マンガ ぼけ日和

  • かんき出版
4.04
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本棚登録 : 754
感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (132ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761276515

作品紹介・あらすじ

『大家さんと僕』『ぼくのお父さん』など話題作を生み出してきた著者が、認知症患者とその家族の日常を描いた!
認知症の症状の進行具合を四季(春・夏・秋・冬)に分けて、それぞれの時期に認知症患者さんにどんな変化が起こり、介護者さんはどう対応したら良いのかがわかる構成。笑って、泣けて、不安がやわらぐ本です。

*
はじめて、全編描き下ろしでマンガの単行本を描きました。

認知症の専門医である長谷川嘉哉先生のご著書『ボケ日和』の装画を描いたご縁から原案とさせてもらいマンガ化しました。

長谷川先生の本はあたたかくユーモアを交えて、「老い」を、「老化」を、その一環である「認知症」を、そして誰にでも訪れる「死」をあたりまえのことだと教えてくれて、安心を与えてくれます。この本の装画を引き受けることを勧めてくれたのは僕の母でした。

母は長年、介護の仕事に従事していました。でも子供の頃から、僕は母の仕事について詳しく聞いたり、学んだりすることはありませんでした。どこか目を背けてしまっていたのだろうと思います。今、母は高齢になり介護される側、僕は介護する側の年齢になろうとしています。

この漫画を描くことで僕自身が、介護や認知症についてもっと考えたい、学びたい、知りたい。それがこの本を描いた一番の動機だったのかもしれません。

このマンガを読んだ皆さんの未来への不安が、あたたかな日差しのような安心に変われば。そんな一冊になっていたら幸いです。

— 矢部太郎

感想・レビュー・書評

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  • あたりまえのことだけど
    命は永遠ではないこと
    看取られる方にも看取る方にも
    さまざまな後悔があること

    可愛らしいタッチの絵に
    胸にくることばの数々

    誰もが老いていく
    元気なままで誰にも迷惑はかけずに…と思うけれど
    それはわからないこと

    介護したり、介護されたり
    家族にはできることをしよう
    もっと会って話しをしよう
    そう思えた一冊。




  • 喫茶店にあった本。コミックエッセイ。
    オーダーして料理が来るまでに半分。
    食後のコーヒーとデザートを食べながら後半を。
    昼休みで読んじゃいました。
    矢部太郎さん、初読みでした。

    認知症への理解本。

    認知症の手前をMCIと言うらしい。
    そこを早めに発見して、対応し、認知症の進行を遅らせる。それでも進行する認知症の家族をどう扱ってあげれば良いのか…。
    ゆるく、かわいい絵で、ほんわかと理解させてもらえました。
    認知症をテーマにした本なのに…
    すごく前向きに、ほっこりさせてくれる作品で、これから、親がそう言うシーンに突入する人。
    今、まさにその場面に遭遇してる人。
    そんな人向け。
    前向きに備える、前向きに対処するヒントが随所に散りばめられてました。
    本当のお医者さんが主人公的に出てきます。実際にお医者さんが監修してるし。リアルです。

    認知症のおばあちゃんが、布団からはみ出て寝ているシーン。
    風邪引くよと直してあげようとしたら、3体のぬいぐるみと寝てて、ぬいぐるみを寝かしつけてるつもりのおばあちゃん。ぬいぐるみのために端によけてあげて寝てる。3人兄弟を育てたおばあちゃん。子育て帰りをしている…。らしい。
    この4コマ…。一瞬で泣けました。

    認知症の出かたも、さまざまな様で…
    いかに、
    「受け入れてあげるか」
    がとても大切なんだと気づかされた。

    うちは、両親とも元気で、頭も元気。まだまだ先と思いたい。

    人は、誰しも年老いていく…。

    たのしく、ワクワクを感じながら年老いていきたいなぁとも思った。

    現実は…こんなに甘くないのかもしれないけど…
    やっぱり、考え方、捉え方、感じ方次第で、
    なんでも前向きに
    「 楽 し め る 」
    はずだと勇気をもらえました。

