あいつゲイだって アウティングはなぜ問題なのか?

  • 柏書房 (2021年11月26日発売)
3.96
  • (14)
  • (24)
  • (12)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 461
感想 : 33
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784760154272

作品紹介・あらすじ

2021年11月は「一橋大学アウティング事件」の控訴審判決から1年にあたる。「パワハラ防止法」により、2022年4月からは中小企業でもアウティングの防止対策が義務付けされることになっている。

なぜアウティングは「不法行為」と判断されたのか? そもそもなぜ、性的指向や性自認といった個人情報の暴露が「命」の問題につながってしまったのか?

実は、一橋事件の前からこうした被害は起きていたし、現在も起きている。学校や職場などの身近な人間関係、不特定多数に瞬時に情報を発信できてしまうネット社会において、誰もが加害者にも被害者にもなり得るのだ。

校舎から飛び降りたのは、私だったのかもしれない――。勝手に伝えることが誰かの「命」を左右する瞬間を、痛みとともに、ひとりの当事者が描き出す。

一橋事件を一過性のものとせず、被害を防ぎ、これ以上「命」が失われないためにも、いま改めて考えたい「アウティング問題」の論点!

■「アウティング」とは?
本人の性のあり方を同意なく第三者に暴露すること。

■「一橋大学アウティング事件」とは?
「おれもうおまえがゲイであることを隠しておくのムリだ」。一橋大学大学院のロースクールに通うAがゲイであることを、同級生ZがクラスメイトのLINEグループに同意なく暴露。心身に変調をきたしたAは2015年8月、校舎から転落死した。翌16年、遺族が学生Zと大学に対し損害賠償を求めて提訴。20年11月の控訴審判決では、本人の性のあり方を同意なく勝手に暴露するアウティングが「不法行為」であることが示され、世間的にも「アウティング=危険な行為」という認識が広まるきっかけとなった。地方自治体だけでなく、国レベルでも大きな影響があった。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 地球っこさんのレビューをみて読んだ本 シリーズ。。

    すごく勉強になった。。

    一橋大学アウティング事件で、一つの命が失われた。
    きちんと相談もしていたのに。
    そして、組織は内容を隠した。
    これは絶対に許せない。

    自分としては多様性を認め、人を偏見で見てはいけないと漠然と思っていた。
    でも、この本を読んで、マイノリティの人にとって他人の心ない一言が命に繋がる事を知った。
    社会がもっと成熟しなければ、、、
    一体いつになればみんながわかり合えるのか。
    無駄な命なんてない。
    不幸なことがこれ以上起こりませんように。

    メモ
    026
    つらいことがあったら言いなさいね。そしたらつらいことが半分になるから。楽しいことも言ってね、楽しいことが倍になるから。

    091
    壁は社会にあった。

    092
    性的指向、性自認等に関する公表の自由個人の権利として保障されること
    何人も性的指向、性自認等の公表に関して、いかなる場合も、強制し、若しくは禁止し、又は本人の意に反して公にしてはならない。

    139
    要配慮個人情報
    本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取り扱いに特に配慮を要するものして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。

    199
    ゲイであってもなくてもどちらでも構わないのではないか

    206
    本来、性別という情報は、「見ればわかるもの」でもなければ、知られても「たいした問題ではない」というわけでもない。

    212
    韓国の事例

    215
    監視資本主義
    プライバシーという権利

    230
    誰かの命は、まずそれだけで大事にされるべきものである。そしてそれは、他の誰かにとっての大切な命でもあります。

    • いるかさん
      地球っこさん こんにちは。

      地球っこさんの言われるとおりだと思います。
      気にしない はやっぱり無責任で 違うと思います。
      他の本を...
      地球っこさん こんにちは。

      地球っこさんの言われるとおりだと思います。
      気にしない はやっぱり無責任で 違うと思います。
      他の本を読んで「理解は出来なくても認める」(たしか梨木香歩さん)がだいじなのかな と思っています。
      もちろん理解できないって突き放すのではなく、自分が理解出来ない世界もあると認めながら。

