戦争の歌がきこえる

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  • 柏書房 (2020年7月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784760152490

作品紹介・あらすじ

「僕は日本兵を殺した」

私がアメリカのホスピスで見届けたのは、
第二次世界大戦を生き抜いた人たちの最期だった。

思い出の音楽とともによみがえってきたのは、
語られずにいた数々の証言。

「マンハッタン計画にかかわっていたんだ」
男は涙ながらに告白し、
「彼らが来る!ナチスが来る!!」
女は恐怖に囚われつづけた――。

これは、ひとりの音楽療法士が記録した、
日本人の知らない「もうひとつの戦争の記憶」であり、
「戦争」の比喩が不気味に飛び交う現代日本において、
トランスナショナルに平和の意味を考えるための一冊である。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカから見た戦争のこととか、知らなかったことを知りました。

    PTSD、その昔は無かった言葉
    もっと早くに、この言葉があれば
    もう少し苦しみが減っていた人達がいたのかもしれない

    • moboyokohamaさん
      立場を変えて見るというのは重要ですね。
      ともすれば自分本位、自分からの視点になりがちですよね。
      立場を変えて見るというのは重要ですね。
      ともすれば自分本位、自分からの視点になりがちですよね。
      2020/11/23
    • pさん
      コメントありがとうございます。
      立場を変えて視点を変えてみるって、とても大事なことと改めて思いました。
      コメントありがとうございます。
      立場を変えて視点を変えてみるって、とても大事なことと改めて思いました。
      2020/12/15
  • 日本の戦争感の本は多いが、アメリカ人から見た本は、殆ど読んでいない。だから貴重であった。誰にとっても戦争は、深い傷を残す。人殺しは、やってはいけない。国がやらせてはいけない。

  • なぜか読んでいると涙が出てきます。
    新しい発見や認識は特にないのですが・・

  • 素晴らしい本だった。

    日本人である著者が、音楽療法士としてアメリカで活動する中で出会う人々から聞いた「戦争」についての話を様々な角度から教えてくれる。

    この第二次世界大戦は、国も立場もバラバラな人たちひとりひとりの心に、人ひとりでは到底抱えきれないほどの大きな影を落としたことが改めてわかる。

    その大きすぎる記憶を心の中に押し込めてここまで生きてこられたことが、どれほど大変なことかは想像はできても本当の意味で理解することはできないだろう。

    それでもここに書かれた人はほんの一部でしかない。戦時中に生きていた、なんの力も持たない国民は、皆このようにして今の時代まで生きてきたことを忘れてはいけないと思った。

    私が見聞きしてきた戦争についての記憶はほんの一部分でしかなかったことがよくわかる。
    それはとても薄っぺらい学校の授業のせいでもあるが、目を向けようとしなかった自分自身のせいでもある。
    心のどこかに関係ないという気持ちもあったと思う。

    今の平和を大切にして2度と同じことを起こさないように、この地球上で暮らす全ての人が共有できることを願わずにいられない。

  • 音楽療法士としてアメリカのホスピスで働いていた著者の、戦争当事者、ホロコースト当事者であった患者との対話の記録であり、患者たちが最後に言い残しておきたい、言い残さざるを得ない記憶についての考察。

    彼らも私たちも人間なのだと、読み始めたら止まらなくなった。最近では頭でっかちに歴史が修正されていて当事者の声が蔑ろにされがちだけど、政治的意義は政治が、経験談は当事者や当事者と直接話した人がそれぞれに次世代に受け継ぐべきだと、この本を通し、思いをより強くさせられた。
    また患者たちがこの世を去る直前にそれぞれに印象的な言葉を残していくが、それぞれの矜持がある。

  • あなたは2011年の今日何をしていたか覚えているだろうか?おそらく思い出せないだろう。でも、2011年3月11日の記憶はあるはずだ。
    戦争経験者が80代90代になっても戦争の時のことを覚えているのはこれと同じだという。
    人はそれらを人生の最期に必ず振り返る。

    Taking it day by day. 一日一日を乗り越えてゆく。
    I'm ready to go home. 旅立つ準備は出来ている。
    この先、この言葉を頼りにすることは思わしくない。
    でも人は必ずそう言う場面に出くわす。
    2021年の最後にこの本に出会えたことを幸せに思う。

  • 歴史認識、という言葉は他の言語に訳せない…これは他の言語で生活したことのある人にしか気づけないことだろう。私たち日本人も曖昧な言葉を曖昧にしか使えていない。
    著者は音楽療法を通じて戦争という歴史と、当事者として向き合う。あとがきに書かれたことや、本編を読めば、関わったものなりの丁寧な表現のためにたくさんの記録や遺物に真摯にあたっていったことがよくわかる。賞賛したい。平和を考えるときに読まなければいけない一冊にカウントしたい。

