社会的構築主義への招待: 言説分析とは何か

  • 川島書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761006006

作品紹介・あらすじ

「ポスト・モダン」とか「ポスト構造主義」という言葉が聞かれるようになってから、すでにかなりの時間が経過しているが、そうした動向と心理学はこれまで一般に、ほとんど交差するところがなかった。しかし、心理学という学問が社会の中に根を下ろしているかぎりは、過去の歴史を見ても無関係ということはありえないのであって、そこに何らかの影響が生じて当然であろう。本書の鍵になっており、また、近年しばしば用いられてきている「構築」の語は、その両者の接点の役を担うものだと言える。ポスト・モダンの時代に、人間にかかわる諸科学を学ぶ人々の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 社会的構築主義と言説分析の関係について参考にした。

  • 社会構成主義関係では、ガーゲンの「あなたへの社会構成主義」に次いで2冊目。

    ガーゲンが、英米系の言語哲学などをベースとしながら、心理学を中心に実践を意識した入門書であったのに対して、こちらは、デリダやフーコーなどのフランス系のポスト構造主義をベースとした言説分析を中心としたもの。

    アメリカやイギリスでは、フーコーやデリダをなんか真面目に社会科学として研究しているなー、という印象をもっていたけど、まさにそういう感じの本だ。

    難解なデリダなんかも、実に分かりやすく解説してくれるし、社会構成主義の限界等も言及しながら、議論が進むので、それなりに便利。ガーゲンの本をうまく補完してくれる内容になっていると思う。

    個人的には、少し学問的、文献解釈的すぎて、もう少し実践にむけた議論が入っていればよかったかな。。。もちろん、言説分析については、実例も入っていて、そのプラクティスもちょっとだけ実感できるけど。

  • An Introduction to Social Constructionismの訳本。
    言語を習得することで、自他の区別が生まれる。パーソナリティや人格が言説として表れるのではなく、言説は言説としてただあるという考え方。本質主義に対する。
    社会的に流布する言説の影響により、個人の認識はそれを支持する形に歪められている(本来の認識というものがあるかは分からないが)。言説を意図的に選択することで、自分に都合のよい物語(narrative)を作る様子を研究することも含まれる。


    社会的構築主義の人は以下の4つのうち、1つ以上に賛成する。

    自明の知識への批判的スタンス(世界をよく見ればそのありのままがわれわれにきちんと与えられるという考え方に対し批判的・慣習的な知識の世界についての客観的で歪みのない観察に基づいている見方を疑う)

    歴史的および文化的な特殊性(世界を理解する方法=われわれが使うカテゴリーや概念の特殊性)

    知識は社会過程によって支えられている(知識は人びとがそれを互いに協力して構築する)

    知識と社会的行為は相伴い(われわれは世界の、多くの可能な「社会的構築」について語ることができる。世界の記述ないし構築は、したがってある様式の社会的行為を支持し、他のそれを退ける=アル中は治療、酔っ払いは自己の責任なので非難する)

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