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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760150878

作品紹介・あらすじ

【概要】
この本はあなたの本棚のために特別に作られました──。
西崎憲がプロデュースする短文集シリーズ〈kaze no tanbun〉第一弾。現代最高の文章家17人が「特別ではない一日」をテーマに、小説でもエッセイでも詩でもない「短文」を寄せました。作品同士が響き合い、まるで一篇の長編作品のようにも読めるかつてない本です。

【kaze no tanbunとは】
「自分の生涯においてこれを作ったと自慢できる本を作りたい」。日本翻訳大賞の発起人であり、電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」主宰、そして文芸ムック『たべるのがおそい』編集長をつとめた西崎憲の発案からスタートした、全篇新作の「短文」アンソロジーシリーズ。「短文」とは「小説でもエッセイでも詩でもない、ただ短い文。しかし広い文」(西崎氏)。全3冊を予定。シリーズ通してブックデザインは奥定泰之。

感想・レビュー・書評

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  • kaze no tanbun 精興社へ行く - YouTube
    https://www.youtube.com/watch?v=_4z8Z-jYkXQ

    kaze no tanbun 特別ではない一日(一般書/単行本/日本文学、評論、随筆、その他/) 柏書房株式会社
    http://www.kashiwashobo.co.jp/book/b482240.html

  • 『二人とも、八十代のころより今のほうが足腰も力もずっと強い。風邪もひかなくなった。これじゃどうやって死ねばいいのかわからないねえ、と笑い合ったあと、体のどこかがすうすうする』―『年金生活(岸本佐知子)』

    何となく活字を受け付けない日があるかと思えば、急にすいすいと本を読み進められる日がある。活字が音を成し、その音が意味を成す。その過程は変わらないのに、意味を読み解くのに要する時差のようなものを強く感じる時とそうでない時があるのだ。特別といえば特別と言えなくもない、けれどやはり何か変わった事ことがある訳でもない、言わば特別ではない日。そんな日がたまにある。

    この本は二年以上前に買って読み始めては中断し、また読み出しては放り出すということを繰り返した本。ふと思って読み直してみたら、今回は最後までするする読み終えてしまった。短篇ともエッセイとも呼び難いような文章が並ぶ本書は、何処から読み始めても、あるいは読まなくても構わないような本なのだが、何故かいつも途中で手が止まってしまう本だった。

    それなのに今回はどれもぎくしゃくとすることなく読める。だからといってより深く言葉の意味が捉えられているとか、何か違った風景が読み取れるとかいうことがある訳でもない。岸本佐知子には諧謔的な面白さを相変わらず感じるし、円城塔の理屈っぽさに妙な可笑しみを感じることも同じ。そしてそもそも柴崎友香が参加していてこのタイトルであったからこそ本書を手に取った訳だけれども、その柴崎友香の切り取る風景に惹かれていく思いも再確認している。

    けれどやはり何か言葉が身体を通り抜けて行く風情のようなものが異なる気がしてしまう。それが良いとか悪いとかではないけれど、これまで読んで刹那的に湧く思いを掬って来たことを思うと、そういう特別ではない日に読めた本は幸せだなと思えて仕方がない。逆にそうでない日にうんうんと言いながら読んだ本には申し訳のない気持ちも湧く。

    ひょっとすると、無意識の内に散り積もっていた何かが洗い流されたのか。この「特別ではない一日」というタイトルの私家集にそんな浄化作用めいた効用があったのか。恐らくそう長くは続かないそんな時間がまだ残っている内に、取って置いた好きな作家の一冊を読み始めよう。何故だかそんな気になった。

    『わたしは、端っこのポールにくっついて片腕を巻き付け、ポールのふりをした。自分はポールだ、と自分に言い聞かせた。赤信号の残り時間はまだ九十秒ある』―『日壇公園(柴崎友香)』

