教科書やニュースではわからない 最もリアルなアメリカ入門

著者 :
  • かんき出版
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761268107

感想・レビュー・書評

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  • なかなか面白い1冊です。
    今までに無い視点からも多く、気が付かされる、 そして参考になる点も多かったです。
    改めてアメリカについて学ぶ事ができました

  • 現在、日本は世界的金融危機の中で「TPP」、「円高」そして「原発問題」など様々な問題を抱えています。
    そして、山積する問題の中には、時として日本を追い込むような形で、アメリカが関与するものが多くあります。
    来年(2012年)、アメリカは再び大統領選の年を迎えます。このアメリカをどれだけ深く、正確に知るかが私たち日本人の「これから」にとって目下の鍵となるのではないでしょうか。
    著者・原田武夫は、元外交官で、外交官時代に北朝鮮担当としてアメリカに対峙した経験を持ちます。
    世界的な金融メルトダウンの中、ヨーロッパもアメリカも日本が倣うべきシステムを見失っており、これまでのように、米欧の後を追うだけでは、立ちゆかない現実が目前にあります。

    「近くて遠い国アメリカ、その本当の理解のために」
    そして
    「アメリカをとおして日本と世界を知り、これからを考えるために」

    そう願い、アメリカ、そして国際社会の分析で定評のあるIISIA代表(CEO)原田武夫が筆を執りました。

  • 元キャリア官僚が執筆したアメリカ分析の本です。いかにアメリカが特殊な成り立ちの上に築き上げられており、その「真実」を知らない限り日本や世界を巡る実情がわからないかを思い知らされました。

    筆者より献本御礼。ですのでこれに関しては久々にメモを取って読みました。経歴をさっと見てみると筆者は元キャリア外交官のコンサルタントで、最後は北朝鮮を担当して退官されたそうですが、多分、筆者は外務省ではアメリカン・スクール(アメリカを中心とする派閥)出身なのかなぁと思ってしまいました。

    大変不勉強な話で申し訳ないのですが、僕は筆者の作品を読むのはこれが初めてで、アメリカの分析に関しては日高義樹さんの本と「ワシントン・レポート」という彼がホストを勤める番組を何回か見たことと、ビジネスマンでは伊藤忠商事の丹羽宇一郎氏が頭に浮かぶ程度の話で、商社の目的である利益の追求対象として分析するアメリカと国家戦略の対象として分析するアメリカではまた違いがあるんだな、という思いを抱きながらページをめくっておりましたが、いまや、冷戦が終わって、ここでいうところの「金融メルトダウン」で大きな痛手を背負いながらも唯一の「超大国」として君臨し続けるアメリカの「真実の姿」をここでは示してくれます。

    「TPPとはアメリカの罠なのか?」に始まり、「円安ドル高をなぜ『是認』するのか?」「Googleによって日本は『情報統制』されているのでは?」そして「Facebookは『革命』を起こすツールではないのか?」など、非常にスリリングなことが書いておりました。

    序章にあるエネルギーに関してはアメリカが実は石炭の埋蔵量が世界一だということに衝撃を受け、第1章では『マニュフェスト・ディスティニー』の名の下に『自由を求めるものがほかの自由を奪う』というなんともアンビバレントなことをインディアンたちにやってのけたということや、イギリスからわたってきたピューリタンとフリーメイソン、独立をめぐる宗主国であったイギリスとの対立が記されており、本質的にアメリカとイギリスがあまりがよろしくないんだな、ということがわかった気がいたしました。さらに『千年王国』や黒船来航の本当の理由もうならせられました。

    第2章では金融帝国主義と戦争国家であるアメリカとその裏で蔓延する麻薬とのかかわりが描かれ、CIAがその一翼を担っていたという一文には衝撃を受けました。

    第3章ではアメリカはいくら借りていて、借金を支えているのはどこか?さらに冷戦の崩壊でロシアに何がもたらされたのか?これからアメリカはどこへ行こうとしているのか?それに関する詳しい分析が書かれ、借金をこれだけ重ねながらも『破産』しない理由がなんとなく読めました。

    第4章で僕が注目したのは歴代大統領の人物像と、オバマ大統領は何者か?というところで、彼がどのようにして選ばれたのか?どのようにして大統領は選ばれるのか?という言及も書いてあり、すばらしかったと思います。特に大統領になる前はインテリジェンスにかかわっていというところも衝撃的でした。

