ。
海外では混合ワクチンが当たり前だし、ショッピングセンターのドラッグストアーでも簡単に打てる上に価格も安価。日本では混合ワクチンが嫌がられているうえに、接種の間隔も空けなければならないし、接種の回数が多く忘れがちでもある。しかも任意の予防接種はそこそこ高い。
またこの本によると、清潔な環境で育った人は純粋培養な分、ウィルスに弱いとのこと。そんな人にウィルスがアタックしてくれば、たちまちのうちに感染してしまう。集団免疫のしっかりした社会で生きているならば感染リスクも低いが、そうとばかりも言っていられないのが現実。このことも「あなたの健康はコミュニティの健康が決める」の章に書かれている。
一方不潔な環境で育った人で発症していない人は、感染しながらも幸運にも発症していないだけで保菌者であり、菌を撒き散らしているも同様とのこと。
そういえば、子供が高校に入学する時、いくつかの予防接種について確認をされた。公衆衛生に対する意識が高いとちょっと安心したことを覚えている。
日本にいるとあまり予防接種やワクチンのことは考えない。しかし海外ではそうではないようだ。この本もアメリカではベストセラーになったらしい。
ワクチンに興味があったので、個人的にものすごく勉強になった本だった。
