掟破り

著者 :
  • かんき出版
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761269524

作品紹介・あらすじ

リスクをとらずして成長はない。前だけを向いて生きよう!異端の経営者が放つ熱きメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • 【読書メモ】

    ●ビジネスに謙虚は通用しない
    アスリートや芸術家が結果を出してもそこで慢心せず、さらなる高みを目指し続けるように、昨日までの自分にだけは謙虚になってはいけない

    ●どんな上司であっても、まずは仕え、サポートしなさい
    どんな上司からも学ぶことはたくさんあります。上司をよく観察して、何を得られるか考えながらサポートすれば、自身の成長につながる

    ●企業の業績が悪くなる要因は常に内部にある。けっして外部要因ではない。これは個人も同じ
    仕事とは、常に自身の問題点を直視し、改善し続けること

    ●業績不振の会社で働く社員は「トップが悪い」と被害者意識を持っていることが多い。自分自身が当事者であることを忘れてしまっているのだ
    「自分で働いて自分で報酬をもらう」という発想がとても大切

    ●仕事に必要なのは、考え抜く力。精神的な健康は身体的な健康があってこそ
    仕事力が健康管理と密接に結びついている

    ●自分の将来を細かくイメージしても大半はうまくいかない。それよりも目の前の仕事に全力を尽くすことが大事
    キャリアはあなたが決めるのではなく、まわりの人が決めるもの。期待以上の仕事をしていれば、誰かが見ていて、自然といい方向に向かうもの

    ●キャリアとは「目指すもの」ではなく、「結果として形成されるもの」
    ひとつの仕事が終わったら、「もっと難しい仕事をください!」とだけ言っていた。「チャンスをください」という言い方をしたことはない

    ●知らない世界なのに、自分に合っている、合っていないと決めつけるということが、自分の可能性を狭めている

    ●出世を目的に仕事をするのではなく、好きなこと、やりたい仕事で一人前になるためにはどうすればいいのか。それを試行錯誤しながら努力していく、これがビジネスパーソン本来の姿

    ●転職とは「現在の仕事以上に挑戦したいこと」が見つかった時にするもの

    ●挑戦したいことが見つかった場合、まずやるべきことは、現在の仕事をどうやってそこにつなげていくのか、次のステージに上がるために足りないものを、いまの環境の中からどうやって手に入れるか、ということを考える。それが次のキャリアへの近道

    ●転職した時はそれまでのキャリアや経験を捨てるつもりで働いてみる
    いままでの経験を生かそうとすると組織の悪いところばかりが見えて、その問題を解決しようと躍起になり、その会社の「強み」を潰してしまう。転職してまずやるべきことは、その会社の強みを1日も早く見つけること

    ●20代は学ぶとき。30代は人生の方向を決めるとき。40代は決めたことをまっとうするとき。50代は後継者をつくって自分の第二のキャリアを考えるとき

    ●3年以上同じ仕事をするな。3年以内に後継者をつくるのが仕事である
    あなたがもっと難しい仕事にチャレンジするためには、後継者を育てるしか方法はない

    ●リーダーが大きな目標を掲げるのは、会社のなかでこれだけチャンスがあるんだと社員に教えるためである
    リーダーは、どんな難しい案件でも部下を「やる気」にさせて、目標を達成する。その時に大切なのは「やるぞ!」のひと言。一見「できるわけない」案件に対して、部下が「もしこれが実現したらすごいことになるぞ」と前向きなチャンスととらえるような、リーダーシップが必要。ただし本当に無理なことを押し付けてはいけない。自身の経験に基づいて、ある程度の確信があるからこそ部下を牽引できる

    ●人に情熱を伝えるのは「we」という主語
    「you(みなさん)」と言った瞬間、頑張るのは「あなた」であり、当事者ではなくなる。コミュニケーションにおいて重要なのは、相手のどこにたつか。つまり、どんなスタンスで相手に接するか

    ●不祥事が発覚した時も卑屈になる必要はない。反省すべきは反省して、あとは堂々としていればいい

    ●リーダーは朝令暮改でいい。やってみて検証し、その結果間違っていたら変える
    リーダーの発言内容が変わると部下は戸惑うが、その時は、部下に「なるほど」と言わせるぐらいの勢いで説明すればいい。「たとえ間違っていたとしても、その次を信じさせる力」こそが、真のリーダーシップ

