ふやすミニマリスト 1日1つだけモノを増やす生活を100日間してわかった100のこと

著者 :
  • かんき出版
3.44
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本棚登録 : 317
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761275747

作品紹介・あらすじ

100日間、所持品ほぼ0からはじめて「1日1つアイテムを取り出す」という決まりで生活しました。
例えるなら、無人島で暮らして人間らしさを取り戻した100日間の記録、みたいなものです。

〈ルール〉
•自宅から1日1つだけモノを取り出せる
•食料の購入はOK(調味料は毎回カウントする)
•電気・ガス・水道のライフラインは完備
•最低限必要な初期装備を設定
•期間は100日間

本書は大きく2部構成となっています。
は、1日目から100日目まで毎日どんなものを選んだのか、またどのように感じて過ごしていたかの記録です。
では、100日間を通して気づいた100個のことについてまとめました。

日常で当たり前のように思っていたことがくつがえされる場面もあれば、
なぜこのことに気づかずに生きていたんだろうと思うこともあり、
生まれて初めて「暮らす」ってどんなことなのか本気で考えました。
それは、ただ生き延びるということとは違うものでした。

例えば……
•冷蔵庫ってタイムマシンだった
•まだ必需品がそろっていないのに、9日目に本がほしくなった
•意外に要らなかったものは、炊飯器や財布
•洗濯機で最も重要な機能は、「汚れの洗浄」よりも「脱水」だと思った
•何もない部屋で過ごすと1時間が4時間くらいに感じる

きっかけは、映画『100日間のシンプルライフ』についてのコメント依頼をいただいたことです。

チャレンジを始めたのは2020年の夏の終わり。
新型コロナの影響で仕事はほとんどリモートに切り替わり、大好きな旅行も簡単にはできなくなっていました。
閉塞感を感じることも多い日々。
刺激を求めて外に出ていけない代わりに、関心事の矢印を家の中や自分の内面に向かわせるのもいいなと考えました。
結果的に、その直感は正しかったと思っています。
100日間のシンプルライフのチャレンジは、まさに内なる冒険といえる体験だったのです。

なかなか気軽に「ぜひ皆さんもやってみて下さい!」と言えるチャレンジではありません。
そしてこの本は、片付けの極意を伝授する本でも、ミニマリストになることを勧める本でもありませんが、
暮らしを再発見していく感覚を一緒に味わってもらえたら嬉しいです。
**
●100日間なくてもよかったものランキング
1位 電子レンジ
2位 ハンガー
3位 炊飯器
4位 鞄
5位 財布

●手に入れて便利だったものランキング
1位 洗濯機
2位 全身シャンプー
3位 リバーシブルの服
4位 冷蔵庫
5位 電気調理鍋

●心が欲したものランキング
1位 本
2位 イヤホン
3位 土偶
4位 花瓶
5位 ボードゲーム

感想・レビュー・書評

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  • ネタバレの内容は、Amazonの本書のページに詳しく書かれています。

    生きていくために本当に必要な物を求めて暮らすという趣旨ではないので、「何で今これ?」というモノがたくさん出てくる。
    「ボードゲーム」とか「土偶」、70日過ぎてからは「ボールペン」や「レターセット」。
    80日目には欲しいモノを考えるのが面倒になり、以降は「小さなスプーン」とか無くてもいいモノを選んでいる。

    トイレットペーパーやゴミ袋が出てこないが、初期装備品にあったのでしょうね。
    まあ、いろいろツッコミどころはありますが、モノとの関りを身をもって感じるにはいい体験だと思いました。

    途中からはモノには満たされていて、欲しいのは「楽しい時間」になっている。
    時計のない生活を続けていて、「時間」について随分考えたようだ。

    ・モノがないとすることがないとは、自分は空っぽだなと感じる。
    ・モノがない生活は、防災訓練になる。心と体が何を求めるかを実感として知ることができた。
    ・何もない部屋で過ごすと、時間が長い。
    ・時間ができたらじっくり考えようと思っていたことは2日で考え終わった。
    ・昔はだらだらテレビを見て過ごしたが、今はインターネットに置き換わっている。時間を減らすモノのボスはスマホ。

    本を9冊も選んでいるのだが、そのうちの1冊が吉田篤弘さんの「それからはスープの…」で、数日前に読み終わった『本屋図鑑』も出てきた本だ。
    この本は「時間」に関する内容を含んでいるみたいで、エンデの「モモ」的感覚だったと書いてあった(自分もいつか読むぞ!)。

    その他、なるほどと思ったこと。

    ・歯磨き粉や洗濯洗剤やごま油に暮らしの中の香りを感じた。香りは暮らしを豊かにする重要な要素。
    ・インターネットは社会の扉。世界が一気に広くなる。
    ・本と音楽は心を癒す。娯楽がないと生きてる感じがしない。
    ・パソコンとスマホがあればテレビはいらない。

    モノがないといろいろ考えたり、工夫するみたいだ。
    ・まな板がない時、牛乳パックが代わりになることを思いついた。
    ・何度も同じ服を着るなら洗濯に強いことが重要。
    ・爪切りはハサミ代わりに使える。
    ・レンジもなくて平気。他に温める手段はある。

    本ミッションを終了し、元の家での生活に戻ってみると、適当に手に入れたモノで溢れていることを感じている。
    無くてもいいのに、なぜだか捨てられないでそこにあるだけのモノの多いこと!