    本書を読んで、家族に優しくなれる人が1人でも増えてくれるといいなぁと思いました。

  • 以前から、ずっと気になりつつ、、ちょうど昨日、図書館で見つけました。
    優しいイラストで、テーマは重くても、ホッとしながら読むことができました。
    何事も理解、知識が必要なこと、それは、認知症だけでなく、他には通じるのではと思いました。そして、延命治療について、最後に書かれてあり、自分の考えを後押ししてくれました。

    これからも「ほどほどに」を大切にします。

  • 三組の、認知症患者とその家族の、四季を通した日常が描かれています。作中で担当をしている先生は、原案を書いた長谷川嘉哉氏。自分の家族(親)が認知症になったらどうすれば良いか、漫画なのでとても分かりやすく学べます。実際に介護するのはものすごく大変なので、だからこそこのような作品で、心づもりをして置いたほうが良いでしょう。文章で読むより、取っ付きやすいと思います。

  • コミック形式で、認知症の専門医が認知症や介護などについて、分かりやすく教えてくれる。
    矢部太郎さんの絵がかわいくて、先生の優しい口調にぴったりあっていて、ほのぼのと素直に読み進められる。
    現実はこんなにキレイにいかないだろうなと思いつつ、でも遠くない未来の参考にしたい。

  • 高齢化社会には避けられない認知症問題の入門書として
    分かりやすく
    心にストンと落ちてくる
    とてもいい一冊だと思う

    時々読み返して
    来る日に備えたい

  • モノ盗られ妄想について正しく知れて良かったです。介護をしていた家族から、「アンタ、私のお金とったやろ!泥棒!」と疑われる話は何度か聞いた事がありました。でも、これは、患者さんのお世話を一番している人、最も頼りにしている人に対して出るそうです。知らなかったのでビックリしました。

    認知症を患った家族を看取るまでの家族物語。重いテーマだけど、ほっこり、笑いあり、ホロリありの素敵な漫画。認知症介護の入門書として最適の一冊でした。

  • ボケ日和のマンガ版。認知症になるのはツライですが、それは本人よりも周りの者ですね。

    今はみんなに迷惑かけて申し訳ないとおもっていますが、なってしまえば本人はのほほん、気まま。

    人間は最後は食事が摂れなくなって亡くなっていきます。入院にするか、自宅か施設での看取りにするか・・へんな延命処置をしていただくなくても、自宅や施設で穏やかな最後を迎えたいですな。

    食事が摂れなくなるのは、生命に与えられた最後のやすらぎです。

  • 『大家さんと僕』の矢部太郎さんだから
    ほのぼのしていてあたたかい。
    もし実際にこういう問題にあたったら再読したい本。

    周辺症状(「幻覚」「モノ盗られ妄想」「嫉妬妄想」など)は
    薬で抑えることができます。(7~8割)

    穏やかになる薬にコントロールされることで
    患者さんのこれからの人生だけでなく
    これまで歩んできた人生も守ることができるそうです。

    また周辺症状は必ず1~2年で落ち着きます。
    患者さんの体力の低下とともにどんどん減っていくそうです。
    そのことを知っているだけで少しでも気持ちがラクになってもらえたら、と長谷川先生は思うそうです。

  • ほっこりするイラストで、大切なことが描かれていた。認知症のことを知識として知っていれば、いざというとき大変だけれど、受け止められると思う。このマンガを読んで、多くの人が優しい気持ちで長いお別れができたらいいなと思った。

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著者プロフィール

1977年東京都東村山市生まれ。芸人・漫画家。吉本興業所属。1997年に「カラテカ」を結成。お笑い芸人としてだけでなく、舞台やドラマ、映画で俳優としても活躍している。はじめて描いた漫画作品『大家さんと僕』で第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞し、シリーズ累計では120万部を突破。その他の著作に、絵本作家である父との幼少期の思い出を綴る『ぼくのお父さん』、人気者になりたい動物たちの楽屋での姿を描いた『楽屋のトナくん』、認知症患者とその家族の日常を描いた『マンガ ぼけ日和』がある。2021年から手塚治虫文化賞の社外選考委員を務める。

「2024年 『おひさま 矢部太郎の漫画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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