  • +++
    この本はあなたの本棚のために特別に作られました──。
    西崎憲がプロデュースする短文集シリーズ〈kaze no tanbun〉第一弾。現代最高の文章家17人が「特別ではない一日」をテーマに、小説でもエッセイでも詩でもない「短文」を寄せました。作品同士が響き合い、まるで一篇の長編作品のようにも読めるかつてない本です。

    我妻俊樹/上田岳弘/円城塔/岡屋出海/勝山海百合/小山田浩子/岸本佐知子/柴崎友香/高山羽根子/滝口悠生/谷崎由依/西崎憲/日和聡子/藤野可織/水原涼/皆川博子/山尾悠子(50音順)
    +++

    短編でも掌編でもなく短文、というだけあって、ひとつひとつの物語はとても短く、隙間時間にちょこちょこと読める。とはいえ、内容は気軽に読めるものばかりではなく、少々難しいものもあり、じっくり読みたいものも多い。特別ではない一日というキーワードに則って書かれているが、どれも特別感のある物語だと思わされる一冊だった。

  • おれには早かった。でも結構面白かった。

  • 短文なのに引き込まれ方がすごい。さらって読む感じじゃない。豪華すぎる一冊ってことに気づいた。


  • 著者名を見るだけで楽しくなる、とんでもなく豪華な目次。山尾悠子さん、柴崎友香さん、滝口さん、小山田浩子さん・・・とキリがない。

    好きな作家さんが多くいた中で、水原涼さんの「yさんのこと」はあまりにふいうちで全部持っていかれた。

    昨日まで読んでいた阿川センリさんが「すごく意識した」と語っていた水原さんに繋がったのもご縁でしょうか。

  • よかった。
    〝特別でない〟光景、風景の中ににじむ、何かの思い、気持ち、心。
    霞の先のそれらを薄く感じる文が好きだ。
    自由があるし、より強さを感じる。
    好きな作家が名を連ねていて、この感触で、この装丁。
    すごくいい。

  • 岸本、小山田、滝口、山尾、◎

  • 桜の軸の表紙に惹かれて読みました。アンソロジー。

    勝山海百合さん『リモナイア』、ホラーファンタジーのような恋人同士の話。この作品が特に面白かった。二人の空気感が自然で、不気味な話なのに、ああ特別ではないんだなと感じさせられる。

    他にも、ユーモラスで幸せな気持ちになる滝口悠生さんの『半ドンでパン』、よく解らないけど文章を読んでいて心地よかった我妻俊樹さんの『モーニング・モーニング・セット』、不安定さと空想にちょっと切なくなくなる岡屋出海さんの『午前中の鯱』などが好きです。

  • 山尾悠子、岸本佐知子、柴崎友香など17人の書き手による書下ろし<短文>アンソロジー第一作。この<短文>という自由さがいい。色々な手ざわりのものが贅沢に詰まっていて、目次が巻末に置かれていることもあり、次はどんなのが来るのかな?と頁をめくるのがとても楽しかった。“文章だってね、だらけることはあるんですよ。”と、非常に変わった語り手が登場する円城塔「店開き」。クスクス笑ってしまうけれど、ふと真顔で紙面を見つめてしまったり。剽軽でグロくて楽しげな末世、皆川博子「昨日の肉は今日の豆」では思わずひゃっと声が。他には勝山海百合「リモナイア」、藤野可織「誕生」、西崎憲「オリアリー夫人」等が好みでした(2019)

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著者プロフィール

1968年神奈川県生まれ。2002年頃より短歌をはじめる。2016年、同人誌「率」十号誌上歌集として「足の踏み場、象の墓場」を発表。2023年に第一歌集『カメラは光ることをやめて触った』(書肆侃侃房)上梓。平岡直子とネットプリント「ウマとヒマワリ」を不定期発行中。2005年「歌舞伎」で第三回ビーケーワン怪談大賞を受賞し、怪談作家としても活動する。著書に『奇談百物語 蠢記』(竹書房怪談文庫)などがある。

「2023年 『起きられない朝のための短歌入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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