  • 【アーカイブ】終戦記念日を前に語りたい、僕たちが知らなかった戦争のこと|『戦争の歌がきこえる』刊行記念イベント|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note
    https://note.com/kashiwashobho/n/n5381b6bf069d?magazine_key=m3a8becde8a01

    佐藤由美子の音楽療法日記 | 人生の最期に聴く音楽
    https://yumikosato.com/

    戦争の歌がきこえる 柏書房株式会社
    http://www.kashiwashobo.co.jp/book/b512101.html

  • アメリカで音楽療法士として働く著者が、ホスピスで出会った人たちの「戦争の記憶」に耳を傾け、その声を刻みつけていく本。

    第二次大戦を兵士として、または銃後で経験した人たちは、心の底に封印してきたその記憶を、著者との出会いによって語り始める。
    たとえば、一人は著者が日本人であるとわかった瞬間に様子を一変させ、「僕は日本兵を殺した」と言い、身を震わせて泣き始めたという。

    音楽療法の本として読むこともできるが、それ以上に、特異な成り立ちの戦争体験記として価値がある。

    こういう作品にこそノンフィクション賞が与えられるべきだと思った。

  • この本には、二つの側面がある。
    一つ目は、セラピストが、戦争経験者との関わりの中でどの様な信頼関係を築いたか、
    二つ目は、アメリカ人から見た第二世界大戦について。

    著者自身の第二世界大戦観は、良い。
    数冊読んだだけですべて把握できる訳がない。
    事実、戦後ドイツの歴代首相はユダヤ人に謝罪していない。
    ヒストリカルリヴィジョニズム歴史修正主義と言われるのだろうか?
    人は、自分が信じたいモノを信じる。
    何が正しいか、戦争を知らない我々に判断する手立てはない。

  • 晩年痴呆が進み記憶が後退し、原爆投下直後の時代にタイムスリップし、「若い女の子がこんなところにおったらいけん!あれらがきて、何されるか分からんよ!」とひ孫である私を傘で叩きながら本気で叱って追い返そうとした曾祖母、決して当時の事を話さなかった祖母、笑える戦地の話だけしてくれた祖父。最期、どんな思いで旅立ったのだろうか。

  • 音楽療法を行う著者が聞いた戦争経験者の話。

  • 個人の戦争体験は、その人の人生の一部だ。勝っても負けても、戦禍は壮絶である。戦地で、日本兵に対峙したアメリカ兵の心境を想像してみたことが今まで無かった。もちろん、彼らのその後の人生も。私にとって、戦争の新しい視点を与えてくれた一冊。今だからこそ語られる貴重な体験の数々は、日本人だとかアメリカ人だとかは関係なく、死と人生について考えさせられた。平和のために、開戦や原爆投下などの是非ではない戦争の話が、もっと必要だと感じた。

  • 4.21/294
    『日本人の音楽療法士が書きとめた、第二次世界大戦を生き抜いたアメリカ人たちの最期。私たちが知らない「もうひとつの戦争の記憶」。

    内容
    「僕は日本兵を殺した」

    私がアメリカのホスピスで見届けたのは、
    第二次世界大戦を生き抜いた人たちの最期だった。

    思い出の音楽とともによみがえってきたのは、
    語られずにいた数々の証言。

    「マンハッタン計画にかかわっていたんだ」
    男は涙ながらに告白し、
    「彼らが来る!ナチスが来る!!」
    女は恐怖に囚われつづけた――。

    これは、ひとりの音楽療法士が記録した、
    日本人の知らない「もうひとつの戦争の記憶」であり、
    「戦争」の比喩が不気味に飛び交う現代日本において、
    トランスナショナルに平和の意味を考えるための一冊である。』(「柏書房」サイトより▽)
    https://www.kashiwashobo.co.jp/book/9784760152490


    冒頭
    『 「僕は日本兵を殺した」
    彼は、唐突に言った。
    その日、ホスピス病棟に入院してきたばかりの末期がんの患者さんだった。
    「彼らは若かった。僕も若かった……」
    そう言うと、突然泣き出したのだった。
    瘦せ細ったその体は、ぶるぶると震えていた。』


    目次
    プロローグ 日本人の私が、戦争を経験したアメリカ人とかかわること
    音楽療法について
    第一部 太平洋戦争(Pacific War)
     第一章 良い戦争という幻想――「僕は日本兵を殺した」
     第二章 記憶の中で生きる――「忘れないでくれ」
     第三章 原爆開発にかかわった人――「誇りには思っていない」
    第二部 欧州戦線(European Theater)
     第四章 アメリカの理想と現実――「僕たちは、なんのために戦っているのか」
     第五章 女たちの戦争――「経験して初めてわかること」
     第六章 ホロコーストの記憶――「ナチスが来る!」
    第三部 忘却と記憶(Forgetting, Remembering)
     第七章 祖父が語らなかったこと
     第八章 忘れられた中国人たち
    エピローグ その記憶は、私たちが自己満足と戦うことを可能にする


