なぜ税理士は経営者の期待に応えられないのか

著者 : 前田和人
  • かんき出版 (2013年3月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761269029

作品紹介

昔は儲かる士業の代表だった税理士。
しかし、いまではまったく様変わり。

競争相手が増え、不景気が続き
インターネットの普及で地域の垣根を越えて営業ができるようになり、
顧問料は低下するばかり。

そこで問われはじめたのが税理士の質、
いかに融資を引き出せる決算書が作れるかの力である。

本書は、税理士と税理士がつくる決算書を
20年近く融資担当者として見てきた著者が本音で明かす、
会社を殺す税理士、生かす税理士。

なぜ税理士は経営者の期待に応えられないのかの感想・レビュー・書評

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  • 世の中の「ダメ」な税理士の側面を書いた感じです。「ダメ」というといいすぎかもしれません。付き合う税理士が「どういうタイプ」「どういう仕事の仕方」なのかをきちんと見極めたうえで付き合いなさい。ということなんでしょう。

  • 会計、税理士への取り組み方を考えた1冊。いままでみた税理士関連の本の中で一番実務的で秀逸。

    以下レバレッジメモ

    銀行マンは税理士をお金の専門家とは見ていない。たとえば、融資のために銀行に提出する決算書。通常は3期分を提出するのですが,これは,各企業が顧問契約をしている税理士に作ってもらっているはずです。その決算書の資産の部の中に商品が1000万円計上されていたとします。申告書類としては,この経常そのものが問題になることはまずありません。資産が計上され,負債が計上され,資本が計上されていて,その数字が会っていれば申告書類として問題ないのです。しかし税理士をお金の専門家だと思っていない銀行マンはその決算書を一瞥してあやしい。数字合わせをしているだけではと疑いの目を向けるのです。銀行マンは不良資産がありそうだと感じればその額をマイナスして計算しています。
    税理士はホントに経営の勉強をしていない。
    たとえばお金のことについて一例をあげると、資金繰り、助成金などのアドバイスがあります。資金繰りについては,43Pに示したような選考した3ヶ月くらいの資金繰り表を作って,きちんと資金管理していくことが大切ですね,といいながら,実際にはその顧問先の資金繰り表作りを指導することができない税理士がいます。できないどころか,そもそもの資金繰り表のつけ方すらよくわからないという税理士もいるのです。助成金については,人の雇い方によって色々な助成金を受けられるケースがあるのですが,そのことを良く理解していないため,企業側に取ってみれば適切なアドバイスを受けることができません。また私も驚いたのですが,小規模企業共済、倒産防止共催と言った公的機関の共済制度について全くアドバイスをしていない税理士もいます。
    意気揚々と中小企業の経営を支えるぞ!と志を高く持った若手税理士もいます。その一方で税務署員の定年が間近になって,ちょっと中小企業の税務相談でも受けながら,あと10年頑張って働くか。と考えるOB税理士もいるでしょう。私も見聞きしたことがありますが,このようなタイプの人に経営についてアドバイスをされたらホントに不幸です。
    記帳代行だけなら受けません当考え方をする税理士も出てきました。税理士業務という観点から考えるとそういいきるのもどうかとは思いますが,今は記帳代行から引き受けますが将来は自計化をめざしましょう!という方向で訴える税理士も増えているのが実情です。その点からすると記帳代行だけを増やして数で勝負する税理士はさらなる価格競争の波に飲まれて,この先あまり期待は出来ないのかもしれません。そのような税理士を顧問とする企業や社長も先々細っていくように思います。記帳代行にとらわれすぎていると会社も税理士も互いがやっつけ仕事の受発注になり成長しないのです。またほとんどのケースで記帳代行の結果が出てくるのに1週間から10日間くらいのタイムラグがあり,スピードの必要な経営の意思決定が遅れてしまいます。一事が万事と言うわけではありませんが、記帳の遅れは,あなたの会社のその他の業務の遅れにも波及してきます。企業としては,最初は記帳代行だけを依頼したとしても,出来るだけ早くに文字どおり自社で経理などの記帳を行う=自計化し、その数字を元にきちんと指導出来る税理士をさがすことが大切です。
    私は自分の顧問先に対して,試算表はともかく決算書を元にした話し合いについては,社長と税理士と私だけでなく,出来るだけ他の役員も参加させて行うようにしています。年1回でも税理士を交えて経営陣がしっかりと話し合えば社長の話していたことと実態がどのように違っているかまた合っているのか,更にそのなかで各役員が何をしなければならないかも鮮明になり,次の事業年度の展望も開けてくるからです。もしその話し合いすら渋るような税理士は,きっと,あなたの会社が傾いても意に介することはありません。顧問料をもらう分だけ働いておこうと,割り切っているのです。なお,試算表についても出来れば月次の記帳代行が終わった10日後くらいの日にちで30分程でかまわないので面談をすべきです。税理士は今社長が何を考えているのかを聞き、社長は自分がやろうとしていることについて意見などを聞く,その意思の疎通だけで経営状況が徐々に良くなっていくものです。