      マイノリティの立場が言葉の暴力で命の危険にさらされる なんて、社会として未熟すぎますよね。
      問題は社会の壁 まさにそう思います。
      成熟した社会になるまでは、まだまだほど遠いですが。

      私ももっと勉強したいと思います。
      いつも本当にありがとうございます。。
      2022/09/09
    • 地球っこさん
      いるかさん

      ます。

      「理解は出来なくても認める」梨木さんの「春になったら苺を摘みに」ですね!
      積ん読中ですf(^_^)
      とても重たい言葉...
      いるかさん

      ます。

      「理解は出来なくても認める」梨木さんの「春になったら苺を摘みに」ですね!
      積ん読中ですf(^_^)
      とても重たい言葉に聞こえるけど、心が軽くなる言葉でもありそうですね。
      梨木さんの本を読んでみます。

      素敵な言葉を教えてくださりありがとうございます♪
      2022/09/09
    • いるかさん
      地球っこさん

      ありがとうございます。
      梨木さんの世界観が好きで、すっかり虜になっています。

      性的マイノリティもそうですが、世界...
      地球っこさん

      ありがとうございます。
      梨木さんの世界観が好きで、すっかり虜になっています。

      性的マイノリティもそうですが、世界中にいろいろな人がいて、みんながそれぞれ頑張って生きている。
      人だけでなく、生物も、植物も。
      それを尊重することで、もっとみんなが尊重し合い、生きていければいいなぁと思います。

      「理解は出来ないが、認める」は私に大きな影響を及ぼした一つです。
      また、時間があるときに読んでいただき、感想を聞かせてくださいね。

      ありがとうございます。
      2022/09/09
  • 「アウティング」とは、本人の性のあり方を同意なく第三者に暴露すること。
     ※ここでの「性のあり方」とは、主に性的マ
      イノリティ当事者の性的指向(恋愛や性的 
      な関心がどの性別に向くか、向かないか)
      や性自認(自分の性別をどのように認識し
      ているか)などを指す。(P2)

    「アウティング」がなぜ問題なのか。
    なぜ、性的指向や性自認にかぎらず、機微(センシティブ)な個人情報を暴露することが「命」の問題につながるのか。
    著者はゲイの当事者であり、性的マイノリティに関する情報を発信してきたライターの一人として、自身の実体験や、性的マイノリティ当事者の経験、アウティングをめぐる各種報道などをベースに、「アウティング」という問題について考える。

    そもそも私がこの問題に関心をもったのは、先日読んだ三木那由他さん『言葉の展望台』のなかで、「アウティング」と「カミングアウト」という言葉について気になる箇所があったからだ。
    本書『あいつゲイだって』の出版記念で、三木さんと著者の松岡宗嗣さんが行ったトークイベントでの松岡さんの言葉を三木さんがまとめられた部分である。

    “それは、松岡さんが「アウティング」という言葉に対して取っているとても繊細なスタンスだ。松岡さんは、この言葉が性的マイノリティの置かれた特有の(つまり、マジョリティならば経験しない)状況や困難を表現するものだという点を大事にし、それがマジョリティにとって使いやすい言葉に変質することへの警戒を示していた。( 中略 )「性的マイノリティだけの言葉に制限したくはないが、しかしマジョリティのあいだで流通してそれがいま言い表しているものを言い表せなくなるのは問題だ」という、綱渡りのようなバランスで話されていたように思う。”(『言葉の展望台』P140)

    「カミングアウト」という言葉がある。
    私たちは「カミングアウト」という言葉を、あまり深くは考えずに、たとえば友人との会話のなかで「ちょっとした打ち明け話」くらいの意味で使ったりしたことはないだろうか。バラエティなどのテレビ番組で出演者が「カミングアウト」した「ちょっとした打ち明け話」に思わず笑ってしまったり、ひいてしまったりしたことはないだろうか。