    ●マネジメントとは忍耐と寛容

    ●社員もお客様も論理では動かない、心で動く
    ビジネスはサイエンスとサイコロジー。サイエンスは全体の0.2%で十分。残りの99.8%は人と人とのコミュニケーション

    ●リーダーは週に一度、部下から何を学んだか振り返ってみるべき
    メジャーリーグでは安打を3000本近く打っている人でも色々と聞いてくる。立場を超えて学び続ける意識を共有し、新しい挑戦をしていくことが、真の組織力

    ●若者との対話で学ぶのは、いつも私のほう
    どのようなことに興味があり、どのような考えを持って働いているのか、何がわかって何がわからないのか、こう言った話を聞くことは経営の課題を解決するひんとになる。普段接することの少ない世代の人々と話す機会をつくることは、有意義な学びを得るための一つの方法

    ●伸びしろのある人材には、仕事を任せることが最強の教育
    ポストに空きができて、若手とベテランのどちらに任せようか迷った場合、若手を登用すべき

    ●部下に対しては、要求レベルをどんどん上げていくのが愛情。本気で褒めるのは年に一回でいい

    ●褒め方には2通りある。見返りを求める褒め方と、そうでない褒め方

    ●力を入れるところと抜くところ。リーダーに必要なのは、その使い分け
    ハンズオンで現場に入り込みすぎると「社長に言われたことをやる」という意識が醸成されてしまう。私が何もしないことが、社員の育成にとって、最もいいこと
    力の入れどころ、抜きどころを理解することで、仕事はさらに楽しく、ラクになる

    ●危機に陥ったら、落ち込むのではなく、リーダーであれば部下の成長を、そうでなければ自分の成長を加速させるチャンスだととらえ、できることを探して力を注ぐ

    ●人はいつ死ぬかわからないから、最期まで生き抜こうとする。仕事も同じこと
    結果が出る前に人事を保証するというリーダーの行為は部下のやる気やエネルギーを削ぐ

    ●人を評価することがリーダーの仕事ではない。人をつくることが仕事

    ●評価とは「その人が次にもっといい行動をするための行い」

    ●どんな小さな組織でもリーダーになったら、自身の仕事と並行して後継者育成に取り組む

    ●後継者を育てることができたら、リーダーは自ら退任すべき。退任とは成功である

    ●私はメモを残さない。後から見直していては遅いからだ

    ●多くの人は締め切りに間に合うように決断するが、私の場合、締め切りが先だとしても、今日決断する

    ●人よりはやく動き、競争に勝つためには、ゴールから現在位置を見る。詳細な市場調査をして、方針を決めて実行するのはスタート地点からゴールを見てしまっている。リサーチは仮説を検証する目的で、あとから行う

    ●決断の大きさは金額に比例しない。真のビジネスインパクトにどれだけかかわるか

    ●商売は麻雀でいう、リーチ一発カンチャンツモ。いまだと決めたら、躊躇せず瞬時に動かなくては絶対に勝つことはできない。その勘を養うために普段から現場に足を運び「商売のにおい」を嗅ぐ

    ●業績のいいということもピンチの一つ。業績がいいということは落ちる可能性があるということ。業績がいいときでも常に危機感を持って問題点を探す

    ●経営とは、たくさんのピンチとほんの少しのチャンス。だから鍛えられる

    ●戦略に⚪︎も×もない。どんな戦略も⚪︎。結局はすべて、実行力で決まる
    戦略を選ぶのは結婚相手を選ぶのと同じ。結婚相手を選択するときでなく、結婚後どう実行するかが問題。
    戦略の決定に時間をかけるよりも、決断した戦略に力を注ぐほうが圧倒的に成功の確率が高まる

    ●1年は13ヶ月で考えろ
    1年の目標は13ヶ月分の数字で立てれば、目標を達成することで売上を8.3%上げられ、翌年の売上のベースラインも上がる

    ●過去を振り返っても意味がない。前だけを向いて生きよう

    ●企業というのは「らしさ」を忘れて不振に陥り、「らしさ」を取り戻してふっかつするもの

    ●世の中の変化についていったら負ける。自らトレンドをつくらなければ生き残れない
    「変化に適応しないと生き残れない」という言葉に違和感を感じる。消費者に健康志向が高まっているからといってヘルシーメニューを出すのでは、長い目で見れば「らしさ」という企業にとっていちばん大切なものを失ってしまう。逆に一つ1000円のクォーターパウンダージュエリーを一日限定で販売した。お客様が気づいていない潜在的な要望を顕在化し、「驚き」を提供する

