怪談未満

  • 柏書房 (2022年7月25日発売)
3.11
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784760154623

作品紹介・あらすじ

■かいだんみまん【怪談未満】
怪談とまではいかないけれど、今もわからないままのこと、
ずっと腑に落ちずにいること、少しゾッとしたときのこと。

■あらすじ
冷蔵庫と収納棚との隙間にいる〈なにか〉、
メールの文面から生まれたもう一人のKさん、
国内線のスープと結びつく祖母の死の記憶、
そして、私の中に初めて〈人間〉が宿った日――

〈日常の不気味〉と〈産むことの不思議〉をテーマに、
なんとも腑に落ちない話ばかりを集めた27篇のイラスト・エッセイ。

数多くの装画やグッズデザインなどを手掛けるイラストレーターであり、
エッセイストとしても評価される三好愛の日常的非日常な世界へご招待。

“自分の中に自分以外のなにかがあり、自分の意志とは関係なく変化していく過程は、とても不思議なもので、その不思議さに、妊娠中はずっと振り回されながらも、魅了されていました。出してしまえば、それはただただかわいい人間だったわけですが、なにが入っているのか直接見たりさわったりできない出産までの約九カ月間は、内部から自分の体が乗っ取られ、じわじわと自由を奪われていくような、奇妙な夢を見ているみたいな、忘れがたい時間でした。”(「なにかいる」より)

感想・レビュー・書評

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  • 怪談未満という造語をもとに、日常の中のもやもやしたことや少しゾッとしたときのことを描いたエッセイ。
    著者は様々な装画や挿絵などを手掛けるイラストレーターでもある。少し不気味ながらもかわいらしい表紙に目がいく。
    著者の感受性の豊かさがよく伝わってくるエッセイだ。その視点はなかったな、とか、ゾッとするものや咀嚼しきれないでいるものは人によってかなり異なるものだと、本書を読んで改めて思った。そこが興味深い。
    前半は日常生活における怪談未満、後半は出産・育児における怪談未満な小話が綴られている。
    章ごとにかわいくも不気味なイラストが挟まれているのも良き。
    怖いものを求めるというより、日頃何かにモヤモヤしていて、著者の三好さんもこんなふうにもやもやするんだと共感するもよし、逆に自分は今までそんなことにゾッとしたことはなかったけど三好さんはゾッとしたんだなと気づきを得るのもよし、な一冊です。
    とにかくイラストがかわいい。

  • この「怪談未満」と言うタイトルと、帯に書いてある「ぞわっ…?」と言う文字と、なんとも言えない可愛いけれども何者かわからない表紙のイラストで、著者の名も知らず、あらすじも調べず直感で買った本。
    大分、思ってたのと違いました。
    てっきり、日常ゾワゾワ話かと思った先入観のせいで、途中から「なんだこれは、なにを読まされているんだ」と思ってしまったのですが、しかし内容は面白いのでエッセイだこれは、と思い直して読み、最後のあとがき代わりのような文を読んで納得。
    そう言う感じで出来上がったもののようで、途中でお子さんができたことで内容に変化があったことも含め、おそらく手にしたものが「怪談」に惹かれたとすれば思うであろうところまで予測した上で作られた本でした。

    読み終えて見ればなんてことはない、日常綴ったエッセイなのです。本業がイラストレーターなので、一話ごとのイラストは内容に沿ったもので、かつ不思議だったり可愛かったり、ほっこりしたりします。
    赤ちゃんが産まれてからの内容は、出産経験者であれば共感もあることだろうと思うし、そうでなくとも、著者の感性と場面の描写に想像力を動かされるかと思います。
    イラストがメインのお仕事かもしれませんが、言葉を大切にされる方という印象を持ちました。ご自身の感じたものを文章にされるのがお上手だなと。
    読みやすく、時に笑い、時に少しもやっと、じんと、させられた本でした。

    ワンカップの話、好きです。
    ただごめんなさい、集合体ダメなので、100頁の絵は本を落としそうになりました。同じ方は読む時気をつけてくだされ。

  • 怪談未満|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note
    https://note.com/kashiwashobho/m/m46263d6db0f5

    怪談未満 - (一般書/単行本/日本文学、評論、随筆、その他/) 柏書房株式会社
    http://www.kashiwashobo.co.jp/smp/book/b607496.html

  • 過去、日常、妊娠〜出産のエッセイ。
    怪談 未満 なので、怖い話では無い。

    なんてことない出来事とか、誰にでもありそうな日常の話だけど、共感する所がちょこちょこあって楽しく読めた。そしてイラストがかわいい。ほんとかわいい。

    無限に繰り返されるおむつと授乳と井之頭五郎の食事に笑った。

  • 読了。基本的に「怪談」とタイトルに付いていれば目が向いてしまう体質で、その上この本はおやおや「シリーズ ケアをひらく」でよく見かけるあのプラナリアっぽいかわいさのあるあのイラストと同じ人が描いたっぽい表紙じゃないかと思い手に取った。めくってさっそくカバーそでに「注:お化けとかは出てきません」と書いてあった。
    全体にとぼけたテイストのエッセイですごく好きな感じだった。途中で、おやおやおやおやこの文章は表紙を描いたのと同じひとが書いているな?ということに気づいた。
    食べ物に関する記述がすごく良かったので、もっと読みたい気がする。
    あと「人と家電と死番虫」という章で拙宅に時々1匹だけで出てきておとなしく退治されていくあの小さな茶色い丸い虫の正体とどこかで大量発生している可能性のネタバレを食らい、長年の見て見ぬふりが思いがけない形で破られた。

