儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書

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  • かんき出版 (2013年2月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784761268954

感想・レビュー・書評

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  • ●儲ける仕組みのキーファクターは「お客様の用事」

    この目次でいう「お客様の用事」とは?

    商品やサービスを買うのは、その商品が「欲しいから」ではなく「用事を解決したいから」

    つまり「ニーズは結果」。
    着目すべきは「用事」となる。

    -----
    これはわたしが何か企画をプレゼンする際、最もモヤモヤしていたこと。
    他のメンバーが何かと「ユーザーのニーズを聞く」という手法を取りたがることに対して腑に落ちない感じを抱いていたにも関わらず、うまく説明ができませんでした。
    ニーズを聞くことが、マーケティング調査と思ってる人もすごく多くて、なかなか説得して前に進むことができなかった。

    けれど、著書の内容にあるように、ニーズを生み出すこと自体がプロの、お金をもらう側の「仕事」なんだと改めて思えました。

    例として「ドリルのニーズは『穴をあける』という用事から生まれたもの」ということが挙がっていました。

    この用事を解決することがニーズなのであれば、既存のドリルより、より簡単に穴をあけられるドリルを提供することも一つですが、
    お客様の代わりに「穴をあけるサービス」を提供したり、
    すでに「穴のあいているものを提供する」といったニーズも生まれるかもしれません。

    こう考えると、用事に対するニーズは1つではなく、ましてや既存のニーズに限ったものではないことが分かりますよね。

    ・・・つづく

  • BMCの要素+αをより分かりやすく説明したような内容。
    具体的例やブラッシュアップのやり方なども豊富に書かれている。

  • 9つの質問
    ①どんな用事を抱えている人をお客様にするのか?
    ②解決策として何を提示できるのか?
    ③どのように提案するのか?
    ④誰から儲けるのか?
    ⑤何で儲けるのか?
    ⑥どのようなタイミングで儲けるのか?
    ⑦どのような手順でやるのか?
    ⑧手順の中で何が得意なのか?
    ⑨誰と組むか?

  • 今抱えている課題を整理をするには、すっきりと使いやすい考え方でした。

  • 企画プランニングを如何に進めるべきかは、どの企業も頭を悩ませているだろう。
    個人的な経験であるが、「これから企画」というケースでよく見られるのが、情報が多すぎる もしくは、少なすぎるのいずれかである場合が多い。
    これは、何を明確にすべきかがはっきりしていないからかもしれない。
    この本には、これらが非常にシンプルに定義されている。細かく顧客要求を挙げ、品質要素に展開するアカデミックなQFDとは異なり、企画コンセプト=儲ける仕組みを明確にするためのフレームワークが示されている。
    この本で紹介されている「VRIO分析」で競争優位が見られない事業は、本当に頭を捻らないといけない。大いに参考にし、利用したい。

  • 顧客中心主義の儲ける仕組みのためのフレームワーク本。
    これはこれで納得できる。これ使っていろんな事業を評価してみたい。

    「片づけるべき用事」(jobs to be done)に着目して、それをビジネスモデルとしてつくりあげ、プロセスに落とし込むのに必要な検討手順が描かれています。顧客価値(ここでは片づけてあげたい用事)に貢献するかどうかを軸にVRIO分析ってのは、わかりやすい。

    そのうち、別の著書を読んでみようと思います。

  • いかにして儲けるしくみをつくるのか、シンプルなフレームを数種類用いて考え方、整理の仕方をレクチャーしてくれる一冊。
    ビジネスモデルを整理する9セルのマトリクスツールは実践的で使いやすい。言葉も平易なものが使われているため大変読みやすく、実際のビジネスシーンに活用しやすい知見が散りばめられている。

    ■ポイント
    ・まず顧客価値を考えよ、顧客中心主義
    ・利益が出ない3つの要因・・・決めるべきことの不足、決めたことの整合性、仕組みの陳腐化
    ・ニーズではなく、片付け無くてはならない用事に着目する
    ・支払った金額以上に感じるお得感こそが顧客価値
    ・何が売れているかではなくなぜ売れているか
    ・代替商品ではなく、代替可能なソリューション全てに着目して価格を決める
    ・誰から儲けるか、誰からは儲けないかを考えて決める
    ・儲けない顧客が儲ける顧客を連れてくる「顧客ミックス」