    『戦争の歌がきこえる』
    著者:佐藤 由美子
    出版社 ‏ : ‎ 柏書房 (2020/7/14)
    単行本‏ : ‎264ページ
    刊行日 ‏ : ‎ 2020/7/10
    ISBN‏ : ‎9784760152490

  • アメリカで音楽療法士として働いていた著者が出会った人たちのエピソードを綴った手記。
    やわらかく読みやすく、そして重い。
    個人の経験を通した戦争と集合的記憶の話。

    著者が働き始めたのは2002年だから当時の高齢者は戦争をしっかり覚えている人たちだ。
    なかには日本人である著者をみて日本との戦争を想起する人もいる。

    日本兵を殺したアメリカ兵、戦友を殺されたアメリカ兵、原爆開発にかかわったことに苦しむ科学者。
    ホロコーストを生き延びたユダヤ人、目撃したドイツ系アメリカ兵、ヒトラーユーゲントだったドイツ兵。
    日本の占領と中国の政変で故郷に帰れなくなった中国人、満州で日本人による暴虐をみた引揚者、南方送りにしないでと頼んで生き延びた著者の祖父。
    日本で父の出征を見送った人や、戦争捕虜になったトラウマで別人のようになってしまった婚約者と結婚した人もいる。

    その時にいた場所も立場も属する国も違う。
    セラピーの場で出会った人もそうじゃない人も、戦勝国も敗戦国も兵士も民間人も等しく傷を抱えている。

    集合的記憶の視点で戦争をふりかえると、無視される側の話になることが多いと思う。
    わかりやすく被害を無視されてなかったことにされている問題はとても大きい。
    でもそれだけじゃなくて、「正しい戦争」で「戦って勝った誇り」としての記憶しか許されない人たちもまた罪悪感や辛さを語ることを許されないというやりかたで傷を無視されているのかもしれない。

  • ◯自分は確かに日本人だと自覚する一冊。

    プロローグから涙がとまらなかった。
    集団から忘れられた記憶、集団とは違う記憶、誰にも語れなかった記憶。忘れたいけど忘れられない記憶。
    そんな記憶を浄化していく音楽療法士という仕事に感動した。 

    「死」について考えさせられる一冊。
    また自分は何者で、どんな使命があるのかを考えるきっかけとなった。人生にまよったらこの本に立ち戻りたい。

  • 米国認定音楽療法士の著者がホスピスで出会った戦争経験者の言葉と記憶。
    日本は戦後78年を迎えたが、一方で「今」戦争の真っ只中にある国がある。「私達は自国の記憶や歴史だけでなくトランスナショナルに知る必要がある」

    感想、書けませんでした。「100分de名著 フランクルの『夜と霧』」の回も同時進行で観ていたので、ホロコーストの章はより記憶に残りました。

  • 無関心になってはいけない。目を背けず、相手の声を聴き、寄り添い感じることの大切さ。戦争は勝ち負けに関係なく被害者しか生まない。年が過ぎ戦争経験者が少なくなっている今、国関係なく貴重な声に耳を傾けるべきではないかと思う。

  • 『過去を変えることはできないのだと、受け入れること』
    自分を許すとは、そういうことなのかもしれない

    ホスピスで音楽療法を行う筆者の気づきに、感銘を受けた。

    そして
    以下の問いは、とても興味深いものだった。

    集合的記憶というのはどの社会にもあり、私たちのアイデンティティとも深く関係している。
    自分とは異なる記憶を持つ人たちと出会ったとき、私たちはその相手と、どのように関係性を築いていけるのだろうか?

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000053226

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著者プロフィール

ホスピス緩和ケアの音楽療法を専門とする米国認定音楽療法士。バージニア州立ラッドフォード大学大学院音楽科を卒業後、オハイオ州のホスピスで10年間音楽療法を実践。2013 年に帰国し、国内の緩和ケア病棟や在宅医療の現場で音楽療法を実践。その様子は、テレビ朝日「テレメンタリー」や朝日新聞「ひと欄」で報道される。2017年にふたたび渡米し、現地で執筆活動などを行なう。著書に『ラスト・ソング――人生の最期に聴く音楽』、『死に逝く人は何を想うのか――遺される家族にできること』(ともにポプラ社)がある。
Twitter: @YumikoSatoMTBC
HP: https://yumikosato.com

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