    私も思い切って「モノを減らさなくては」と思うが減らない。特に「本」。

  • ラジオを聴いていても思うけど、言葉の選び方がとてもすてき。何かを体験した後に、それをきちんと消化して、自分の言葉で語れるってすごく大切だと思う。

    ” 私はシンプルライフを経験して、何もない部屋が自分のセンスよりかっこいいことを実感したけれど、これからも試行錯誤を続けるだろう。鏡や花瓶やトレーの場所をああでもないこうでもないと変えるのは楽しいし、部屋に合うかよりも、グッとくるかどうかで絵を買いたい日もあるからだ。うまくいかないことは悪いことではない。”

  • 藤岡さんの文章初めて読んだけど、すごく好き。ププっと笑ってしまう箇所もあり。
    しかし久しぶりの読書になった。
    子どもが夏休みに入り自分の時間が取れずにフラストレーションがかなり溜まっていたんだけど、久々に本に触れて扉を開いた瞬間、没入と共に流れるあの優しい時間。いい趣味に出会えて嬉しい。

  • 自分だったら何を選ぶかな?と想像しながら読めました。実際自分ではチャレンジできないことですが、お買い物の時本当に必要かな?と考えるきっかけになりました。

  • ミニマリストと書いてあるがいわゆる他のミニマリスト本とは違い、生きていくために1日ひとつずつものを増やしていく100日チャレンジの本。

    最初は面白いと読んでいたが、どんどん生活必需品ではなく余剰品ばかりになったのと、後半の解説はちょっと多すぎた。初期装備が少し贅沢過ぎたんだと思います。(途中で吐露されるズルを知ってから突然本に置いてかれた感があったので。これがありならなんでもいけるじゃん……って。)

    ひとつ納得したのは今はテレビに時間を取られるよりもよっぽどスマホに時間を取られているということ。よくミニマリストです!って人はテレビは捨てれてもスマホは捨てれてないから、これは仕方ないんだろうな

  • 著者は、一旦物を全部無くして、毎日1個ずつ物を増やしていくことをした結果、いろんなことに気がついた。まだ初めて間もないウチに「それ選んじゃうの?」とか、「これは自分だったらもっと早く選んでいたな」とか、自分と照らし合わせて読むと、価値観が違ってて面白い。
    著者と同じ事をするのはかなり大変だと思うが、50日(50個物を選んだ状態)くらいからならやってみてもいいかなと思った。

    ① 普段無意識になんでも手に入れてた時には気づかないが、「何かを欲しいと願うのは、結構カロリーをつかってしまう」
    ② 服が多いと、60点の服ばかり着てしまう。
    ③ 歯磨き粉が無いと、むしろ丁寧に歯を磨く
    ④ 物が少ない部屋では、集中力が高まる。気分も重くなく、より身軽になれる。
    ⑤ 家にある9割以上が、使わない物。

    なるべく物を少なくして、毎日を大切に過ごそうと思わせてくれた、とても良い本でした。

  • 著者の行動のもとであるドキュメンタリー
    『365日のシンプルライフ』を観たくなった。

    発想の転換だよね〜。
    何にもない部屋からはじめて
    必要なものをひとつずつしか増やせないなら
    選択する力が身につくのではないか、と。
    実験してみてくれて、ありがとう!
    他人事だからおもしろかったわ。

    最初は生活必需品の物欲だったのが
    だんだん娯楽系のものを欲するようになるのが
    衣食住足りて…を体現しているよう。

    これ、自分がもしやるとしたら?
    というリストを作ってみてね、と書かれてます。
    どうだろう…何から手に入れたいかな。
    悩んでみようか。

  • ミニマリストに憧れる人は増えているけど、
    まさかまっさらな状態から100日かけて
    1つずつ増やしていく、こんな事を考える発想力が面白い。

    極限の状況から、
    普段見慣れている物、使っているものを改めて「今いるのか?」を考えると無くていいものとか、要らないものとかだけじゃなくて、
    【今の自分にとって】本当に必要な物が見えてくるのか…!と、読んでいて無駄に気分が上がった。笑

    たくさんあるものから1つを選ぶのは自由があって一見凄く魅力的に見えるけど、
    本当に必要なもの(欲しいもの)を根本的な必要としている理由を信念に持って1つ選ぶことって、
    今のこの世の中で何かを決める、選ぶときに、
    必要なプロセスな気がした。

    著者の言葉選びが素晴らしいギャグセンスで
    でも鬱陶しさも、しつこさもなく、
    潔い感じが個人的にすごくツボだった。

    ミニマリストとか、そーゆーのだけじゃなく、
    人生に行き詰まってる方とか、
    生き急ぎがちで最近笑ってない人とかに、
    読んで欲しいし、おすすめしたいと思った。

  • シンプルで身軽な生活に憧れ読んでみることにしました。
    自分の持ち物について色々考える事ができました。
    タオル、毛布、布団がなかったり、化粧水もなかったり…そんな生活は私には無理だな〜などと思いながら読んでいました。でもその必需品にこだわる事で、生活の質が上がるのかもしれない、と気付けたのは良かったです。

  • パンダのうんこはいい匂いが面白かったので読んでみた。
    塩だけのスープが気になるので今度作ろう。
    部屋を片付けてスマホを手放してゆったりした時間を過ごそうと思いました。

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著者プロフィール

文筆家/ラジオパーソナリティ/ドキュメンタリー映画プロデューサー
1988年生まれ。学生時代からエッセイやポエムを書き始め、インターネットに公開するようになる。ラジオパーソナリティやMCなどの活動のほか、ドキュメンタリー映画『タリナイ』(2018)、『keememej』(2022)のプロデューサーを務める。​時間SFと縄文時代が好きで、読書や遺跡巡りって現実にある時間旅行では? と思い、2019年にタイムトラベル専門書店utoutoを開始。著書に『シャプラニール流 人生を変える働き方』(エスプレ)、『藤岡みなみの穴場ハンターが行く! In 北海道』(北海道新聞社)、『ふやすミニマリスト』(かんき出版)がある。

「2022年 『パンダのうんこはいい匂い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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