  • 〝儲ける〟というと、あまり印象の良くない言葉ですが、ここでは〝顧客中心主義〟とイコールの使われ方をしています。世の中にどのような価値を提案し、提供するかということと同時に、どのように適正利益を得るかということを、フレームワークを使って考えてみましょうといった内容です。不況が長引き、デフレに慣れてしまって、適正利益なんて・・・と誰もが思いがちですが、その前に懸命に考えることを忘れていたのかもしれませんネ。本書では、価値を創出する考え方を、とても丁寧に分かりやすく解説されていますが、けれどそれ以前に、情報収集力と理解力、発想力、想像力は必要不可欠のようです。

  • "2013年後半以降の世界経済、不動産市況を考える為に
    それに関係する本をたくさん読んでいますが、
    あわせてマーケティングの勉強もしています。"

  • ビジネスモデルを研究する自分にとって、本書は分かりやすさと質の点で素晴らしい!すでに★4.5が着いているが、納得。
    ・多くの会社では、顧客満足と儲けを別の部署が担当しているが、本来なら同じ人たちが考えるべき。
    ★まったくそのとおり。
    ・顧客のニーズを探るのではなく、ニーズのもととなっている「片づけるべき用事」を探れ。
    ★同感。
    ●ビジネスモデル:
    顧客価値について:だれに、なにを、どのように。
    (どんな片づけるべき用事をもった人か、解決策として何を提供するか、第対策との違いをどのように表現するか)
    利益について:だれに、なにを、どのように。
    (誰から儲けるか、何で儲けるか、どのような時間軸で(同時かあとか)
    プロセスについて:だれに、なにを、どのように。
    (誰と組むか、強みは?、どのような手順で)
    →これら9つの因子はすべて一貫して繋がっていなければならない。
    ●ヒットしている商品とは:買った「あとでも」よかったと思ってもらえている商品。
    ・価格はこちらが決めるが、価値は顧客が決める。
    ・万人にきく差別化などない!アイフォンだって老人たちには受けていない。


    ●顧客価値について:
    ・どのような用事をもつどんな人か、まで具体的に考えるべき。
    男性、女性、子供、ではだめ。
    40代家族連れでもだめ。
    「家族でスポーツを始めようと思っているが、どんな道具が必要かわからないファミリー」
    ・「ふとればかち」つまり「不取れば価値」。つまり不便、不満、不確実不利益などをなくしてあげること。


    ●利益について:
    ・『ザ・プロフィット』で紹介された23の儲け方。
    ・全部の商品、全部の顧客から儲けようとするな。損して得とれ。

    ●プロセスについて:
    ・強みを棚卸ししてそれぞれについてVRIO分析:自社はどんバリューを持っていて、それが稀少か、模倣困難か、組織がうまく使えているか、で考える。そして顧客価値に基づいて考えると、✖や△がついたところでも、○になる可能性がある。

  • who what how
    顧客価値、利益、プロセス

    の9つのマスを埋めて行く

  • 9つの質問をフレームワークとして紹介。
    真新しいものではないが、大事な論点が抽出されわかりやすくまとめられている良著。
    内容自体はビジネスモデルキャンバスとも共通する部分多いが問いの形で構造的に整理されているのはよい。
    9つの問いも整合性ももっともなところながら、良い企画とするための要点は解像度の高さに帰結しそうという感想。そのとっかかりとして問いは有効だとは思う
    事例はとてもわかりやすく、新規事業例、変革例、新商品例として参考になる。
    ジョブ理論が背骨に入っている印象

    メモ
    ・9つの質問
     どんな用事を抱えている人をお客様にするのか
     解決策として何を提示できるのか
     どのように提案するか
     誰から儲けるのか
     何で儲けるのか
     どのようなタイミングで儲けるのか
     どのような手順でやるのか
     手順の中で何が得意なのか
     誰と組むか

    ・売れているものについて、何だけではなく、なぜに着目してみる

    ・顧客価値創造シート
     片付けるべき用事を特定、優先事項を列挙、解決策を設定、購入ステージ、用事解決ステージ、継続ステージで訴求ポイントや価格帯を設定して、全体の整合性をとる。

    ・儲け方のバリエーション
      儲ける方法
       直接販売
       販売後サービス
       コンテンツモデル(媒体で収益化)
       商品ファイナンス(補助サービス・金融など)
       ロイヤルティ(知財の権利利用対価)