    コミュニケーションスキルが致命的?
    ところでこの説明がないというのは税理士にどのようなスキルが足りないからなのか。その第一にいえることはコミュニケーションスキルの不足です。コミュニケーションスキルといっても人間心理に根ざしたなどと大げさなことではなく,単純に,主に次の2点に対応することなのです。
    1.税理士は自分が何をするのかを宣言する
    税理士の仕事は資格業務の限られた範囲のことを行う訳ですから,宣言すると言ってもそれほど難しいことではありません。私は毎月1回訪問します。試算表は毎月×日に所員が届けます。私の訪問は2ヶ月に1回30分程です。と税理士自身が行うことをきちんと顧問先に宣言して,その了解を取る習慣をつけるだけで良いのです。従来,この部分が契約内容としても意外とあいまいで,税理士の訪問する先と頻度にはムラがあったり,なし崩し的に訪問しなくなったりするケースもありました。それでも顧問料は変わらず一定額を受け取るのですから,企業からの信頼感は揺らいで当然です。しかし,この最初のけじめの部分がしっかりしていると,後々の税務相談などでの出来るできないと言ったことも明確に答えることが出来,互いに信頼感が揺らぐことが少なくなるのです。
    2.ちょっとだけ雑談をする
    これも大げさなことではありません。税理士側が雑談出来る,ちょっとだけ話を展開出来るコツを身につけておけば良いのです。雨ですね,はれてきましたねといった時候の挨拶から、ちょっと厳しい状況が続いていますね大きな買い物は控えていませんかと言った経営状況や投資の話のとっかかりについて税理士の方から一言踏み込むことが大切なのです。
    高齢の税理士の勉強不足も!
    そのような税理士事務所は企業側からしてみると,結局は記帳代行しかやってもらえないという印象になります。そうなると前項で示した例と同様になり,適切なアドバイスすらもらえず依頼している意味すら薄らいでしまうのです。これは,企業に取って大きな無駄です。もし税理士事務所と自分との間に不協和音があることを感じているなら早めにそのことをしっかり相談したり,一人の個人事務所でもしっかりとやってくれる税理士に鞍替えしたりする方がよいでしょう。その代表税理士が高齢で社長自身が30代,40代となるとなおさらです。そのような場合は代表税理士の代かわりの時に適当にあしらわれてしまう可能性だってあるのです。ところでこのような高齢税理士の実態を少し見ておきましょう。税理士会の実態調査によると60歳以上の高齢の税理士が税理士全体の半数以上に上ります。70歳以上でも3割以上になり全体としては相当に高齢化していると言わざるを得ない状態なのです。一概にいえませんが,高齢の代表税理士はいわゆるOB税理士が多いように思います。すると,新しい税制や企業動向,更にIT関係について勉強不足になりがちな面も否めません。そうなると,会社は時流に乗れず経営が傾きだすと余計に傾いてしまうと考えた方が良いのかもしれません。
    高齢の税理士の強みと弱み
    強み:税務署に顔が利く、1代で事務所を築いた人はそれなりの哲学を持っている。事務所を大きく出来た人は優れた人脈を持っている。顧問先の問題点を大所高所からスパット指摘してくれる。
    弱み:2世に移行した時のギャップが大きい。ITに弱い,試算表などをPDFで送ってくれない、時代の流れについていけず新事業とか業種転換の話には疎い、昔のイメージを持っているので上から目線。
    伝え方はいろいろある!
    税理士から顧問先への情報提供には色々な手法があります。いわゆる事務所便りとしてA3,A4の要旨に色々な税務情報をまとめ顧問先に送付するのも良いでしょう。もちろんメールマガジン形式を使っても自分の事務所のウェブページの新着情報の更新で対応しても良いのです。色々な顧問先を持っている税理士ならそうした情報の中に顧問先が参考になる企業の成功事例を盛り込んでも良いのです。そうすればただ税務情報を伝えるよりは税理士事務所としての仕事の幅がグンと広がります。そしてそのような提供する情報がしっかり咀嚼しているかどうかを税理士側としてチェックすればより前向きな企業と付き合っていこうという顧問先の選別化にも繋がるのです。やっている税理士に取ってみれば当たり前のこれらのことを,やっていない税理士もたくさんいます。その税理士の顧問先はやってもらえないのが当たり前になってしまいますから,税理士から受ける企業の情報量は数年間で大きくひらいってしまいます。それは企業に取って大きな情報格差になるのです。
