ナラティヴ・アプローチによるグリーフケアの理論と実際 人生の「語り直し」を支援する

  • 金子書房 (2017年7月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (228ページ) / ISBN・EAN: 9784760830374

作品紹介・あらすじ

  大切な人との絆、かけがえのない過去の記憶。
  語り直されるストーリーによって、
  喪失がもたらす贈り物に気づくとき、
  人生の再構築が始まる。
 
 喪失体験による深い悲しみ(グリーフ)を抱える人に対し、従来の支援では、共感的な関わりにより傷を癒すことが重視されてきた。本書ではさらにその先、遺された人が未来に向かって歩き出すことを目指す、語り(ナラティヴ)を通じたアプローチを提唱する。
 
 著者は大学で臨床人間学を教える傍ら、22年にわたり、グリーフケアの実践に従事してきた。
 本文中には、著者主宰による「痛みを分かち合う集い」の事例も多く登場する。
 喪失の語りが徐々に変化し、人生の輝きに光が当てられてゆくプロセスからは、「癒し」を超えた、生きることへの「希望」を読み取ることができる。

感想・レビュー・書評

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  • グリーフケアという領域であるが、(領域特化ではない)基本的なナラティブセラピーの理論と実践が具体的に示されている。とくにグリーフケアでの適用ではナラティブセラピーの特徴が際立っており、読者の理解が助けられているように思う。

    ナラティブセラピーと、従来的なカウンセリングとの最大の違いは、他者の存在の位置づけなんだとおもう。

    たとえば、ロジャース理論は、傾聴や共感などでナラティブセラピーと近い考えや手法を多く持つが、最終的には個人(の内の治癒力)に頼る。もちろん、傾聴するカウンセラーの人間性などが強調され、さらにはエンカウンターという考え方などで、他者の重要性は十分強調されるが、他者の働きかけによって、あくまで個人の治癒力が最大化されるという理論と理解している。

    一方、ナラティブセラピーは、語るということを通した他人の影響、協同、共有が治癒の中心であり最大のキーなのではと思う。
    ここから、さらに多人数のポリフォニーを重視するオープンダイアローグなどへの発展も非常に理解できる。

    私自身、人間の心は身体性(さらに言うなら環境も含めた世界全体)と一体であるということを深く感じるため、心の問題解決に他者との共同が重要であることは、非常に納得感がある。

    全体に、ナラティブセラピーの理論や手法がとても分かりやすく示されおり、理解が進んだ。ただ、本の内容よく理解できるのだが、最後に教育/ワークショップの解説があり、そのシナリオにそってセルフで挑戦してみると、大変難しく感じ、その実践は、容易ではないと感じた。

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