    「カミングアウト」とは本来、“社会構造上の問題を背景にして用いられる言葉だ。自分がどのような人間であるか(レズビアンである、トランスジェンダーである、など)を打ち明ければ、この社会では不利益をもたらされてしまう。しかし、隠しているといつまで経っても自分のような人間がこの社会に存在していることに気づいてもらえない。この板挟みの末に不利益を覚悟しつつもあえておおやけにする。”(『言葉の展望台』P143)行為を表す言葉だと三木さんは理解される。

    「カミングアウト」という行為は、人によっては勇気のいる行為であり、ときには「カミングアウト」した相手への「信頼の証」ともなると本書で述べられている。そうであるのならば、「カミングアウト」が「ちょっとした打ち明け話」程度の意味で浸透されたマジョリティ側と、大変なリスクを覚悟の上で「カミングアウト」する性的マイノリティ側との間に、かなりの温度差と理解不足が生じるのは必然的だと思えた。

    そしてこれが「アウティング」という言葉でも、同じような軽い意味の意識でマジョリティ側に浸透されていくと、単なる「ちょっとした打ち明け話」を他の人に噂話として伝えただけ、となりそうで怖くなる。
    そういう変質した言葉が広まると、本来の意味を理解せぬままマジョリティ側がマイノリティ側のためだと思っての行動、「よかれと思って」のアウティングが増えたりするのではないだろうかとも不安に思うのだ。
    結果、マイノリティ側が命を断ってしまうような大きな問題はこれからも起きるのではと痛切に感じている。

    先ほどカミングアウトは「信頼の証」となると述べたのだが、その信頼が裏切られることで甚大な被害につながってしまった事件として、一橋大学アウティング事件があげられる。

    一橋大学アウティング事件の概要について。
    以下、本書に掲載された参考記事。
    『「ゲイだ」とばらされ苦悩の末の死 学生遺族が一橋大と同級生を提訴』
                公開 2016年8月5日
    https://www.buzzfeed.com/jp/kazukiwatanabe/gay-student-sued-hitotsubashi-university

    『一橋大ロースクール生「ゲイだ」とバラされ転落死 なぜ同級生は暴露したのか』
                公開 2016年9月3日
    https://www.buzzfeed.com/jp/kazukiwatanabe/hitotsubashi-outing-this-is-how-it-happened

    本書では、アウティングとその背景にある問題を紐解く入口として、まず一橋大学アウティング事件の経緯から振り返る。
    そして実際に起きたさまざまなアウティングのケースや、アウティングの規制、アウティングのこれからなど、現代の日本社会におけるアウティング問題が大変分かりやすく語られる。

    なぜ、アウティングが起きるのか?
    それは、社会の至る所でシスジェンダー(自分自身が認識している「心の性」と、生まれ持った「体の性」が一致している人)・異性愛が前提とされ、そうでない人々がいないことにされているからだろう。
    なぜ、アウティングが「問題」になるのか?
    それは、この社会に性的マイノリティに対する差別や偏見が根強く残っており、「いないこと」にされている当事者の性のあり方が暴露されることで、不利益につながる可能性があるからだろう。

    著者はそう述べ、本書では一貫してアウティングが「命」の問題だと読者に訴えかける。

    カミングアウトをされた側の戸惑いも理解できる。私だってその立場になれば、きっと動揺するはずだ。ひとりで抱えきれない。でもどうすればいいの? どうすればいいのか情報が不足している。
    それでもやっぱり、周囲の第三者に話すまえに一度立ち止まらなきゃいけないよね。よく考えなきゃだめだよね。この社会で生きていくにはかなりのリスクを背負う、それでも「信頼の証」としてされた「カミングアウト」の本来の意味を知ることができた今の私は切に願っている。