    第5章ではインターネット、ならびにソ-シャルメディアについて書かれており、インターネットが重要な『国家戦略』になっているということや、『アラブの春』を代表として『革命』のツールとして使われるソーシャルメディア。さらに近年台頭を続けるスマートフォンがそれを助長しているということ。そういう話を聞くとなぜ、オバマ大統領はIT関係の経営者を招いて晩餐会を行ったのか?その理由がわかる気がいたしました。

    第6章では日露戦争でアメリカが協力した本当の理由や太平洋戦争(大東亜戦争)はマネー敗戦によるものか?というくだりも面白かったです。最後に2013年以降の日本はアメリカに対してどう対処していけばいいのか?という話は世界各国。特に日本に対して数々の「ムチャ振り」をし続けるアメリカに対していかに毅然とした振る舞いができるかということを考えさせられました。

    日米同盟が日本外交における「至上命題」であるとして、アメリカと今後いかに付き合っていくか、それを考える上で参考になる本であると思います。

  • 内容的にはそこまで深いものはなく、むしろ広く浅くアメリカの歴史や成り立ちが書かれている。でも自分のようにこれから学ぼうと考えている者にとっては、非常にわかりやすい本だったと思う

    アメリカに限らず世界の国々が、何より自分の国を生存させようと虎視眈々と構える渦中で日本はどうするべきか、何を実行していくべきなのか、考えていかなければならないのだろう

  • スタンスが偏りすぎていると感じた。
    ご本人が詳しい、経験されていることには違いないのであろうが、あまりに主観的すぎてリアルとは感じられない。

  • アメリカ入門、という割には部分的な情報、歪んだ解釈が多い気が。。。

  • 知らない事だらけだった。子供たちが歴史の勉強をしだしたら教えたい。

  • アメリカの構造、歴史、考えなどを多角的に取り上げる。
    歴史や選挙の構造などは、若干網羅的で冗長な印象も受けた。

    それでも、アメリカが推し進めるマネタリズムが90年代に始まったわけではなく、1900年ごろ、帝国主義を植民地主義とは別の方法で推し進める一環ですでに始まっていた、というのは面白かった。
    ここ数年のドルの凋落においても、自国のアイデンティティや成り立ちをそういったマネタリズムを始めとした資本構造に依存している以上、今後の策を練っているというのも納得できた。

    ただ、歴史的な円高が、今後人為的に引き起こされる日本の金融バブルで一儲けするためだ、というのはいささか飛躍してる気もする。

    いずれにしても、マスメディア、インターネットで発信される代表的な論議や主題だけでなく、各国の持つ歴史的な背景、経済的な構造、取り上げられない話題についても明るくありたいと思った。

  • 以前は新聞を真剣に読んだり、日曜日の午前中にテレビでやっている討論番組を見れば、日本や世界の経済状況がわかると信じていた時期がありました。しかし私の理解力のないせいか、さっぱりわからず断念した経緯があります。

    最近たまに見ても、「なぜ肝心な論点を外すのだろう」と疑問に思うことが多くなります。テレビ番組の性格上、一人に与えられている時間が少ないので「メッセージ」しか発信できず、それを裏付ける説明やデータはありません。そこで私は読書をするほうを選びました。

    この本は、最近読むようになった原田氏によるものですが、元外交官の経験を活かして、アメリカが何を考えているのかについて考察しています。日本マネー略奪計画といわれても、財政赤字が多く、最近では貿易赤字まで増えてきた日本からどのように略奪するのかわかりませんが、特に年配の方が保有している資産を吸い上げていくのでしょうか。

    若いと思っていた私も、あと10年程度で、いわゆる年配組になってしまいますので、その時に資産があるかどうかはともかく、アメリカがどのような戦略を持っているのかは今後とも勉強していこうと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・アメリカは未来に渡って大丈夫そうである、日本比較で人口ピラミッド(構成)に大きな変化が見られず、若くて分厚い労働者=消費者が存在し続けるから、ただ一枚岩ではない(p24)

    ・アメリカの投資銀行で最も重要なのが、スティーブンス・グループ(1933創業)である、ウォール街で活躍するものを除き、アメリカ最大級の投資銀行でアーカンソー州に本拠(p30)

