- 柏書房 (2024年10月28日発売)
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感想 : 16件
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784760155729
作品紹介・あらすじ
誰かに救われたり裏切られたりしながら、
世界への信頼を少しずつ取り戻していく。
幸福と絶望を行き来する
解離性同一性障害者の「普通の日常」。
「凄かった。読み終えると世界が澄みわたって見えた。生き延びて、なおかつ伝えることを諦めずにいてくれる碧月さんに心の底から感謝する。」
――村山由佳さん(作家)推薦!
【本書の内容】
虐待サバイバーで解離性同一性障害者。そんな過去や属性を聞いたとき、どう思うだろうか。怖い、可哀想、つらい過去を乗り越えた強い人、下手に関わらないほうがいい相手。あるいは、かつて「多重人格」とも呼ばれたこの病に、好奇の目を向けるだろうか。この社会では、正常とされる枠からはみ出た瞬間、一方的に判断され、傷つけられることが日常茶飯事である。
本書は、虐待サバイバーである自身の原体験をもとに、マイノリティの現状や課題について発信してきたライターが、主人格含む7つの人格と共に、パートナーにも支えられながら生きる「普通の日常」を綴った一冊だ。
“私は自分の言葉で、自分の日常を書きたいと思いました。幸福だった瞬間も、絶望した瞬間も。私という「人間」がこの社会で、あなたと同じように生きていることを伝えるために。読み終えたあとに、清廉潔白ではない、死に物狂いで生きている私の(私たちの)日常を、少しでもみなさんの心に残せたとしたら、この上ない喜びです。”
――はじめに 私の人間宣言
「交代人格」と共に、そばにいるパートナーと共に、この理不尽な社会に抗う様を記録した、気高きデビューエッセイ集。
みんなの感想まとめ
過去の虐待体験を持つ著者が、解離性同一性障害を抱えながら日常を綴ったエッセイは、深い痛みと共に希望を描いています。彼女は、苦しみの中で生き延び、支え合う人々との関係を大切にしながら、幸福と絶望が共存す...
感想・レビュー・書評
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重い話だった。人よりいろいろな被害に遭いやすいのはなぜだろうと考えた時、自分は親に守られていたのだと痛感した。未成年の頃、私も詐欺被害にあいかけたが親が出てくれたので無事にすんだ。被虐待児で、親に頼れないというのは、今見えていること以上に不利益を被っているんだと思う。過酷な日々をおくらなければならないことは理不尽だし、言葉もない。
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傷口は、塞がったかと思えば唐突にひび割れます。ぱっくりと割れたそれから流れ出すものを、日々少しずつ整理しながら、私は今日も言葉を紡ぎます。昨夜涙に溺れても、翌朝には朗らかに歌い、朝露に濡れる蕾を見て微笑んだりもします。幸福と絶望ら、同居しうるのです。
ーおわりに 幸福と絶望は行き来する より
過去の虐待体験などから解離性同一性障害を持つ著者による「日常」を綴ったエッセイ。
読みながら苦しくなる時もありました。読みながら微笑むこともありました。そしていろいろと考えさせられました。
痛みに苦しむこと、彼女を貶める人たちに傷つけられること、理解ある人たちに包まれ幸せを感じること、子どもたちの成長を見れる幸福感、さまざまな感情や体験が綴られている。
そこにあるのは、障害者と一括りにされない、著者自身の日常で人生。それを著者が全身全霊で伝えてくれたことで、障害ではなく人を見る姿勢を得られそうです。ずっと意識し続けるのは難しいけど。
共感よりも理解を、というのは同意です。
いつかみんなでごはんを、タイトルの意味がわかってちょっと泣きそうになりました。
これから少しでも著者とその身近な人たちに幸多からんことを。 -
性的虐待の被害者であり、さらに性暴力被害者でもある著者。
生き延びるための解離、虐待に起因する複雑性PTSD。苦悩しながらも、パートナーや周囲の人々、自身の守護者である交代人格の助けを借りながら、精神疾患とともに生きている。
かなり壮絶で、被害自体の具体的描写はほぼないものの、読む人が読んだら結構危ない。トリガーになりそうだという自覚がある人は読まない方がいい。
でも、世の中の性被害者に対する認識の甘さを思えば、どんな人にも読んでもらいたいものでもある。もしかすると、自分が被害当事者である人も、自分だけじゃないんだと思えるという意味では読む価値があるのかもしれない。支えてくれる人が側にいた方がいいとは思うけれども。
とても切ない本だった。
著者は、自分は強くないというけれども、それでもこうやって、自分の傷と向き合って曝け出して生きていかなければならない。それを強いてきた性加害を、それを放置してきた社会の認識を、心から憎いと思う。