      課金方法
       商品対価
       定額制
       従量制
       利鞘
       紹介料
       広告

    ・儲ける客、儲けない顧客を事前に決めて整理する。
      子供からもうけず、親から儲ける
      女性でもうけず、男性で儲ける

    ・どの商品で儲けるか
      牛丼でなく、味噌汁、おしんこで儲ける
      本体でもうけず、補充剤で儲ける
      目玉商品でもうけず、それ以外の付随商品で儲ける
      ハンバーガーでなくポテトやドリンクで儲ける

    ・どのタイミングで儲けるか(同時・時間差)
      広告のように後で儲ける形をとるか
      その場合、担保する別の収入源や無収入に耐えられるストックが必要。

    ・プロセスは役割分担、すなわち自社の強みを整理することが有効だが、
     必ずしも競合対比でなく、顧客への価値という観点で考えてみる。
     
    ・組む相手の条件
      規模があっていること
      価値提案を共有していること
      

  • BMCの日本版という感じのフレームワーク。
    ビジネスの基本は、世の中に価値をどうていきょするかで、お客様あってのもの。多くのジャストアイデアは、サービスコンセプトや製品コンセプトのみなので、誰に何をどのようにという観点が欠けており、この本のフレームワークで整理するのも良いと思った。

    クリステンセンのジョブ理論を引用していたり、BMCっぽいところもあったり、スライウォツキーのザ・プロフィットの儲け方23通りも載っているので、新ビジネスを考える入門書としては良いかな。ただ、僕には物足りなさすぎた。

  • この手のビジネス書は初めて読んだし、今後活用する機会もなさそうだけど、仕組みづくりが大切なのだとはいうことは学べた。
    ビジネスは入念な準備が大事なんだなぁ、と。

  • 業務フローをつくってどこで連携してどこで収益を上げるか、ってのを考える上でいい示唆。

  • 儲かる仕組みをつくるフレームワーク。9つの質問をクリアにすることで、よく失敗しがちな、決めることの漏れ、不整合などを防止する案がつくれる。個人的には顧客価値の提案を考えるうえで、ニーズよりも根本的な解決したい用事を考えるという発想は参考になった。

  • 儲け方のロジック「誰から、何で、時間軸」

  • 誰のどんな用事を解決するか、それをどう伝えるか、という顧客価値から始まり、それをベースに誰から儲けて誰から儲けないのか?儲けない場合はその顧客の役割はなにか?という顧客ミックスを活用。また、何で儲けるのか?どの時間軸で儲けるのか?といった視点から利益モデルを構築していく。

    最終的には、活動チェーン(おそらく顧客視点のジャーニーマップに近い)を洗い出してそれと対応するようにバリューチェーンで価値提供の実行プロセスを描く(サービスブループリントに近いかも)。
    この活動チェーンは、このステップの中のどこで儲けるのか、それぞれのステップでどうUVPをメッセージとしてコミュニケーションを取るのか、といったことにも使える軸となるもの、というのが新しい活用方法だなと感じた。

    また、その活動の中で価値に対して活かせる強みをVRIOで分析し、強みに集中しつつ弱みはパートナーに補ってもらうという体制をはかる。

    読んでみて、特に利益モデル構築の際に、儲ける顧客・儲けない顧客や、儲けるサービス・儲けないサービスを意図的に設計するというのはあまりなかった視点で、色んなビジネスをこの視点でみてみると仕組みが分かりやすく分解できそう

  • 9セルメソッド
    Who What How
    顧客価値 利益 プロセス
    この3×3のマトリクス

  • 2015.2.22〜2.24
    企業の目的は「顧客(世の中)を満足を追求すること」と「利益を追求すること」これは両輪でなければならずどちらが欠けてもいけない。これがビジネスの神髄。
    ⚪️儲かっていないビジネスに共通する三つの原因
    1、決めるべきことの量と質が十分であること
    2、それらが一貫していること(整合性がある)
    3、顧客やライバルが存在する外部環境と適合している
    →常に仕組みとテーマが環境に適合しているかを観察しなければならない

    •「用事」は「ニーズ」を作り出す根源。
    →ニーズはモノに対する必要性を意味する。モノに対する必要性は、何らかの用事が明確でないと生まれてこない。
    「顧客は製品など買っていない。顧客は何らかの状況で、自分の『用事を片付ける』為に、製品を『雇う』そして、既存の製品では未解決の用事があり、それが耐えられない顧客はそれを解決する代替案を雇う」
    ニーズをベースとして商品開発や提案を考えると「現在流行っているもの」に軸を置いてそれと同じものを探してしまう。視野を狭くしてしまう。