    • 地球っこさん
      あー、なんてとこを誤字!
      じゃがいも→社会的
      です〰️

      なぜに間違えた。
      最近打ち間違い多しで、ごめんなさい。
      あー、なんてとこを誤字!
      じゃがいも→社会的
      です〰️

      なぜに間違えた。
      最近打ち間違い多しで、ごめんなさい。
      2022/09/01
    • いるかさん
      地球っこさん

      私も誤字だらけで、本当に困っています。
      この本 いつもの本屋さんにあったので、取り置きしてもらいました。

      今読ん...
      地球っこさん

      私も誤字だらけで、本当に困っています。
      この本 いつもの本屋さんにあったので、取り置きしてもらいました。

      今読んでいる「会話を哲学する」が とっても面白くって。
      ちょっとした時間を見つけては読んでいます。
      この流れのまま読んでいきたいと思います。。

      あっ 明日は英会話。
      宿題やらなきゃ・・・
      2022/09/01
    • 地球っこさん
      宿題っ!
      懐かしい響き。
      いるかさん、素敵☆
      ファイティン!p(^-^)q
      宿題っ!
      懐かしい響き。
      いるかさん、素敵☆
      ファイティン!p(^-^)q
      2022/09/01
  • 難しい、すごく難しい…
    デリケートな問題すぎる…

    大学生が亡くなったニュースは、なんとなくは知ってたけど
    詳しい背景が分からなかったが、読んで分かった。
    本人の同意なく第三者にバラしてしまうこと→アウティング
    アウティングは絶対にダメだと思うが、誰かに相談したくて誰かに話してしまうと、その行為がアウティングになってしまう…
    難しいわ。

    まわりの環境次第でカミングアウトできたり、できなかったり…

    これからの時代、職場でもトランスジェンダーの人が出てくるかもしれない。
    そんな人たちが、働きやすいように
    男子トイレ女子トイレのほかに、もう一つ用意した方がいいのでは?とかロッカー室の中にも個室の着替えるところが無いとダメなんだろーな。とか、環境作りも必要になってくるな。

    将来、何かしら息子がカミングアウトしても、ちゃんと受け止めなければいけないな。
    まだ、5歳だけど…

  • 「あいつゲイだって」という言葉は、異性間の恋愛だけが所謂「マトモ」で、そうでないものは奇異であるーという前提で発せられる。

    この本の背景は2015年に起きた一橋大学大学院のアウティングによって学生が転落死した事件です。

    むずかしいけれど、とても近しい、私たちのすぐ隣にあるかもしれない問題について書かれています。

    ダイバーシティ、多様性、LGBTQなど、言葉は存在するけれど、実際に正しく受け止められ、浸透しているのか。とても丁寧で多角的に述べられています。

    とても印象的な文章がこちらでした。

    忘れてほしくないのは、敢えてカミングアウトしなくてもいい社会」は、敢えてカミングアウトをしてきた人たちによって作られてきたという歴史です。時代は勝手に進んできたのではありません。それを進めてきた人たちがいました。

    条例や法制度も大切ですが、いま私たちが無くしつつある思慮、配慮。性的指向や性自認のみならず、誰かの大切なことを知ってしまった時に、どうするか。
    押しつけず、当てはめず、立ち止まり想像し考えられる人間になりたいと改めて思いました。

  • 実はこの本を読む前に、この本に関する批判的な意見を目にしていた。
    それは一橋大学の事件についてで、この本はAを擁護しているがZだって十分被害者だという言い分だった。
    確かにそうだ。この事件があったからこの本は書かれたとなっているが、『アウティング』が問題なのはわかるがそこだけに注目すると『相談できなかったZ』はどうしたらよかったのかという事になる。