    税理士として開業しようという場合は,最初から税理士事務所に勤務しつつ税理士資格を取得し,開業を目指すでしょう。一方の勤務税理士は将来のことを踏まえて資格を取得したけれども,開業した税理士の現状を見ると,なかなか開業に踏み切れないということなのでしょう。これは私個人の考え方かもしれませんが,税理士に取って,サラリーマン時代の経験はとても重要です。金銭感覚に置いても事務所経営に置いても,無理がなく,真っ当なことを語っている税理士の略歴を聞くと,多くは企業での勤め人の経験、管理職経験などが豊富なのです。
    たとえばある会社から月額5万円の顧問料をもらうことになったとします。その時に5万円もらうのだから5万円以上の価値を提供しないといけない。様々な情報提供を行ったり,しっかりした試算表の分析データを作ったりしないといけないといった使命感と言うか商魂をもてるかどうかなのです。そういった考え方が前述したサラリーマン経験のある税理士にはしっかりと出来る人が多く,旧態依然とした考え方の人にはできないのではないでしょうか。これはスキルの問題ではありません。資格仕事なのですから極端にいうと,よほどのことがなければスキルに差はないのが税理士の仕事です。差がつくのはこういったちょっとの心構え。その積み重ねではないでしょうか。
    ビジネスマッチングも考えられない
    確かに事業を分かっていなくても決算書を作ることは出来ます。しかしその決算書の仲のお金の流れを見ることが出来ないのです。一つの業種をとっても細かな業種区分によって資金需要の中身、支払いや入金のサイトなどがそれぞれ異なるからです。その実態が分からなければ税理士は分からないまま決算書を作ります。もしその顧問先が借り入れる必要があれば,税理士が分からないまま作った決算書を社長は融資担当者に見せて大幅な修正決算書を作らなければならなくなる。そのような事態を招くのです。そしてその業種を詳しく知らなければ企業のコンサルタント、アドバイザーとしてビジネスマッチングをさせることも出来ません。この顧問先は,どのような仕事をする会社と組めばうまく立ち直れるのかといったことが考えられないのです。
    税理士が進めるべきビジネスマッチングとは?
    社長が社屋や自宅建設の希望があれば不動産屋を紹介する
    新商品を開発すれば,提携出来そうな会社を紹介する
    外注先が1社に偏っていればリスク分散の為の候補を紹介する
    リスク分散のために同業者を紹介する
    新事業への進出をもくろんでいるのであればその分野に詳しい事業者を紹介する
    人員の増員を検討しているのであれば採用や助成金の専門家などにアドバイスを受けられるよう手配する
    税理士は言葉としては表に出していないビジョンをしっかりと聞いておくことが大切です。その中に新たな事業の目を感じさせることもあり,その部分で資金需要が発生するケースもあるからです。
    経営のサポートと言ってもやったことのない税理士には何をやったら良いか見当がつかないかもしれません。元々会社の数字には明るくても経営に疎い人が多いでしょうから,何とも対応のしようがないケースもあります。そこで税理士にお勧めなのが顧問先の社長が決算書の説明にいく時に一緒に行って説明をすることです。そこから始めて見てはいかがでしょうか。私の銀行卍代の経験から見ても,決算書の説明の際に顧問の税理士が一緒行きたというケースは少ないものでした。メインバンクならともかく,私が勤めていた銀行はサブバンクというケースもあり,そうした銀行にしてみれば,取引企業が顧問税理士と一緒に決算書の説明に来たというだけで,ちょっと感動ものでした。実際の決算書の内容は別にしても,そのような対応は本気だなという意気込みを感じさせてくれるのです。じつは税理士は唯一そのような対応が許される立場でもあるのです。これが顧問弁護士となると銀行側も警戒します。一方もし,これが事務所の経理担当者と一緒では頼りない社長だなと軽く見られてしまうことになります。実際の説明も社長が行うことと合わせて税理士が細くすれば,説得力も増します。銀行側も率直に耳を傾けてくれます。

  • 思ったより顧問料が安いということには驚いた。そのあたりにも原因があるのかもしれない。

  • 税理士の全ての業務は、他人の求めに応じて行う、いわば代行業である。

    →責任は社長が取るもの。

  • 税理士業界は、競争激化による顧問料の引き下げ競争で疲弊感が漂い始めている。都心では最初の4ヶ月は月額顧問料無料がデフォのようだ。このような安い顧問料でどう事務所をやり繰りするのか、顧問先にどういうサービスを提供していくのか。記帳代行業しかできない単なる事務屋では生き残れない。月次決算のスピーディーな報告、事業計画書についても銀行融資担当者に納得させられるものの作成などが必要だ。当然といえば当然だが、税理士業界もこれからが正念場だ。自戒の意味を込めて。

  • 内容がなさ過ぎ

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