    ●変化の激しく熟成した市場で戦っていくためには、「無形の価値」をいかに提供するか

    ●会社の利益をあげるために価格を上げるということは絶対やってはならない。「値上げ」は商品やサービスの価値を上げてはじめて行えるもの。まず投資をして価値を上げ、それをご理解いただいたうえで、投資した分の価値を上げる

    ●ブランドをお客様に認知してもらうには、まず社員が価値を感じて「企業の心」を共有しなければならない。広告を打つだけではダメ

    ●「どこのコストを削減するか」という発想より「売るためにどこにお金を使えばいいか」という考え方が大切。経営とはお金の使い方を考えること。改革とはお金の使い道をよりよいものに変えること

    ●1年の売上だけを考えるならば、経営なんてラクなもの。持続的な成長を続けられるような戦略をいかにとれるか

    ●日本企業の経営陣は閉鎖的。女性、外国人など思い切った人選が世界で戦うための力を呼び込む

    ●「失敗を繰り返さない」というマインドは自分の欠点にばかり目が向いてしまう。成長するためには成功体験を積み重ね、自分の強さやオリジナリティを知り、それを伸ばしていくことが不可欠。「失敗から学ぶ」ということは、その失敗からいままで知らなかったことを発見し、壁を突き破り、それを成功にむすびつけるということ

    ●内側に思いを持っているだけでは何も変わらない。叱られる、嫌われるなどと思わずに、自分の思いや信念をぶつけてみることはとても大切です

    ●本当の学びとは、自分の頭で考えて、新たに発見し、発想すること

    ●答えを考えすぎると、人は考える能力を失う

    ●何かを吸収しようという姿勢を常に保っていれば、どんな経験も有意義になってくる

    ●現状に満足していたら、現状維持すら難しくなる

    ●成長とは階段を上るではなく、積み木を積み上げていくようなもの。成長するやしたがって、基礎をどんどん強くすることが必要

    ●成長のためなら、リスクは進んでとれ

    ●たくさんのアドバイスに惑わされるより、「これをやる」と決め、継続する方が、何事においても効果的

    ●世界で通用する人間になるのなら小手先の語学だけでなく、思考や文化の違いも学ぶべき。その違いを知るためにはまず、日本の文化を深く理解する必要がある

    ●「掟破り」とはいままでのルールを破ることではなく、全部を「捨てる」ということ
    「ルールを破る」では結局ルールを裏返しにする程度の発想になってしまい、自由に発想できない

    ●「人間、できないことはない」と信じてやることが最も大事

    ●停滞しているように見えても、実は進歩している。そう思えば挑戦し続けられる

    ●失敗に対峙したときは、問題点を列挙するのではなく、これまでの成功を糧にする
    問題点を挙げて対応しても、それでは競合と横並びになるだけ。それよりも、競争相手が絶対に追いつけない「強み」を探して、それを極限まで伸ばすことが成功につながる

    ●理詰めでモノを考えたときほど失敗しやすい。お客様は理屈でモノを買ったりしないから

    ●どんな問題でも、必死に取り組めば必ず解決の糸口は見つかる。「アイディア」がでないということは、その問題に対して本気で取り組んでいないということ

    ●それまでにらとことん考えてないと絶対にひらめきは出てこない

    ●仕事は時間ではない。質とスピードである

    ●仕事は足し算ではなく掛け算。Aが良くてもBがダメなら結果はゼロ
    チームの構成員の仕事の積み上げでなく、関係しあって完成する。目的の確認と共有化、さらに最初の段階での役割分担を明確にできる能力は必須スキル

    ●スピードを求めるのは仕事をたくさんこなすためでなく、プライベートの時間をしっかり確保するため。それが結果的にビジネスにフィードバックされる

    ●机の上のきれいさと、仕事のスピードは比例する
    物理的な整理整頓はもちろん、思考の整理や情報の整理に長けている

    ●仕事というのは、与えられた作業をこなすのではなく、与えられた時間のなかで与えられた目標を達成すること
    自分の仕事を「仕事」と「作業」に分けて考える。作業は効率化や人を増やすことで解決するが、仕事は企画型なので人数を減らすことで意思決定を早くできる
    自分や組織の仕事を分解して考えるのが定時で帰るためのヒントになる