    ⚪️儲ける仕組みをつくるフレームワーク
    「9つの質問」
    《顧客価値》
    1、どんな用事を抱えている人をお客様にするのか?
    2、解決策として何を提示できるか?
    3、どのように提案するか?
    《利益》
    4、誰から儲けるか?
    5、何で儲けるか?
    6 、どのようなタイミングで儲けるか?
    《プロセス》
    7、どのような手順でやるか?
    8、手順の中で何が得意なのか?
    9 、誰と組むか?

    「9つの質問」のマトリクス
    http://www.obunsha.co.jp/news_release/354.html

    2015.2.22〜
    ダメなビジネスモデルには、共通の欠落がある。
    これらの9セルがきちんと埋められていない、すなわち決めるべきことが足りていない。
    儲けるビジネスを世に送り出していくためには、9セルが埋められている事が最低条件。この9セルをきちんと埋める思考法を身につける必要がある。
    また、単に9つの質問に対して答えを埋めるだけでは不十分で、それら全ての答えが「つながっている」ということも大切なポイント。
    ほとんどのビジネスは顧客のベネフィットを、決定づける顧客価値のWhoとWhatからスタートし決定していく。
    ⚪️顧客満足の定義
    支払った金額以上の価値を顧客満足という。
    (当たり前だが顧客満足は提供する側が決めるものではなくサービスを受ける側が決めるもので決して独りよがりではならない)
    •何が売れているのかを見るのではなく、『なぜそれが売れているのか』を考える。売れている理由を突き詰めれば「片付けるべき用事」に突き当たる→「何」から「なぜ」へと目線を変える
    「不とれば価値」-----顧客目線でビジネスを展開する魔法のキーワードです。顧客の「不」をとってあげる、それこそがビジネスの神髄。不便、不利益、不確実性、不満
    •ブランド力を持たない会社が新しいビジネスを始める時、全てのお客様から儲けようと思うと成功の確率は極めて低くなる。→全てのお客様からではなく「特定のお客様」を組み合わせながら儲けを生む仕組みを考える。
    →設けない顧客が儲ける顧客を連れてくる「顧客ミックス」。
    •どの商品で儲けるか。「損して得」とる組み合わせで儲ける「マージン•ミックス」インパクトのある商品では少ない儲け、場合によっては損に甘んじるがそれ以外の商品で儲けてトータルで儲ける
    •VRIO分析
    企業が持っているリソースや能力は(Value)を持っていて、その資源が希少(Rarity)であり、さらに模倣困難(Inimitability)で、なおかつ経営者あるいは組織がそれ(Organization)をうまく使えている。
    •誰と組むか?(パートナー)
    ①規模があっていること
    ②価値共有を共有していること

    •現在のビジネスを変革しなければならない人にとって9つの質問に答えられない項目がブレイクスルーポイント
    •ビジネスモデルに終わりはない。ビジネスモデルに完成はあり得ない。完成したと自負した時に成長は止まり、陳腐化が始まる。常に顧客との対話を通して成長していくもの

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著者プロフィール

川上 昌直(カワカミ マサナオ)
兵庫県立大学国際商経学部教授
1974年大阪府生まれ。福島大学経済学部准教授などを経て、2012年兵庫県立大学経営学部教授、学部再編により現職。博士(経営学)。「現場で使えるビジネスモデル」を体系づけ、実際の企業で「臨床」までを行う実践派の経営学者。専門はビジネスモデル、マネタイズ。初の単独著書『ビジネスモデルのグランドデザイン』(中央経済社)は、経営コンサルティングの規範的研究であるとして、日本公認会計士協会・第41回学術賞(MCS賞)を受賞。ビジネスの全体像を俯瞰する「ナインセルメソッド」は、規模や業種を問わずさまざまな企業で新規事業立案に用いられ、自身もアドバイザーとして関与している。また、講演活動や各種メディアを通してビジネスの面白さを発信している。他の著書に、『「つながり」の創りかた』(東洋経済新報社)、『ビジネスモデル思考法』『マネタイズ戦略』(以上、ダイヤモンド社)、『儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書』『課金ポイントを変える利益モデルの方程式』(以上、かんき出版)などがある。

「2021年 『収益多様化の戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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