    一橋大学の事件は、まず、LGBTへの理解のなさよりも『人間同士のトラブルの対処法』を子どもの時に教えるシステムがない事が問題だと思う。

    海外だと、『子供同士はトラブルを起こすもので、そこに大人が適切に介入するのは当たり前』という文面を見て驚いた。
    確かに日本は『トラブル』が起きても、弱者(うまく説明できない。周囲を納得させられない人)に我慢させることで、それを収めようとする。
    性的同意を学んでいても思うのだが、まずは『断られても大丈夫なメンタルを作ろう』と同意にはある。私もそれが欲しいし、そのように思うにはどうしたらいいかを子供の時に学びたかった。

    Aが『告白を断られたも大丈夫と思える事』、『相手の反応を見て一旦、距離を取る事』などを理解していたらアウティングには至らなかったのではないかとすら思う。

    A側から見ればZが問題のように見えるかもしれないが、Z側から見ればこれは『拒否を拒否として受け取ってくれない』という同意の問題になるような気がしてならない。
    アウティングを肯定しているわけではないが、一橋大学の事件は特殊過ぎて『アウティングが一番問題だよね』とは言えない事件だと思う。

    『社会は勝手に変わらない』

    最後にそう書いてある。今ある社会も、誰かが切り開いてきた社会だ。
    『今は昔よりましになった』と上の世代は言うけど、その『マシ』を作ってきたのは常に戦って批判され侮辱されてきた人たちがいたからだ。
    というようなことが書かれている。これは別に性的マイノリティに限った話ではない。女性差別、障害者差別、部落差別など、全て戦ってきた人がいる。


    勝手に変わらないけど、『何かをしてはいけない』よりも『こんな選択肢もある』と示せるほうが素敵だと思う。

    この本は『アウティングは禁止』という事が書かれているが、本当は『誰かに伝える時は、慎重に』『本人の同意を得て』で十分だし、トラブルが起きた時は『相談窓口がある』という事と『共通の知り合いでなく、知り合う可能性が限りなく低い人になるべく相談する(理解がありそうな人なら、なおいい。)』でもいいのかなと思う。

    間違っても『面白おかしく伝える』はアウトである。

    さらに『良かれと思って』もやめた方がいい。『良かれと思って勝手に』やることは的外れになりやすい。アウティングに限らず。

  • 私はLGBTQに興味があり学んでいるし、理解もしているつもりだ。ただ、本当に私は誰かからCOされた時、それを受け止められるだろうか。身近な人が性的マイノリティだとしたら、心の底のどこかでふつうじゃないと思ってしまわないだろうか。でも案外、ふーんそうだったんだねーと思えそうな自分もいる。COされたことはない。男女二元論が前提とされ、それ以外が可視化されない社会で、私の持つ当たり前もそれに基づいてしまっている。なんて腹立たしいことだろう。それを他人事に感じる自分も、社会も嫌だ。絵空事をすぐに口に出す私に提示された、過渡期という現実性。目からウロコだった。物事には過程があるのだ。声をあがなければ、そのきっかけとなる大きな事件が無ければ、結局社会は変わらないのだ。

  • すごく深くてていねいな内容でした。
    自分のことにも照らし合わせて読みました。
    映画になったことで、不特定多数の人に広く知られる結果になったこと。
    もちろん同意の上なので、アウティングではないけど、
    いろいろ考えさせられました。

    プラス、もっと自分を大切に、自分が思うように行動していいのだよと、自分に声をかけたくなりました。

    アウティングは命の問題。ささります。
    社会が変わればいいけど、それまで待っていられない。

  • 恥ずかしながら、この本に出会う前はアウティングについて詳細に知りませんでした。しかし、この本では言葉の意味を説明しながら、どのような危険性を持っているのか細かく書いてあり、勉強し始めの私にとってとても有用なものでした。

    アウティングを知っていれば、未然に防げたような事例ばかりで、アウティングを知る前の私はどうだったのかと振り返るきっかけになりました。

    また、「なぜ性的マイノリティは存在するのか」という問いに対して、「シスジェンダーと異性愛が自然とバイアスになっている」という気付きにハッとしました。マイノリティがいるということは、当たり前にマジョリティがいる、同じ世界で暮らす人々でなぜ分かれるのか、マジョリティ側に目を向けると、なぜマイノリティがマイノリティとして存在することになったのか見えるような気がしました。