    ●休む理由をひとつ見つけると、他の理由も次々と見つかる。言い訳探しがうまくなって、結果やめてしまう

    ●成長し続けるために、なんでも言い合える友人知人をたくさんつくっておく。歳を重ねると正直に言ってくれる人が減っていく

    ●重要なのは、正論を貫くことではなく、正しい解決に落とし込むこと
    相手によって「異なる言語」を使い分け、適切なコミュニケーションを取ることが大切。つまり、相手の立場に立った、心に届く言葉が必要になる

    ●逆境にいるときこそ、人な本当の心を知るチャンス

    ●人に感謝の気持ちを表すとき、利害関係のある時点で「モノ」で返すと、それは別の意味を持つ。だからこそ、利害関係がなくなったあとにはじめて、本当の感謝を伝えることができる

    ●本番はただのご褒美。真のレースら日々の鍛錬にある
    毎日の地道な仕事、大変な仕事を積み重ねられるかどうかが本当の勝負

    ●仕事ばかりに没頭していると、頭が不健全になる。オフの時間に健全な精神を取り戻そう
    忙しい時間ばかり過ごしていると、まさに「心を亡くす」

    ●お金でない人生の目的を見つけることこそ、豊かな人生を築くために必要なこと
    人の役に立てる人間にならないと、真の幸せは手に入らない世の中の人のために役立つ仕事をする

    ●人生で最も大事なものは愛、家族の愛だ
    愛とは人と人の心のつながり。まずは家族やまわりの人を一生懸命あいす。そして頑張って仕事で成果を出し、その成果を社会で役立てる。いま自分が置かれてる環境をもう一度見直し、それをまわりの人や社会に役立てるためにはどうすればいいのかをとことん考え続ける

    ●肩書きは「職位」ではなく「職種」
    でしかない。肩書きはなくても、人生の目的をしっかり持ち、自分を成長させながら一生懸命仕事に取り組み、社会に貢献している人のほうがよっぽど幸せ

  • 原田さんの名言とその解説的なまとめ方の本。
    特に何度も出てきていた主張、気になったことは、
    ・失敗しない奴は何もしていないのと同じ
    ・後継者を育てなさい。3年で引き継ぐつもりで。(会社や上司がローテーションしないとかではなく、他の、一つ上の仕事に自分を変えていく、そのために後継者を育てる)
    ・いつまでも学びなさい。部下からも学びなさい。その姿勢を部下にも見せなさい。
    ・できないことはないと思いなさい
    ・お客様は理屈でものは買わない
    ・スピード
    ・健康を自己管理

  • 最初読んだ時はそう感じなかったが、読了してストイックだなって感じた。
    ただ本書を読んで、2014年1月現在後継者が業績が伸び悩むなかで微妙なメニューを出したり、メニュー表を復活させたりして、苦戦を強いられてるのを見るとここまでストイックでないと経営が難しいのかとは考えさせられた。
    確かに本書を読んでマクドナルドが今までにやってこなかったことを行う筆者の斬新なアイデア力(メニュー表撤廃や1,000円バーガーなど)は卓越してることは評価できるが、私生活や仕事面での意識のストイックぶりには少々違和感を覚えたのも事実。
    ただ読んでみていい勉強にはなりました。

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著者プロフィール

長崎県佐世保市出身。元アップルコンピュータ株式会社代表取締役社長兼米国アップルコンピュータ社副社長。2004年よりマクドナルドCEOに就任。前任の創業者社長である藤田田が進めてきたバリュー戦略の見直しを次々に打ち出し、行き過ぎた安売りで失墜したマクドナルドのブランドイメージの建て直しに奔走、短期間で建て直した。その経営手腕の評価から、2009年12月に「GQ Men of the Year 2009」の一人に選ばれ、2011年10月には日本経団連の関連組織である経済広報センターより「企業広報経営者賞」を受賞した。その後、2013年6月にソニーとベネッセホールディングスの社外取締役に就任。2013年8月27日付けで日本マクドナルドの社長を退任。現在は日本マクドナルドホールディンクス株式会社の代表取締役会長兼社長兼CEOを務める。

「2014年 『バトンタッチ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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