英国海兵隊に学ぶ 最強組織のつくり方

著者 :
  • かんき出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761268572

作品紹介・あらすじ

ベトナム戦争以降、軍隊のマネジメントは、中央集権型の「コマンド&コントロール」から、権限委譲型の「ミッションコマンド」に移行した。その理由は、対テロリスト戦という不確実な敵と、多国籍軍という不確実な味方とともに戦わなければならないという、戦争が2つの意味で変わったことに対応した結果である。

ミッションコマンドは、現在、NATO軍に加盟する先進国の軍隊、つまり最強の組織で運用されているマネジメント手法。それを、元英国海兵隊の将校であるダミアン・マッキニーが、ビジネスに応用したマネジメント手法として構築したのが「ミッションリーダーシップ」。

ミッションリーダーシップは、企業の目標であるビジョンの実現に向け、実現のためのステップであるミッションを一つひとつ達成するために、全メンバーがリーダーシップを発揮しながら個人やチーム、組織のパフォーマンスを格段に向上させるマネジメント手法。

本書は、このマネジメント手法の紹介と導入、定着の方法を、軍隊のエピソードとともに解説していく。

感想・レビュー・書評

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  • 今さら軍隊式マネジメントかと思いきや、そんな私の先入観を払拭してくれる内容でした。
    「敵」と「味方」のあり方が変わった現在、そのことを反映したマネジメント手法は、
    非常に有効な方法であることがよく理解できました。
    登場する3つの事例の中では、アポロ計画が最もわかりやすく、解説が秀逸です。
    欲を言えば、実際にミッションを細分化してみると、whatとhowの区別は実は非常に難しく、そのあたりをどう考えるか、もう少し情報が必要と感じました。
    非営利活動やまちづくりの関係者にもお薦めの一冊です。

  • *****
    モチベートされるビジョンがあり、
    明確に定義されたミッションがあり、
    そのためのアクションは現場任せ。
    *****
    ミッションマネジメントが実践されるのは、
    「その方が死ぬ確率が低い」ことが「経験的」に
    分かってるから。
    ミッションマネジメントが実践されるのは、
    本気で実践しなければ「人が死ぬ」から。
    その積み重ねは、重い。
    *****
    軍人が戦場で、生き残るために実践した思考パターン。
    一瞬一瞬を密度濃く積み重ねて行く。
    *****

  • 制約をきちんと明示することで、権限委譲がうまくいくということ
    ASPIRE

  • 『感想』
    〇軍隊は組織としての失敗が死につながるから、本気でミッションリーダーシップを実践する。ここに最強組織のつくり方のヒントがあるということだった。

    〇第3章の現実の事例の解釈は納得できるものだった。それに比べて第4・5章の架空の事例解釈は心に響かなかった。リアリティがないと思ってしまうんだな。

    〇本気で組織として取り組まないと、個人も組織も最強と呼べるものにはならないことはわかった。

    『フレーズ』
    ・「夢を語り」「簡潔な言葉で話し」「部下に自由を与え」「部下の士気を高める」といったことこそ、リーダーに求められている言動、すなわちリーダーシップにほかなりません。(p.53)

    ・夢のあるビジョンを掲げる方法(p.138)
     簡潔明細であることの1つの指標は、文字数です。ビジョンが長い文だと、理解することも記憶することもできません。組織のメンバーによって解釈が異なってしまうようなビジョンも、よいビジョンとはいえません。ビジョンは、一字一句そのままがメンバーたちに浸透し、共有されるものでなくてはならないのです。
     組織の独自性が表れているかどうかも、重要なポイントです。

    ・達成可能なミッションを設定する方法(p.140)
     ミッションに美辞麗句はいりません。今年、今月、あるいは今週というように時期を区切って、現実になすべきこと、確実に遂行すべきことが、明確に示されなくてはなりません。
     ミッションの設定においては、「何」と「なぜ」を明記します。ただし、「どのように」は入れません。ミッションを「どのように」達成するかは現場の担当者に任せるのです。(略)ミッションの達成の仕方は、現場でその都度、自由に判断すべきことなのです。