  • 素直で軽い語り口で、文章がスルスル入ってくるエッセイだった。

    日常の話と妊娠出産の話で章が分かれていて、日常の話はちょっとした忘れてしまいそうなモヤモヤやゾッとした話を言語化することで、筆者が自分を再発見したり改めて悩んだりしている様に読者としても共感できた。
    妊娠出産の話は、個人的には読んで良かったと思うけれど、好みは分かれそう。妊娠や出産が大変なことだというのはイメージや知識で知ってはいても、想像だにしない不調や不安をもたらすものなのだと思った。
    ちょっと読んで肌に合わないと思ったら、日常の前半を読むだけでもいいと思う。


  • おばあちゃんのマンションのエレベーターと同じ匂いして喜ぶ作者に、仕事相手からカビですねって言われたの笑ったw

    妊娠してからの話しがニンプ様て感じで私は無理だった
    それまでの、不思議な怪談未満な話は面白かったりしたが、イラストで人気を誤魔化してる感も否めない(ハッキリ言ってしまうが)
    本当妊娠までは良かったのに、そこからはもうただのエッセイで正直つまらなかった(作者にとっては怪談未満だったのでしょうが)統一して欲しかったかなと、読み手としては思ったかなと。

  • 怪談だと思って読んではいけない。どちらかどちらいうと『嫌だなー』の話。

  • 怪談未満どころか、
    未満の未満で全然面白くなかった。
    ぼやーとしたエッセイがダラダラ続く。

  • すごくよかった また暫くしたらもう一度読みます

  • とても良かった…!

    特に、後半の出産育児編。
    怪談未満とは言えど、怪談と関連づけるの憚られる分野で、でも当事者としては怪談のようなモヤモヤザワザワ感があるんだろうな、と思えた。
    出産育児、キラキラ素晴らしいものとして語られる面と、しんどいつらい社会的にも大変さが認められていないと社会的課題として語られる面が多いが、個人の感覚としての不気味さ不安さ不可思議さをとつとつと語ってくれた本は初めてかもしれない。

    トークイベントに参加させていただいて、ですます調で書かれる事に触れられていたけど、このですます調で語られる事で、身近な人に話を聞いているような、ぐっと親近感が増すように感じる。

    これからも絵も文も期待しています…!

  • 2022/9/7 読了

  • 怪談未満。表紙も挿絵も全部かわいい。さらに、カバーの袖に「注:お化けとかは出てきません」ってこっそり書いてあって、さらにかわいい。

    内容は「今も分からないこと、腑に落ちずにいること、少しゾッとしたときのこと」にまつわるエッセイ集。丁寧でほんわかとした文体だけど、たまにゾワッとする表現があったりして、とても心地よく読めた。

    エッセイを読んだ後に、それにまつわる挿絵がついてくるんだけど、ここかわいいけど少し不気味な雰囲気が良いスパイスになっていた。

  • 三好さんの絵、好きです。

    1番衝撃だったのは、ブルーピリオドでキャラが美味しそうに食べている藝大のバタ丼を出す食堂がもうなくなったということ。ショック。いつか食べてみたかったのに。

    ギャラリーおじさん、いるいる。不気味でぞわっとする話というか、単純に性被害の話も混じっていました。つらい。世にも奇妙な〜とか、ホラーみたいなのを想像して読むと違うかな。
    そして途中から妊娠と子育ての章になったので、ちょっと変な感じでした。

    機内のコンソメスープの話にグッときました。

  • つい最近読んだ宮部みゆきの新刊のイラストを手掛ける筆者。目のつけどころが独特で、イラストの世界観とピッタリ。

  • 知らなかったが作者の三好愛はイラストレーターだそうで、表紙や中の挿絵も本人の手による物。「怪談といかないけれど今もわからないままのこと、ずっと腑に落ちずにいること、少しゾッとしたときのこと」を書き綴ったエッセイ集。
    もっと実話怪談や都市伝説に近いテイストを期待して買ったんだが、期待は外れ中身は割と普通のエッセイ集でした。
    だが、なかなか読ませる文章を書く人で期待外れの期待を外す面白さであった。

  • 淑徳大学OPACリンク

  • 怪談までいかない、日常のちょっとした「ゾッ」を記録するエッセイ。やわらかな語り口と、やっぱり絵がなんといっても素敵。

    派手さはないけど、しみじみいいな…と思える気づきにあふれてる。「暗くて、うざいね」のエピソード、ギャラリーおじさんのエピソード、「Kさん」とのエピソードが特に好き。

    妊娠出産の話も意外な着眼点があっておもしろい。コロナ禍の戌の日、胎盤との戦い、赤ちゃんがループする感覚は特におもしろかった。

  • 軽く読めるエッセイ
    妊婦の時に読むと共感出来るかも
    もう12年も前だし、初めての時は23年も前

  • 絵がかわいくって、内容が面白すぎて、
    くすくす笑いながら読んだ。

    この人の絵が大好き。

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著者プロフィール

イラストレーター。東京都在住。ことばから着想を得る不思議な世界観のイラストが人気を集め、装画や挿画を数多く担当するほか、クリープハイプや関取花のツアーグッズなども手がける。著書に、エッセイ集『ざらざらをさわる』(晶文社)、『怪談未満』(柏書房)がある。「みんなのミシマガジン」(ミシマ社)にてエッセイ「犬のうんちとわかりあう」を連載中。

「2024年 『ゆめがきました』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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