    ・アメリカ人と話すとき、彼らが信じている宗教を聞いてはならない、宗教の話題さえもすべきでない(p31)

    ・アメリカが大きくなるにつれて生まれた2つの対立軸とは、1)強力な中央政府をもつべきかどうか、2)奴隷制を認めるかどうか(p38)

    ・オバマ大統領の演説の特徴、1)実演(話している内容の証明が、話して自身である)、2)再現(同じ構造の文章を繰り返す)、3)イデオグラフ(インパクトのあるフレーズを用いる)(p47)

    ・オバマ大統領は、コントロールできない例外として、1)大地震発生、2)原油価格高騰、3)他国経済が著しく変化した場合、をあげている(p47)

    ・アメリカが始まったのはイギリスからの移民が初めて定住した1607年から、ヴァージニア州ジェームズタウン(p57)

    ・アメリカの持っている別の顔として、閉鎖的・ルールに縛られた秘密結社が無数に存在するという面がある(p60)

    ・イギリスの経済状態が悪くなったのでアメリカに重税を課そうとしてできた法律として、1765年の印紙法がある(p64)

    ・ワシントンに任命された財務長官は、独立戦争で発生した1.5億ドルの借金は、中央銀行を設立してそこに国債を買ってもらえばよいとしたが、最終的に廃止された、その結果1812年には第二次米英戦争が起きる(p65)

    ・アメリカが日本にやってきた最大の目的は「通商」そのもの、よく言われる「石炭・薪の供給地」というのは、議会対策のための方便(p77)

    ・太平洋戦争で沖縄で多くの兵士が血を流したのは海軍、降伏してから厚木にやってきたのは陸軍(マッカーサー)アメリカから見れば、沖縄は海軍、本土等は陸軍の領域となる(p79)

    ・オバマ大統領が署名(2011秋)した大統領令(23954号)によれば、日本の自衛隊がアメリカ本土に駐屯できるようになった、オハイオ州メリーズヴィルにある日本の有力企業の工場警備のために数千人が配備される予定(p108)

    ・連邦議員の上院議員のステータスは高い、弾劾裁判権・条約の批准承認権・大統領指名人事の承認権(上院のみ)下院議員の2年にくらべて6年任期と長い(p146)

    ・海軍技術研究所に勤務していた優秀な技術者たちが、いっせいに日本企業へ転職していったので、松下・ソニー・NECなどは現在の地位を築いた、製品の世界マーケットでの販売は形を変えた戦争継続であった(p215)

    ・2011年秋頃からアメリカの名だたる経営コンサルティング会社のトップは、これからは東アジア、特に日本と国際会議で発言し始めている、これは日本メディアが全く語らない真実(p222)

    2012年6月24日作成

  • 『アメリカの「錬金術」』
    米国債を刷る→国民の生活が豊かになる→アメリカにものを売る他国も儲かる→その儲けたお金で再び米国債を買う

    【2013年以降の日本そして世界は?】
    ①欧米は「アジアからの富の奪還」を狙う
    ②「円高ドル安」は2013年春まで続く
    ③日本は歴史的な金融バブルに突入する
    ④「持たざる者の反乱」が世界で起こる

    日本は欧米に続き、2013年頃に激動の時代を迎える。
    「団塊の世代」が年金受給者となり始める2013年。

    「日本は危ない。団塊の世代が続々と年金受給者となる中で、少子高齢化が進んでいるからだ。誰がそれほど莫大な年金を支払えるのか?日本はもう終わりだ」

    などといった情報が流れ始め、日本のマーケットで大暴落が始まる。

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著者プロフィール

株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役CEO。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格、外務省に外務公務員Ⅰ種職員として入省。アジア大洋州局北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)などを歴任し、2005 年、外務省を自主退職。2007年、株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)を設立。2017年より国際商業会議所(ICC)G20 CEO AdvisoryGroupのメンバーを務める。2022年より学習院女子大学で教鞭を執る。『PAX JAPONICA The Resurrection of Japan 』を英国にて出版(2017年)。その他、日独英で著書・翻訳書多数。2023年に立教大学大学院人工知能科学研究科にて修士号取得。独自の手法により作成・提示する「未来シナリオ」は、大きな反響を呼んでいる。

「2023年 『図解でわかる! 2030年の未来予想図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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