手にとるように哲学がわかる本

著者 :
  • かんき出版
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本棚登録 : 180
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761265298

感想・レビュー・書評

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  • 初心者向けではあるが、380ページとボリュームが多く、西洋哲学のみならず東洋哲学や科学哲学、生命・環境倫理まで取り上げており幅広く網羅している。
    ただし、P73の「不動の動者」のイラストは某ギリシア哲学の先生曰く「矢印が逆では?」との指摘もあり、著者の専門外まで幅広く取り上げたせいで、内容的には多少問題がある部分があるのかもしれない。

  • 哲学者の名前は知っているけれど、どの時代に唱えたものか定かでなかったので、その部分が多少整理出来た。ただ東洋哲学だけが別にされているため時系列に組み込まれていなかったことが残念。わかりやすくをうりにしている本なので仕方がないと思うけれど読み終わったあと、なんとなく物足りなさを感じた。わかりやすさの点では良かったと思う。

  • ○古代~中世
    ・プロタゴラス「人間は万物の尺度である」
    ・アウグスティヌス「大切なのは過去でも未来でもなくこの一瞬なのだ!」
    ・オッカム「少数の論理で良い場合は、多くの理論を立ててはいけない」

    ○近代
    ・フランシス・ベーコン
    真理を受け入れない4つの敵
    -錯覚に陥りやすい
    -性格に偏りがある
    -曖昧な言葉遣い
    -伝統や権威に弱い

    ・デカルト(大陸合理論:理性)
    人間の感覚・数学・現実世界の一切を疑う
    -独断と偏見を避けながら、自己が真実であると考えたもの以外は受け入れない
    -研究しようとする問題を、解決が容易な小部分に分ける
    -考え方と順序を、単純なものから複雑なものへと方向づける
    -全体を見直す
    ・ロック(イギリス経験論:経験)
    自然状態では各人の生命・自由・健康・財産は元々保証されているものの、保証は不安定で人々は合意の上で各人の権利を犯した場合の処罰権を公権力に委ねる。革命権・抵抗権を保証する。

    ・カント(理性と経験の統合)
    -純粋理性批判
    対象のあるがままの姿を人が認識するのではなく、ある枠組みに従って対象を構成することで認識する

    -実践理性批判
    もし何かの基準に従って行動するときは、それが他のあらゆる人間にも当てはまるような基準に従って行為せよ。但しその場合、自分も他人も、道具や手段として扱ってはならない(枠組み=道徳)

    -判断力批判
    理性において錯覚に陥りながらも、行為によって錯覚を乗り越えていくことをたえず希望する存在という人間像

    ・フィヒテ
    私が存在しているのだから、私以外も存在している

    ・ヘーゲル
    絶対精神が目覚めるプロセスが歴史
    相手の主張を認め(テーゼ)、それと矛盾する立場を相手の前提から導き出し(アンチテーゼ)、最後にその2つの立場を総合する高次の立場を見つける(ジンテーゼ)
    →螺旋状に進化していく

    ・マルクス
    ヘーゲル哲学を批判し、行動に移す

    ○現代
    ・ニーチェ
    目的もなくただ生きる・無意味な人生が永遠に繰り返すことを永遠回帰と呼び、そうではなく人生を力のかぎり肯定視、むしろ押下して生きることで、ニヒズム(虚無主義)を克服し、成長していく人間(=超人)が理想像

    ・フロイト
    自我は、超自我の監視をうけながら、欲望(=エス)の衝動を満たしたり先送りしたして調節

    ・サルトル
    実存は本質に先立つ。自分の行動を自身で選ばないといけない実存の状況は自由に呪われている。その状況を逆手にとって、世界に積極的に参加せよ。

    ・バルト
    記号表現と記号内容が表裏一体となった記号そのものの外示と、さらに高次の意味を持つ内容となった共示

    ・フーコー
    狂気はヨーロッパの歴史の中で生み出され、社会構造の変化と共に役割が変わっていった

    ・ネグリ/ハート
    主権国家の地位が相対的に低下し、地球規模のネットワーク上の権力(=帝国)が出現

  • 何が正しくて、誤っているか。そのことで悩んでいた時、哲学に出会ったことで救われました。
    一時期、哲学にはまっていましたが、またマイブームが来ています。

  • 哲学とは自分を知る学問。哲学は自分を知るための思考法。この本はその哲学を分かりやすく書かれています。序章で哲学というものをとらえ、残りの章で気になる所を読むといい思います。

  • 気楽に読める哲学の入門書。一見すると分厚いが、字もそこそこ大きく図解が多い為、見た目ほどのボリュームはない。
    哲学者一人当たりに割り当てられているページ数が少なく、イラストも大きく入っているためにやや急ぎ足に過ぎる印象は否めないが、各章の前にその時代の哲学の概要を説明し、時勢との関係についても触れているので、大雑把な流れが掴みやすい。筆者による「好き嫌い」が鼻につかないのも良い。
    基本的には西洋哲学が中心だが、入門書ではあまり触れられることのない東洋思想や現代の哲学の傾向などにも多少のページを割いており、哲学に興味を持った人が足がかりとするのに向いている。

  • 哲学のダイジェスト
    イラスト入りで分かりやすい

    プラトンの言うイデアはオブジェクト指向で言うところの
    オブジェクトに似てるんだと思った。

    哲学は「知を愛する事」から始まる。
    多くの自然科学やなんちゃらの元となっているみたい。

    なんでも深く掘り下げて行く事は大切みたいだね



    そして
    正解はないよね。


    いろんな人が生涯をかけて考えた事が,長い歴史の中で上書きされ続けている。

    たぶんこれからもずっと



    忘れちゃいけないことは
    考えるときの主語は「わたし」

    Keyword
    マルクス,フランクル,本居,パスカル,ニーチェ,神は死んだ,キリスト教は所詮貧しい人が今の人生での恨みをどこかではらそうと神にすがっているだけ,ニーチェはそこに疑問を抱き,神は死んだ,ピタゴラスはすべては数字で記述できると言った,コペルニクス的転換

  • タイトル通り、手にとるように哲学の「さわり」がわかります。

    哲学に初めて興味を持った方におすすめです。

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著者プロフィール

1971年、東京生まれ。東洋大学博士後期課程単位取得満期退学(仏教学専攻)。
研究・関心の領域としては比較思想・トランスパーソナル心理学・メタ理論研究・妖怪学。
相模女子大学非常勤講師を経て、現在、東洋大学井上円了研究センター客員研究員。
2016年~2019年、EMS(エッセンシャル・マネジメント・スクール)公認講師。
関心領域につき、不定期でレクチャーを開催。
単著に『手にとるように哲学がわかる本』(かんき出版)、『水木しげると妖怪の哲学』(イースト・プレス)がある。
共著は『インテグラル理論入門Ⅰ&Ⅱ』(春秋社)。
主な論文に「往還存在論の試み」(『たぐい』vol,2)、「井上円了と民俗学」(『論集 井上円了』教育評論社)、「円了妖怪学における真怪の構造」(『国際井上円了研究』第二号)、「妖怪の存在論」(『トランスパーソナル学研究』第一四号)など。

「2020年 『入門 インテグラル理論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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