  • 相手のことを思いやりたい気持ちになる一冊でした。

  • 「おわりに」にある「誰かの命は、まずそれだけで大事にされるべきものであり、他の誰かにとっての大切な命」 を再度自らの肝に銘じ、自分の全ての行動をこの理念に因るものとしたいと思った。学ぶところの多い一冊だった。

  • [NDC] 367.9
    [情報入手先]
    [テーマ] でーれーBOOKS2023/エントリー作品

  • 恥ずかしながら著者がこの本を書くきっかけの事件を知らなかったので驚きと共に読み進めた
    善意でも本人の意思ではないところで自分の噂をされたり、大勢の人に言いたくないことを知らぬ間に第三者が知っていたりというのは誰にでも当てはまることだな、と感じた
    誰かを傷つけないように、噂話やパーソナルなことには責任が伴うことを理解して過ごしていかないとなあ

  • 「アウティング」とは本人の性のあり方を同意なく第三者に暴露することをいいます。
    本書では「アウティング」が社会で注目される契機となった「一橋大学アウティング事件裁判」に筆頭に他にもアウティングが発生した事例をいくつか提示し「アウティング」が大切な人の命をも奪ってしまう危険な行為であることを私たちが理解することを助け、また今後の社会をより良い方向へと導くために私たちが性の多様性という問題にどう対処していったらよいのか考えさせてくれる一冊です。
    性の多様性だけでなく出自、人種の多様性も「アウティング」のリスクを抱えています。
    私は本書を読んだことで「アウティング」という行為を軽率にする、してしまう人間にはならないように努めようと強く決意しました。

  • 以前から、答えを出せずにいたことがある。
    それは、カミングアウトをされた側が過度な苦しさを覚えた場合、そのカミングアウトはどのように捉えられるのか、ということである。
    ある芸能人がカミングアウトをした際、SNSでは「セクハラだ」という声が見受けられた。敢えて「あなたは性的対象です」と宣言されていると捉えたという。
    カミングアウトは、本書でも述べられている通り、マイノリティ性が先行する人々に保障されるべき権利である。しかしながら、カミングアウトを受けた人が、例えば同性愛者からトラウマ的な被害を受けていた場合、その人に対する「被害」は想像できない。
    このような点について、本書では明確に答えられていない。しかし、これに対して示唆を与える言説があった。それが、以下の言説である。

    もし、そのことに違和感なくやり過ごせているのであれば、それはその人にとって常に、「私はシスジェンダーの異性愛者であること」をカミングアウトしている状態とも言えるだろう。(p.98)

    シスジェンダー、異性愛者であっても、不可視化されているだけであって、普段から「カミングアウト」をした状態なのである。このように捉えれば、マイノリティ性がカミングアウトすることは、より正当性のあるものであると考えられる。ただし、それでもトラウマ的な経験のある人にとって、カミングアウトを受けることは酷なものであり、前述の捉え方は直接的な配慮になっていない。この点は未だ課題でもあるのだろう。

  • 「マジョリティであれば差別や偏見による被害を受けることもなく、そもそも差別や抑圧にすら気づかずに済む特権がある」(P194)。一橋大学カミングアウト事件を基軸にこうした社会構造を剔出したもの。教育機関に職をもつ者として自己研修として読みました。

  • 【請求記号:367.9 マ】

  • 当事者でも対応を間違うのだから、満点を狙うより、「公的機関に匿名でいつでも相談できる」ってことを知っておくのがいい。

  • 矮小化

全30件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1994年生まれ。ライター/一般社団法人fair代表理事。著書に『 LGBT とハラスメント』(集英社)、『あいつゲイだって アウティングはなぜ問題なのか?』(柏書房)などがある。

「2023年 『50歳からの性教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松岡宗嗣の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×