仕事上、関わることがある私に出来ることは、彼らは悪くないと伝え続けることくらい。
せめてもう少し、なんとかできたら。
諦める以外に術のない痛みがある、という著者の言葉が、本当の意味でみんなに伝わるといいのに。 -
幼い頃からの両親からの虐待などで解離性同一性障害を引き起こした女性の日常を書いたもの。
•••ですが、この本についての感想など、
簡単には書けない•••
私などが容易に想像できるものでもない。
何を書いても、この碧月はるさんを苦しめてしまいそうで、とても怖い、そして難しい。
お子さんと過ごしている時の様子が、一番心安らかに読めたかもしれない。
彼女周りで、彼女を傷つけない、数少ない存在に救われる。
また生活を共にするパートナーの方や、友人たちにも頭が下がる。
私など、読んでいるだけで怖くなって竦んでしまう箇所もあったというのに。
目の前で解離性同一性障害の方に遭遇した時、どう言う行動を取れるかと、読みながら想像する。
ふと、認知症の叔母を思い出した。
かつて一流企業に勤め、オシャレで賢く、社交的で旅行好きであったあの叔母を。
私は同居してないけど、目が離せないという状況は変わらない。四六時中一緒にいたらやっていけるのか・・・なんて。
法整備、人々の偏見、社会の仕組み、いろいろな問題があることにも気付かされる。
こういう人を前にして偽善は役に立たない。
そして自分もいつ、同じようになるかも、誰もわからない。
碧月はるさん、書いてくれてありがとうございます。
「みんなでごはん」のみんな•••がわかった時、
その願いが叶って欲しいと心から思いました。
(図) -
凄かった
一言目の感想はこれしか出てこない
解離性同一性障害
言葉は聞いたことがあるけれど、実際に関わったことはない
読んでいる間中、ずっと胸が苦しかった
重ねてはいけない、そう思いながらも自分が受けてきたことを思い出しては、これ以上ページをめくれないかもしれない
そう思いながらも読み進めた
碧月さんの気持ちに、わかります、なんて簡単には言えない
でも、近しい気持ちになっことがないわけではない
あまりにも胸が苦しくて、いつもなら泣いている場面でも泣くことができずにいました
今日、澄み渡る青空の下
笑顔で過ごせることができますように
傷口は見た目にはふさがっているかもしれないけれど、ふとした拍子でまた開く
そんな傷は、私も持っている -
2024/11/25予約 2
虐待被害者であり解離性同一性障害となった著者。以前読んだビリーミリガンを思い出した。当事者でない自分がわからなくとも知ることは大切だ。ご本人にしかわからない辛さがあるだろう、いいパートナーがいることは救いだと思う。 -
感想
あまり変わらない。優しくされても困るし、厳しくされすぎるのも嫌だ。そんな当たり前。どうしたら叶えられるのか。みんなで考え続ける。 -
表紙の絵とタイトルに惹かれて図書館で借りてみた。
右上に小さく『解離性同一性障害者の日常』と書いてあった。借りてから気付いた。
しまった...これ読んだら苦しくなるかもしれないと思いつつ、読み進めて、あっという間に読み終えた。
親からの虐待を経て解離性同一性障害となった筆者の話。
苦しくなることはなく、、なんとも言えない感情。
だけど、読んでよかったと思える一冊に出会えた感
じ。
「共感よりも理解を」「同情よりも支援を」 -
配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01442474 -
解離性同一性障害の筆者の、日常をつづったエッセイ。
この本を書き上げるのにどれだけのエネルギーが必要だったか想像がつかない。
読んでいて、言葉を選んで書かれているなとひしひしと感じた。
読んでよかったと思う。
知識として知っていても、それはあくまでも外からの視点なので、こうして本人の内側からの視点を知ることができて、とても興味深く感じた。
それと同時に、知っていると思っていた自分を恥じた。
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寄り添うより、まずは正しく理解をしたくてこの本を手に取りました。エッセイの中で色々な本の一節の紹介もあり、理解を進めるためにそれらも読んでいきたい。
仕事でなく家族としての支援の仕方、難しいな。 -
幼少期からの虐待が原因で解離性同一性障害とともに生きていてらっしゃる著者の日常を描いたエッセイ。
目を背けたくなる経験をされていますが、著者が何を考え、周囲とそれをどのように乗り越えてきたのかが気になり、あっという間に読み終えました。
息子さんやパートナーさんと、少しでも穏やかな毎日が暮らせることを願います。
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女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000073866