    ・リーダーシップを発揮するためのASPIRE(p.149)
     Aim(目的)Situation(状況)Plan(計画)Inspire(示唆)Reinforce(強化)Evaluate(評価)

  • 戦争が対国家から対テロリストに変遷する従って軍事オペレーションも中央集権型から権限委譲型へ変化していったというのが面白い。現場で柔軟かつ臨機応変に判断出来ない場合、死に直結する軍隊ならではの戦略転換であろう。

    肝心の内容はというと残念ながら至って一般論に仕上がっている。英国海兵隊のエピソードが申し訳程度に差し込まれる程度。本書で説く「ビジョン」「ミッション」「リーダーシップ」の重要性はその通りだが、ありきたりのビジネス書的内容になってしまっており、事例が面白いだけに惜しい。

    ギリギリの緊迫した世界で判断を迫られる軍隊だからこそのエッセンスをもう少し取り入れてほしかった。

  • 軍隊がらみの最強組織本が濫立してる感がありますが、乗ってみました。

  • マネジメントがうまくいかず悩んでいたが、ひとつのヒントを見つけた。付け焼刃でどうにかなるものではないが、一つの選択肢として身に着けたいと思う。

  • 古典的名著。

    権限委譲型軍隊式マネジメントをビジネスに応用。

    ・ビジョンとミッションとリーダーシップ
    不確実な敵(ゲリラ戦、テロリスト戦)、不確実な味方(多国籍軍)への対応のため

    ・アポロ計画を成功させたケネディのビジョン
    簡潔
    夢を語る
    実現期日明示
    ミッションが3つ
    メンバーとの信頼関係


    びっくりする内容はないけれど、深みはある。

  • 題名に惹かれて購入。
    海兵隊で実施しているミッションコマンドと言うマネジメント手法を応用した元海兵隊員が立ち上げたコンサルがビジネス用にアレンジしたのがミッションリーダーシップ。
    書かれていることは他のビジネス本とそう差が無いように思う。

    内容を簡単に紹介。
    ビジョン 簡潔で夢を与えるビジョンを設定する。また明確な期日を設定する。
    例はアポロ計画のビジョン「10年以内に人類初の月面着陸を成功させる」

    次にビジョンを達成するためのミッション(日本語だと計画と訳せば良さそう)
    同じくアポロ計画ではビジョンを達成するためのミッションをたてる。
    ミッション1 マーキュリー計画 有人宇宙船の成功
    ミッション2 ジェミニ計画   ドッキングの成功
    ミッション3 アポロ計画    月面着陸の成功

    ミッションの実施方法は現場指揮感に全てまかせ。司令部は必要な支援のみを行う。
    対テロ戦争では現場の状況が刻々と変わり、司令部の指令に基づくコマンド・アンド・コントロール(命令と管理)では対応しきれず損害が増えた。
    現場指揮官任せにした方が損失が減ったと言うことらしい。
    ミッションの設定は何をとなぜは設定するがどうやっては設定しない。
    現場指揮感がどうやって(タスク)を自由に設定し実行する。権限と責任を現場に任せると言う考え方。

    最後にミッションを実施するリーダーに求められているリーダーシップ。
    夢を語る。 つまり夢のあるビジョンをメンバーに浸透させる。
    簡潔な言葉で話す。 ミッションに解釈の余地を与えないと言うことです。
    部下に自由を与える。 ミッションははっきりさせる変わりにどうやってはメンバーに任せる。
    部下の士気を高める。

    書いてることは明確ながらこの本を読んだくらいで簡単に実戦できるとは思えない。
    最後の方にちょろっと紹介してあるが、簡潔な言葉で話すのは簡単ではないし、タスクの実戦には部下の訓練が必要と有る。
    当然ながら訓練していない軍隊を放り出してミッションを与えても何もできない。
    まあだからこそこういうコンサルがいるんだろうけど。

  • どこかの会社の役員が人事担当の人間に「こういう本を読むように」と言ったそうな。 今年読んだ中で最も「得るもの」が少なかった一冊。

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